日々是口実~引っ越し版~

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四ツ車大八

2009-12-13 22:35:43 | 大相撲
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毎週日曜日の4時半ごろから、TBSの「JIN-仁-」というドラマが放送されています。
幕末にタイムスリップした脳外科医が器具も技術もない時代に悪戦苦闘するといった内容(初回から見ていないので、推測ですが・・・)で、これがまた面白いのです。

今日の放送は、「を組の辰五郎」が出てくるお話。時代も違うけど「め組の辰五郎」と違うの?と思い調べてみると、幕末の町火消し「新門辰五郎」という実在の人物なんですね。勉強になりました。

そこから本日の連想スタート。め組というと、め組の喧嘩。歌舞伎の「神明恵和合取組」の元になった事件。
文化2年(1805)の春場所、芝神明境内で起こった事件で相撲を見に来た、め組の辰五郎と長次郎、富士松が無銭見物を木戸で咎められ、九竜山が追い返す。同じ境内でやっていた芝居を九竜山が見に行くと先の三人に罵倒され、揉みあいの末、喧嘩に発展。それを聞いた四ツ車が飛び出し、梯子を振り回し大立回りして‐という内容。

この事件の興味深いところが、相撲方の管轄は寺社奉行、火消し方は町奉行に訴え出ると、それに勘定奉行が加わり、三手捌き(三手掛り)になった件。民間の事件に三手捌きはめったにないことであったという。ちなみにこの三奉行に目付、大目付が加わると最高の五手捌きになる。

これにより、富士松と長松は傷が元で獄死、辰五郎と半鐘を鳴らし人足を呼び集めた長吉が江戸追放。九竜山が江戸払い、四ツ車は無罪と相撲側に甘い判決になった。

この事件の主役、四ツ車大八は五城目町出身の力士で、彦兵衛商店(現在の福禄寿酒造)で四ツ車の母親が働いていたという。前は大八という焼酎(かな?)があった気がしますが・・・。
幕内在位9場所、最高位は前頭3枚目と名を留めるほどではないのだが、この事件によって相撲史にその名を刻んでいる。