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本日は7月場所の13日目。横綱・白鵬は力強い左上手投げで大関・琴欧洲を下し45連勝。
昭和の大横綱・大鵬の記録に並び、連勝記録史上3位タイ。
あの世紀の大誤審から41年。白い鵬(おおとり)は、ついに大いなる鵬に並んだ。
白鵬の「鵬」の字、その元祖は言わずもがな大横綱「大鵬」。
大鵬がこの名を貰ったのが、昭和34年の十両昇進時。
師匠の二所ノ関(元大関・佐賀の花)は中国の古典を読むのが好きで、長い間温めていたしこ名だった。
この大鵬の出典は「荘子」から。荘子は中国古代の道家学派の思想の集大成。
その「荘子」の逍遥遊 の一節、
~北冥に魚あり、其の名を鯤(こん)と為す。鯤の大いなる、其の幾千里なるを知らず。化して鳥と成る。其の名を鵬と為す~
から採ったそうだ。
その大鵬の連勝が止まったのが昭和44年の3月場所2日目、対戸田戦。
戸田に押し込まれた大鵬は俵を伝いながら逃げ、叩いて右へ回った。このとき戸田の右足は蛇の目を払い、そのあと大鵬が土俵を割った。
行司は大鵬に軍配を上げたが審判より物言いがつき、結局行司差し違いで戸田の勝ちになった。
この判定に大鵬は「横綱がああいう物言いのつく相撲を取ったのが悪いのだから仕方がない」と言ったという。この話を聞いた時には、感動したものだ。
その大鵬を記録で越すと共に、横綱としての心構えも越えられるよう期待して、明日の取り組みに注目したいと思う。
写真は大鵬書の「不動心」。この心を白鵬も持てるのだろうか。