男性型脱毛症発症のメカニズムは?
最近の「薄毛・抜け毛は病院に相談しましょう」の広告では、「薄毛になるメカニズムを知りましょう。」的な内容で爆笑問題がやっています。つい先ほどグーグルアラートで見たプロペシアのアフィリエイトサイトの記事では、「男性ホルモンの分泌が過剰になって」と記述されていました。
プロペシアが日本で認可されて約8年くらい経過しますが、そんなことも知らずに告知している人がいたり、薬を飲む人がいるのか?と思うととても怖いことですね。
少なくとも自分が飲む薬のことくらいは、よく知っておく必要があります。
そして、これは私の個人的な見解ですが、男性型脱毛症と言う言葉がおかしく感じています。この言葉を読むと「男性ホルモンの影響で毛が抜けることに問題がある」ように読めてしまうからです。
実際に毛が抜けて生えてこない人は、今の男性の薄毛人口の中ではとても少ないと思います。統計を取ったわけではありませんが、100人の男性の薄毛の人がいれば、抜けて毛が無くなる人は10人もいらっしゃらないのでは?と思います。
それ以外の人は、段々と細くなり・段々と育たなくなって、最終的に太さも寿命もゼロになって生えなくなるのではないでしょうか?
そうだとすると、大多数の男性の薄毛の人が病院に相談に行くと「男性型脱毛症です」と診断されるのっておかしいですよね。
毛が抜けて薄くなるとかハゲる男性の場合も、実際上は抜けて毛が無くなっているのではなく、太さと寿命が急激に無くなっているだけかもしれないのです。
ですから、私は男性型の薄毛と言う表現は使いますが、脱毛症と言う言葉は使いません。
男性型の薄毛のメカニズム
男性型の薄毛の原因は、男性ホルモンの影響と言われています。が、私は男性ホルモンの影響は原因の一つでしかなく、他の個々の人により異なる原因が複数個絡んで発症していると思います。ご相談を承っていると、そう感じますね。
さて、男性型薄毛のメカニズムですが、以下の通りです。
- 男性ホルモンの一つであるテストステロンに
- 5αリアクターゼ2型と言われる還元酵素が作用して
- ジヒドロテストステロンに変換する
- このジヒドロテストステロンは標的遺伝子によって角化細胞の成長を抑制する因子になる
- 結果、毛が生育しなくなっていく
このメカニズムではプロペシア(フィナステリド)は、上記の5αリアクターゼ2型のテストステロンへの還元作用を阻害して、ジヒドロテストステロンを作らないようにするのです。
Pointとなるのは、以下の3つです。男性型の薄毛が発症するには、この3つが揃うことが必要だと言われています。
- テストステロン
- 5αリアクターゼ2型
- 標的遺伝子
結果、プロペシア(フナステリド)を飲むと、角化細胞の成長を抑制する因子が作られなくなるので、毛の成長が始まり薄毛を改善できるのです。
ここまでは(参考文献:専門医が語る毛髪科学最前線)から。
女性の体には5αリアクターゼ2型は存在していないので、プロペシアを飲んでも意味がないだけでなく副作用が怖いらしいですよ。
髭や精嚢にも5αリアクターゼ2型は存在していて、思春期を迎える男性の髭が濃くなるのは、ジヒドロテストステロンの影響により角化細胞の成長を促す因子にもなっているからだと言うことです。
要は、ジヒドロテストステロンは角化細胞の成長にも寄与するし、抑制するのにも寄与するわけです。
医薬品の世界では、5αリアクターゼ2型とジヒドロテストステロンの話ばかりですが、もう一つ問題がありますよね。
それは、標的遺伝子です。
私の想像ですがこの標的遺伝子の影響があって初めて、角化細胞を抑制する因子になるのでは?と思うのです。髭は濃くする方にスイッチが入るのに、どうして男性の頭部だけ毛が成長しなくなる方にスイッチが入るのでしょう?
不思議です。
がこう見てみるとあくまでも私の想像ですが、遺伝子の影響によって「抑制」か「促す」か、どちらのスイッチが入るのかを決めている可能性がとても高いと思うのですね。
と言うことは、薬でジヒドロテストステロンの生成を阻害するのではなく、遺伝子の影響でスイッチが入らないようにするのも一つの方法だと言えると思います。
だって、ジヒドロテストステロンが作られなくなるとどうなるのか?と言うことの方が大きな問題をはらんでいると思うからです。
ジヒドロテストステロンが作られなくなると当然髭は薄くなるのでしょう。
もう一つ精嚢の中ではどうなっているのでしょうか?男性にとってはとても大切な器官でジヒドロテストステロンが作られないことで、問題は起きないのでしょうか?とても心配です。
男性型の薄毛であって、脱毛症ではない
上記のメカニズムは、男性ホルモンの影響で毛が生育しなくなる場合のものです。上記でも記載していますがあくまでも成長を抑制するのです。成長を抑制してするから毛の寿命が短くなって、途中で抜けてしまうわけです。
これが、薄毛の発症パターンそのものです。
太い毛が生きなり抜けて毛が無くなってしまうのは、円形脱毛症やびまん性脱毛症に限られます。
こんなことが男性の薄毛で起こっているとは考えづらく、あくまでも段々と細くしか育たなくなり、段々と成長途中で抜けるようになる=寿命が短くなるのですから、脱毛症って言葉自体がおかしいですよね。
脱毛して薄くなるのではないのに脱毛症って言うから、抜け毛を減らそうとしたり発毛させようとして、本当に毛を無くす人が絶えないのだと思いますね。
言葉の定義を間違えると、本当にケアのやり方も間違えます。ご注意を。
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