ここのところと言いますか、頭皮を清潔にして薄毛になっているご相談がとても多いです。
たぶん、「清潔にしないと頭皮に臭いが出て、フケも出て不潔に見える」と思っている人が多いからだろう、と推察しています。
■なぜ頭皮が臭うようになるのか?
頭皮が臭うのが嫌だから頭皮を清潔にしているのに、どうして頭皮を清潔にしていると頭皮に臭いが出るようになったりひどくなったりするのでしょうか?
それは、皮膚常在菌を無視した方法だからです。人の皮膚上には皮膚常在菌が存在しています。存在理由は、皮膚上を弱酸性にして細菌やウイルスの繁殖と侵入を防いでいるのです。
また、皮膚が乾燥してしまっては生きていけないので、保湿剤として皮脂と言う脂が分泌されて皮膚を覆っています。お風呂に入った時に肌がお湯を弾くのはこの皮脂膜の為です。
皮脂は皮膚常在菌が存在する為に必要な脂で、その脂を分解した分泌物が皮膚上を弱酸性にしているのです。人と皮膚常在菌は共生関係にあると言えますね。
ところが、この共生関係が壊れることがあります。それが頭皮を清潔にすること。清潔にするとは、頭皮を保護している皮脂膜を取り去ることになり、同時に皮膚常在菌も流してしまうので、一時的に皮膚上は弱酸性ではなくなります。
皮膚常在菌には表皮ブドウ球菌等の善玉菌と黄色ブドウ球菌やアラセチア真菌等の悪玉菌があります。その内、皮膚上が弱酸性である時は悪玉菌は存在しているだけで何もしません。
が、中性になると弱酸性下でおとなしくしていた悪玉菌の繁殖が始まり活発化し始め、その分泌物が臭うようになるのです。同時に皮脂を毎日取り去っていますから再分泌を繰り返すことになるので、自然と皮脂の分泌量が増えてベトつくようにもなります。皮脂の分泌量が増えると皮膚常在菌の繁殖が増えるようになります。
頭皮がベトついて臭うのはこの為ですので、皮脂の分泌が多いのが問題だと思って頭皮をさらに清潔にしていると、さらにベトつきがひどくなり臭いもひどくなります。
■なぜフケがでてかゆくなるのか?
頭皮をシャンプーで清潔にするとは、上記の通り皮脂膜を取り去ることになります。保護する膜が無くなりますから、シャンプーの界面面活性作用で角質層を削り取ることになります。
シャンプーで念入りに洗えば洗うほどスッキリしますが、角質層をしっかり削り取ることにもなるので、痛んだ角質が剥がれる回数が急激に増えて生まれ替わろうとします。それがフケとして見えるようになるのです。
当然皮膚上は痛んで荒れていますから、その部分がかゆくなるのです。特に冬場は気温が低い為に皮脂の分泌も少なくなって乾燥するので、フケが出やすくかゆみも発生しやすいとも言えます。
皮脂の分泌が増えて皮膚常在菌の繁殖が活発化してかゆくなることもあります。最悪悪玉菌の影響で炎症を起こして、皮膚疾患を患うこともあります。
頭皮が臭う・かゆい・フケ・赤くなるの頭皮のトラブルの元は、頭皮をシャンプーで清潔にする習慣にあると言えます。
■なぜ頭皮を清潔にすると薄毛になるのか?
頭皮をシャンプーで清潔にしていると、皮膚自体が弱ってきます。老化してくると言い換えても良いでしょう。
例えば、女性はメイクをするのでクレンジングと洗顔を日々繰り返しています。最初は問題なくても、年月を経ると皮膚がボロボロになってきたり、老化度が年齢以上に進むのでしわが目立つようになり、ハリがなくなったりします。洗い過ぎる弊害ですね。洗ってメイクを落とさないとさらに皮膚が衰えてしまいます。
このように、皮膚は清潔にし過ぎると衰えてしまい回復力が低下し血行が悪くなるのです。結果として、毛を育てる組織への血行が不足することになるので、毛が成長しなくなっていき薄毛になっていくのです。
■じゃどうすれば良いのか?頭皮の湯シャンかな?
女性のお肌の場合、ご自身が我慢できればと言う条件が付きますが、メイクをしないでお湯洗いだけで上質の水分だけでお肌を潤してあげる(1日に6回程度:起床後・洗顔後・昼前後・15時前後・帰宅後・お風呂上り)習慣を2か月も続ければ、本来の肌質に回復することは可能です。
食習慣を見直すこと(緑の濃い野菜毎日どんぶり一杯と国産の大豆で出来た納豆1パック)を加えると、あれだけ荒れていたお肌が、見違えるようなお肌に回復することもあります。
お肌は2週間単位で、基底層から角質層に向かって生まれ替わって剥がれ落ちているからです。外部から水分で潤すことで肌の生まれ替わりが促進され、内部からはお肌になる良い原料と、酵素の働きを良くする原料を補給してあげることで良いお肌に生まれ替わるのです。
髪の毛はお肌が生まれ替わったものなので、上記のお肌が綺麗に生まれ替わるような習慣を続ければ良いのです。湯シャンと頭皮への上質な水分補給を続けながら食習慣を整えることです。以下参考になる書籍を紹介します。
ただ、お肌の生まれ替わりは「一律」に「2週間」単位ですが、髪の毛は「順番」に「3年~6年」単位なので、とても時間がかかることが大きな違いですね。
ここに大きな違いがあるので、続けることが出来ない人が本当に多いのですね。
それと、あまりにもダメージが深すぎてお肌が綺麗になるようなケアの方法では、困難な人が多くなっています。お肌に使うものと頭皮に使うものの品質の差が大きいのがかなり影響しています。
湯シャンを続けても中々上手く行かない場合は、ちゃんと頭皮と心身のケアに取り組んだ方が良いのではないか?と思います。そんな方は、一度育毛相談室コクーンにご相談下さい。