野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

町田ぼたん園

2018-04-24 06:42:59 | 植物園

 見ごろを迎えた町田ぼたん園を訪ねてきた。薬師池公園の駐車場に

車を止めたのが9時過ぎ、そこから10分ほど坂道を登った所がぼたん園。

今年のポスターはここに。

 

 入園料は大人500円。今年の有料開園期間は4月14日から5月8日まで。

 

 今年の春の進みはとても早いのでゴールデンウィークまでは持たないかもしれない。

広場には鯉のぼりが吊るされていた。

 

  この施設の正式名は町田薬師池公園 四季彩の杜 ぼたん園。でも長いので

通称は町田ぼたん園。町田市営の施設らしく詳細はここに。

 

 私はぼたんについて詳しくはないので、ざっと名前を紹介して行こう。

間違いがあるかもしれないがご容赦を。

 黄冠(おうかん)

 

 大藤錦(おおふじにしき)

 

 島根長寿楽(しまねちょうじゅらく)

 

牡丹の異名には石鹸の会社名ともなっている花王(かおう)がある。また花期から

二十日草とも。富貴草は福福しい美しさからだろうか。深見草という名もある。

 

 大正の誇り

 

 長楽(おさらく)

 

 中国原産の牡丹。平安時代にはすでに日本でも観賞用として栽培されていたという。

そして江戸時代には300種を超えるほどの品種が数えられたという。

 吉野川

 

 皇嘉門(こうかもん)

 

 

 藻壁門(そうへきもん)

 

 祭花笠

 

  とても難しい漢字の鳳輦(ほうれん)。輦とは天皇の乗る御輿の名らしい。

 

 紀子の舞

 

 色合いの不思議なバンケット。このほかにも洋名のつけられた品種がたくさんあった。

 

 御所桜

 

 花だけでは牡丹と芍薬は私には区別できない。そういう人は多いようで品種名を

記した札にもちゃんと牡丹、芍薬と添えてあった。

 

 これは芍薬のサンクタスという品種

 

 同じく芍薬のセレブリティ

 ちなみに芍薬は花王に対して「花の宰相」と呼ばれるらしい。

 

 裏に小高い丘があって、自然が少し残された林となっている。

むせ返るほどのぼたんの色と香りに飽和した頭を冷やすにはもってこいの場所だ。

 林床に咲いていた清楚なキンランが美しかった。

 

 退園の際、見るとツツジにトンボがしがみついていた。もう春ではなく初夏なのか…。

 

 この辺で。

 


新緑の浅間嶺を歩く

2018-04-22 08:14:55 | ハイキング

 払沢の滝入口駐車場に車を止め、近くのバス停からバスに乗った。

降りたバス停は人里とかいてへんぼりと読む。4月中旬になったばかりの

この時季、薄紅枝垂れ桜が見事だった。

 

 小さなの中を縫うようにして急坂を登っていく。途中たくさんのスミレたちが

出迎えてくれた。

一番多いのはタチツボスミレ

 

 葉の細長いのが特徴のナガバノスミレサイシン

 

 白色系のマルバスミレ

 

 ヒナスミレはスミレのプリンセスのようでとてもかわいらしいスミレだ。

 

 一番早く咲くアオイスミレも僅かながら見られた

 

 このとりわけピンク色の濃いスミレはアケボノスミレだ

 花が咲いてる時期でも葉が完全には開かないのが特徴。

 

 一時間もかからず尾根道にたどり着いた。見晴らしの良い尾根道を

30分歩いて浅間嶺山頂麓の休憩所に着く。

 

  休憩所付近に咲いていたエイザンスミレ。ここのスミレは何ともきれいな美人顔をしていた。

 

 もう一つこの付近で出会ったのがこのスミレ。とても距が長いので

アカネスミレのようだが……自信はない。

 

 一息入れてから頂上へ。下向きに咲くカジイチゴにミヤマセセリが

アクロバットのように必死に取りついている。

 

 地面近くには大きな花弁のクサイチゴ

 

