ヤスジロウのdiary ♪

未だみぬ過去を探し求めたい

前穂高岳北尾根 2022

2022-11-12 | 山登り

22・11・9 Wed 

冬山という感じでもなく、かといって雪がないわけではない今の時期の
3000m峰への山行は何かと微妙な感じがします。2003年の11月に前穂高
岳北尾根へS田君と行ったのを思いだして、今回久しぶりにアイゼントレ
を兼ねて訪れてみることにしました。
閉山を前にして閑散とした上高地(7:24)を発って徳沢(9:05)へ。

 

 

 

 

徳沢から奥又白谷へと入って松高ルンゼに沿って付いている中畠新道を辿っ
て奥又白池(13:20)へ。ここで水を2Lずつ汲むついでに休憩。

 

 

 

 

奥又白池から五六のコルを目指してトラバースしてゆきます。雪で踏み
跡が埋まりルート取りに迷いますが何とか五六のコルへと延びる尾根に
辿りつけました。標高を上げるにつれ風がだんだんと強くなってゆくな
か気力体力を絞りだしてようやく五六ノコルに辿り着きましたが、そこ
は強い風が吹きまくっているばかりでテントを張るスぺ-スも見当たら
ないただの狭い鞍部でした(15:44)。

 

 

 



一見してこのコルに風を凌げそうな幕場はないことは明らかなので、あち
こちと探し求めた末に六峰側へと上がった台地に僅かな斜面を見つけるこ
とが出来ました。雪壁を築いて強風の中でテントが飛ばされないようにロ
ープも駆使して這松や岩からテント本体に8カ所を綱で固定したところで
テントへと入りました。
これだけ風が強いと明日の北尾根はいろいろと厳しいかも思いつつ、夕食
のほうとう鍋を食べて遅めの就寝(21:30)。その後も時折凄まじい風がテ
ントを揺らす中、こうして横になって眠れることができただけでもよかっ
た、と思いながら眠りました。

 

 

22・11・10 Thu 

昨夜に比べたら強風はおさまりましたが、それでも風がテントを時折り叩き
つけてきます。本日の行動を案じながら起床して(4:30)朝食の雑炊をいた
だいて陽が昇った頃に遅めの出発(7:00)…💦

 

 

 

 

このまま強風が続くようなら撤退かな、と思いながら五峰へと登りますが
意外と強風は感じずそのまま四峰へ。ところが四峰の登りで二度もロープ
を使うルートを辿ってしまいました…、前回の僕の記憶ではそんな箇所は
なかったのに…。

 

 

 

 

三四のコル(10:40)で休憩。三峰では3Pロープを出して登りましたがルート
が今一つよくない…、二人ともそれぞれがここを登って経験しているはずなの
に迷いながら三峰の山頂へと攀じっていきました。

 

 

 

 

最初のピッチを終えて次のピッチのチムニーの右側のルンゼ状(12:23)
のところを抜けた後は階段状でそのまま三峰の山頂だな…と思っていた
けど、そんな僕の記憶とは違っていて一苦労しました…💦

 

 

 

 

なんとか三峰に立ち、つづく二峰(14:05)越しにようやく本峰を近く
に感じることができてホッとしました。

 

 

 

 

念のために二峰を懸垂で下降して、僅かに登り返して前穂高岳(14:26)に
到着…、閑な山頂です。

 

 

 

 

さて、最終バスの発車時間が17:00なのでのんびりとはしていられない状況
です。重太郎新道を慎重に下りつつも頑張って上高地へと歩いてみたけど、
最終バスどころかタクシーさえも間に合わず本日の帰宅を断念…(18:40)。
小梨平で一夜を明かし、翌朝一番のタクシーで帰宅することになりました。

昔と同様に前穂北尾根を一泊で行けるという思いは甘かったのかもしれませ
ん。当初から二泊三日の計画であれば行動時間の不足の影響も十分に吸収で
きたかなという思いはエクスキューズでしかないかもしれないし。今となっ
ては登山には日程や体力にも余裕が必要なことを今回あらためて実感した、
そんな山行になりました。