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野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

紅葉の裏磐梯を歩く②-雄国沼から猫魔ヶ岳へ

2015-10-22 20:17:11 | 登山

 翌朝は、始発のバスの時間に合わせて7時半と比較的遅めの朝食。

8時過ぎに宿を出て乗客が一人のバスに乗り十数分、

雄国沼登山入り口のバス停で降りて登り始める。

 

 目も眩むような錦秋の中、緩やかに登っていく。何とも贅沢な至福の時だ。この登山路は雄国沼探勝路と名付けられ、

雄国沼までは標高差200mあまりのハイキングコースだ。

 

 目の前に様々な色の紅葉が立ち現れ、私の身と心を染め上げていく。

 

 

 

 厳しい北国の冬が作り上げた穴の開いた老木、それでも倒れることなく生きている。

 

 標高1100mを超えた辺りから落葉した木々が目立ってきた。山道がふかふかしていてまるで絨毯の上を歩いているようだ。

 

 坂は急になだらかになり、湿った道の上に木道が敷かれている。靴音を潜ませてゆっくりと歩く。

 

 雲はどこへ行ったのか、青空が見えてきた。

 

 

 葉をすっかり落としたサワフタギの青い実や、

 

黄色い薄皮がはじけて朱色の種を出したツルウメモドキが迎えてくれる。

 

 藪の中には ヤマブドウも顔をのぞかせている。少し頂いたがはっとするぐらい酸っぱかった。

 

雄国沼の休憩舎が見えてきた。左側に見えるなだらかな頂きは雄国山(1271m)だ。

 

 この時期観光客は一人としていない

 

 万華鏡のような紅葉の色彩のトンネルを抜けた後の、このすっきりとした風景がとても心地よい

 

 微風の吹きすぎる土手に沿って歩く

 

出迎えてくれるのはいまだ色を保っていたアザミと

 

 葉は枯れても花はまだしっかりとした野菊の仲間。

 

 

 

 

 笹の葉の間から顔を見せたセンボンヤリ

 

  頭上にはナナカマドの真っ赤な実

 

 白化したヤマウルシの実があちらこちらにぶら下がっている。

 

 足元にはシラタマノキの白い実

 

沼の北の端まで来た。沼の水はここから雄子沢川となって檜原湖にそそぐ。

 

 

沼を離れ再び登りが始まる。木々はむき出しの枝を見せてすっかり冬の様相だ。

 

 

ユキザサの真紅の実が山道を飾っている

 

ツルリンドウの花がまだ咲き残っていた。

 

沼から1時間、標高200mほど登ったところで猫石が見えてきた。

 

猫石から見た雄国沼

 

 猫石から少し下って登り返したところが、化け猫伝説の言い伝えが残された猫魔ヶ岳(1403m)。

 

 北東の西吾妻山は雲にかすんでいて望めない。

 

 残念ながら東にそびえる磐梯山も頂を雲に隠したままだった。

 

 今日はこの辺で。次回は八方台から銅(あか)沼をとおって五色沼への路。


硫黄岳を登る

2015-07-27 21:45:28 | 登山

 登山口桜平に着いたのは8時半少し前。既にたくさんの車が止められていたが、どうにかこうにか狭いところに車を止められた。

天気は申し分ない。まずは沢に下りそこから登り返す。

 

 書いてある文字からすると土地の境界を示す杭のようだ。

 

 道のわきにはヤマホタルブクロ、グンナイフウロ、オトギリソウなどが目につく。

 

 

 

 これは嬉しい。久しぶりにリンネソウに出会えた。尾瀬の笠が岳以来だ。

 

 リンネソウはスエーデンの植物学者と知られるリンネにあやかった名前。スイカズラ科の常緑小低木でハイマツ林の中にみられる。別名に2対の花を下向きに着けることからメオトバナやエゾアリドオシなどがある。

 

 

 登山道のいたるところで見られたシロバナノヘビイチゴ

 

30分も歩かないうちに夏沢鉱泉に到着

 

 まだまだ林道は続く。標高は2000mを越えた。周囲にはイチヤクソウやゴゼンタチバナ、キバノコマノツメなどの高山植物が多くなってきた。

 

 

 

これはトンボソウかな

 

 さらに30分ほど歩くとオーレン小屋が見えてきた。たくさんの人が休んでいる。ここからは右に折れキャンプ場を抜けていく。だんだんと登りがきつくなってきた。一時間の登りの後、やっと森林限界を抜けて稜線にたどり着いた。一気に視界が開ける。

 

平たい岩の上にクジャクチョウがいる。これも高山でしか会えない蝶だ。

 

風雪に耐え貫録を感じさせるヨツバシオガマ

 

 可愛らしいコバノコゴメグサ

 

 前方に八ヶ岳の主峰、赤岳や横岳が望める。

 

 3時間足らずで頂上。

 

遠くには南アルプスの峰々

 

ふもとの諏訪市街や諏訪湖まで見える。

 

 

 ロープが張られたその下には硫黄岳の爆裂火口が覗ける。

 

それをぐるりを回る遊歩道がある。花を開くことのないチシマギキョウが小岩にへばりついている。

 

 

コケモモ

 

 切り立った火口の反対側までやってきた。

 

 この辺まで来て、やっとお目当ての高山植物の女王コマクサに出会えた。

 

 

 

 これはイワツメクサ

 

岩の上でさえずっているのはイワヒバリ。結構近くまで寄ってきてくれる愛嬌ものだ。

 

 この後は夏沢峠まで下り、まだ時間と体力があったので根石岳に登ってから下山した。

  久しぶりの登山らしい登山を味わえた。この辺で。