 蕾が殆どだったが、この付近でもやっとチゴユリが咲き出したようだ。

 

 浅間嶺のピーク、標高は890m。

 

 向かいに見えるのは御前山、右のピークは大岳山だろうか

 

 なだらかな尾根道にはたくさんの花々が見られる。

道沿いの日当たりのよい処にはフデリンドウ。

 

 ヒトリシズカ、アズマイチゲ、ヨゴレネコノメと次々と顔を見せてくれる。

 

 

 

 北向きの傾斜地にはカタクリの群生地があったが、

残念ながら花は落ち既に実をつけていた。

 

 緩やかに下り始める。薄暗い林床にはエンレイソウが咲いている

 

 ヤマエンゴサクとミヤマキケマン

 

 

 

 ヤマルリソウにも出会えた

 

 薄暗い針葉樹の森を抜け、見晴らしの良い場所に出た。

ここに立つ峠の茶屋は今回も閉店中、何回か来たが空いているところを見たことはない。

 

 ここからは幅の広い林道に出た。左右の山裾には新緑が輝いている。

 

 

 夏を思わせる日差しの強さだが、微かに甘い香りを含んだ風が

吹きすぎていて火照りを覚ましてくれる。心地良い。

 あぁ できれば時間を止めてこのひと時をしばらく味わっていたい。

 

 頭上にはツクバネウツギの花が咲いていた。

 

 甲州古道の一部となっているこの道には野仏も多い。

 

 時坂峠を過ぎると浅間林道をくねくねと下っていく。標高は300m位、

まだ桜が見ごろだった。

 

 ゆっくり歩いて4時間、思いもかけないほどたくさんの花たちに出会えた。

行きかうハイカーも少なく静かな歩きを楽しむことが出来たのが嬉しい。

 久しぶりの良い山行だった。  この辺で。

 

 

 

 


春の妖精ーギフチョウ

2018-04-18 05:59:04 | ハイキング

 梅で始まった春も、小下沢のハナネコノメ、城山のカタクリ、ソメイヨシノ、更には

野川の枝垂れ桜、奥多摩の一角に咲くイワウチワ、奥武蔵のアカヤシオ、そして

高尾山のタカオスミレとどんどんとステージが進んできた。

関東でもわずかに残されたギフチョウを訪ねたら、私的には今年の春の仕上げとなる

 

 

 この日は風もなく、晴れあがった絶好のギフチョウ日和の日。さっそく東京近郊の

里山の雰囲気の残る場所までやってきた。

 ヒトリシズカが咲いている

 

 

 シュンランはやや終わり頃か

 

 ヤブレガサも見られる

 

 菫も数種咲いている。

 

 これはキランソウ

 

 木の花も少しずつ咲きだしていた。ウグイスカグラ

 

ミツバツツジ

 

 ヤマツツジ

 

 山に分け入ってすぐに、むき出しになった木の根に止まっているギフチョウを見つけた

 

 

 ギフチョウの雌雄判別は私にとっては難しい。♂は毛深いとか、翅の先が

とがっているとかいうのだが、どうも見分けがつかない。

 

 今年は春の進みが早いようで、4月上旬にしてはたくさんのギフチョウが飛び交っていた。

 

 ほんとは飛んでいる写真や吸蜜している写真、交尾している写真などが

撮りたかったのだが……

 

  この日はそんな幸運にはめぐり合うことが出来なかったが、

 まぁ出会えたそれだけでもましというものだ

 

  数分飛び続け、縄張り争いを繰り広げ、疲れると枯葉の上で一休み

 

 

  今年も元気に飛んでいる姿を見られたら、もう何も言うことがない。

 

  短いがこの辺で。

 

 

 


