
ここ一ヶ月近く何度も臨時理事会が開かれ、対応が協議されていた。
その理事会が開かれる前の映像が幾度となく流されていたが、その映像の中で一際目立っていたのが貴乃花理事の態度だった。
ずうっと俯いたまま、何かを考えているかのような表情に私は興味を引かれた。
貴乃花グループと言われる中から、大量の処分者を出したから顔を上げられない・・・なんてのは全くの邪推。全理事の中で一番真剣に解決策を模索していたのでは?、と私は考えたい。
それは以下の発言からも伺い知る事が出来ると思う。
まずは「阿武松部屋全体の謹慎」勧告での発言。
これは特別調査委員会が6月27日に出した勧告案。これに対し同理事は「野球賭博をやっていない力士もいる。そういう力士は救済すべき。」と発言したという。
この発言はもっともだ。このような当たり前の事も言えない他の理事は、一体何を考えていたのか。
その前にこの勧告を出した「特別調査委員会」の面々にも疑問を感じた。
力士は本場所で相撲を取り、技量審査をされる事が生業であるのに、無罪の力士まで謹慎とはあまりにも無知すぎる。
そして今月3日の理事会打ち合わせで「幕内最下位から取らせればいい。」と発言。
「大関まで頑張ったんだから、協会に残してチャンスを与えるべきだ。」と主張するも、外部理事から「大関だから責任が重い。」と反論したという。
この反論も少し足りない。「横綱」は降格がないから「引退」が的確だが、「大関」は降格がある。横綱に次ぐ位置であり力士の代表でもあるのだが、降格させ立ち直らせる手もあると思う。
そして、昨日の臨時理事会では「十両最下位からでもいいから、出直させてほしい。」と訴え、退職願を提出した。
結局、琴光喜の解雇は決定し,退職願も親方に返された。ただこの退職願は、理事辞職願との情報もある。
普段から弟子の育成には熱心な親方。協会を退職という「無責任」な行動ではなく「理事辞職願」だと私は思う。
日が経つにつれ賭博の内容が明らかになり、琴光喜の解雇は「重い」処分に感じられてきていただけに、職を賭してのこの行動には「男」を感じた。
先の理事選で琴光喜が1票投じたから云々なんて、無粋なことは言いたくない。私は貴乃花を信じたい。