日々是口実~引っ越し版~

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東京大空襲

2010-03-10 21:13:39 | 大相撲
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65年前の今日3月10日、東京が焦土と化した。東京を大空襲が襲った日である。

被害の状況はご存知の通りであるが、この大空襲で相撲界も甚大な被害を被っている。

両国国技館が焼け、周辺の相撲部屋も灰になった。そして2人の幕内力士もこの戦災の犠牲になった。

亡くなったのは、出羽海部屋の豊嶋と立田山部屋の松浦潟。私がこの2人を知ったのは、力士名鑑を見ていた時。没年月日が2人とも昭和20年3月10日になっていたからだ。

豊嶋雅男は本名 西村雅男、大阪出身。柔道経験者で稽古熱心、体は小さい体で、押し相撲から四つ相撲に転換を図り、将来を嘱望された力士。大横綱・双葉山にも2勝していた。最高位は関脇。

豊嶋は墨田川の言問橋と吾妻橋の中程で川に浸かった状態で見つかった。火に追われ川に飛び込んだが、一酸化炭素の吸っての窒息死であったという。
彼は11日には秩父に疎開する予定で、そこで同棲の女性と挙式を上げる予定だった。享年26。

松浦潟達也は本名 牧山強臣、佐賀県東松浦郡の出身。郡は「まつうら」だが、しこ名は「まつらがた」と読む。長身、色白の美男子で女性のファンが多かった。左四つからの上手投げや下手投げが武器で18年夏場所には2横綱を倒している。最高位は小結。

松浦潟は当時新婚で、本所の長屋に住んでいた。その長屋に火が回り消火活動に当たっていたが、危険を察し妻に荷車の後ろを押させて深川方面に逃げていったのを最後に、消息は不明。
手厚く葬られた豊嶋とは違い、ついに遺体は発見されなかった。享年31。

東京大空襲の日に、この有望だった2力士の話を思い出した。合掌。

左が豊嶋、右が松浦潟。死亡・行方不明者約10万人の中に、この2人も数えられている。