春の桜で有名な多摩森林科学園を、年末の休園(12月26日から1月15日までと非常に長い)
の迫った12月下旬に訪ねた。入園料は300円と安い。
入り口を入ったすぐに森の科学館がある。
木造の立派な建物で、ここで旬の情報を手に入れることができる。
すぐ近くにはモクゲンジの大木があってたくさんの実を付けていた。
こちらはメタセコイアの大木、紅葉の終わり、少しの風にも静かに落葉していた。
沢に架かった倒木は園内の動物の通り道になっている。入園者のいなくなった夜にはタヌキやイノシシ、キツネなどが通っているのだろうか。
森の管理室
以前は冬に訪ねることはなかったのだが、ここ数年ミヤマホオジロがやってくるということで
むしろ人の少ない冬に来ることが続いている。
今日も数人のカメラマンが集まっている。どうやらこの日やっとミヤマホオジロが姿を見せたらしい。
私が駆けつけた時はどうもお披露目の最後だったようで、遠くから数カット撮れただけ。いずれもやぶの中の真ん中付近にいるのだが……。
わかるだろうか。
次が♂
もう少しいい条件で出合いたかったが、この日は一時間ほど粘ったがこれでおしまい。
あきらめて付近を散策することにした。コアジサイの黄葉がきれいだ。
ムラサキシキブの実
センボンヤリの綿毛
実はミヤマホオジロ以外にももう一つ目的があった。それがキジョランに産み付けられたアサギマダラの
幼虫の観察。
木に巻き付いているのはキジョランの青々とした大きな葉。奥多摩の低山では普通によく見られる。
虫食いのある葉を丁寧に裏返していたら何とか幼虫に出会えた。
もう少しだけアップで。どちらが頭か尻尾かわからないのは、天敵を惑わすためらしい。
幼虫は一齢から五齢まで脱皮を繰り返して成長し、立春頃には蛹になるそうです。
そのころにはまた観察に来ることにしよう。詳しくはここで
秋日にきらめくススキがきれいだ。
園内を歩いてもこの時期花を見る楽しみはないが、実を見ることはできる。
冬にみられる実には赤いものが多いのはどういうわけかだろう。
フユイチゴ
ヤブコウジ(十両)
サネカズラ
頭上高くにぶら下がっているのは色褪せてはいるがイイギリの実
周りは赤いが実は濃い紫色のクサギの実
そのほかではナンテンやマンリョウなどの赤い実もたくさん見られた。
冬桜も幾種類か咲いていた。これは不断桜だったか、四季桜だったか……。
園内にはたくさんの案内板がある。そのうちの一つがムササビスポット。樹洞や食痕などが紹介されている。
日当たりのよい崖で見かけた枯れたリンドウの花
遠目ではネコヤナギの花と勘違いした イセリアカイガラムシの卵のう。
終わりはまだ残されていた楓の紅葉。中央の白い幹はモミジバフウの大木。
10時入園して3時間、静かな時間を味わえた。
この辺で。