昭和記念公園ーチューリップ畑

2018-04-14 07:08:43 | 散歩

 NHKにスマホ向けのラジオアプリ「らじる☆らじる」があるのを知っているだろうか。

私は早く目が覚めてしまったときには、よく午前4時台の放送「明日へのことば」を

聞いていたのだが、普段は5時過ぎに起きるので聞き逃しが多かった。

 最近、このアプリの中に「聴き逃し」なるものを発見した。どうやら番組によっては

大体一週間ほど前まで遡って聴けるようなので早速ためしに聴いてみた。

4月11日分の放送は民俗研究者の前田速夫氏による「新しき村”、百年の歳月が

投げかけるもの」というもので、何度か埼玉の「新しき村」を訪ねたことがある私には

大変興味深かった。大正時代に武者小路実篤が中心となって創られた「新しき村」も

今年で100年目、現在は高齢化した9名の村内会員によってやっと維持されているとのこと。

 興味のある方は村の公式HPがこちらにある。

 

 さて、休日ともあって大変な人で賑わう昭和記念公園に出かけてきた。尚ここの駐車料金は

840円もするので、私はいつも西立川にある500円の所を利用している。

 今回はキャプションなしで原色の乱舞を見て頂こう。

 

 

 

 

 

 

 それにしてもまだ開園30分ほどしかたってないのにもう大変な人ごみだ。

 

 姿勢を低くして花を取ろうとカメラを構えたら、ちょうど向こう側にもカメラマンが……

 

 もう何年か来ているのだが、今年はチューリップの混植が珍しかった。

 

 

 

 

 居たのは30分ほどだが、原色でヒートアップした網膜の火照りを冷ますため、この後はこもれびの丘、

日本庭園と見て歩くのが何時もの慣例となっている。

 

 帰り際みんなの広場の菜の花畑。残念ながら今年は桜とは時期が合わなかったようだ。

 


タカオスミレに会いたくて裏高尾へ

2018-04-11 17:10:58 | 散歩

 

 午後時間が空いたので、わずか2週間前に訪ねた裏高尾に出かけて来た。

目的はタカオスミレを拝むことだ。 

 タカオスミレというのは、葉の表面が焦げ茶色から黒紫色になるスミレ。

高尾山で採集されたので高尾菫と命名された。

 

 花そのものはヒカゲスミレとよく似ている。というより花だけで区別することは

私には全くできない。

 

場所にもよるがソメイヨシノの散ってしまった頃に咲き始める

 

 葉はヒカゲスミレより少し細長いようだが、混合型もあるので見分けは難しい

 

 今年は春の進みが早いので、間に合うかと心配したが何とか出会うことが出来た。

 

 タチツボスミレと一緒に

 

 ほかのスミレたちも咲いていてこの辺りはずいぶんと賑やかだった。

 葉が細かく分かれるエイザンスミレ

 

 この時期一番目立つのが何と言ってもタチツボスミレだ

 

 

 花色が白く、葉が丸みを帯びているマルバスミレ

 

 細長い葉っぱのスミレは殆どがナガバノスミレサイシン

 

 

 あまり野では見ることが出来ないトウゴクサバノオも咲いていた。

 

 山地の比較的湿ったところに生育する多年草。分布は宮城県以西、四国、九州だが、

関東地方に多い。

 

 サバノオは鯖の尾で果実の形をたとえたもの

 

 

 ミヤカタバミも咲いていた。この辺で咲くのはカントウミヤマカタバミらしい。

 

名にミヤマ(深山)がつくので、深山に咲く花だが、意外と低山でも見かけることが出来る。

 

 針葉樹林帯の林床で多く見られ、北半球に広く分布する。

 

 

 よく似ている花にミヤマカタバミ、コミヤカタバミもあるが、見分けは難しい。

私も自信は全くないので、間違えているかもしれない。ああそんなことを書いたら

なんかコヤマカタバミのようにも見えてきた……。

 

 至る所で群生していたニリンソウ

 

 花弁は五弁が普通だが、6~8弁まである。以前日光の霧降高原を歩いていたときに

緑色の花弁のニリンソウに出会ったことがあったが、それ以来探してはいるのだがお目にかかれていない。

 

 車を止めてから30分ぐらいの散策で思ったよりたくさんの花に出会えた。

高尾山周辺はハイカーが多いので嫌なのだが、花の多さに負けてついつい出かけてしまう。

 

 今日はこの辺で。