野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

裏磐梯の紅葉を歩く① ー曾原湖周辺

2015-10-21 14:00:53 | 旅行

 二泊三日の予定で裏磐梯を訪ねてきた。新宿)から猪苗代まではJR高速バス、

これが往復7000円と安い。高速代だけでも片道7000円弱かかることを考えると破格の値段だ。

ただ、そこから先のバス代が高い。30分ぐらいしか乗らないのに800円もかかってしまう。

まあそれも地域振興へのささやかな寄与と考えると納得はできる。

 

 10時10分新宿新南口発→猪苗代駅14時24分到着、15時路線バスに乗り換えて

裏磐梯曾原(そはら)湖前には15時40分頃に着いた。

バスを降りるとそこにはもう紅葉たけなわの世界が広がっている。

 

落ちかかる陽を浴びて世界が輝き始める。僅か一時間ほどではあるが、

大自然の織り成すショーの始まりだ。

 

湖畔のオヤマリンドウ

 

 一つ残された橙色のコマユミの実が儚げだ。

 

 林の中のツタウルシはすでに盛りを過ぎたようだ。

 

鏡面のように静まり返った水面。

 

 

 

やがて秋の陽は紅葉した山の斜面に、もう一段茜の色を重ねていく

 

 重ねられた色は炎色反応を起こしたように煌めき、錦の色を放つ。

 

 時は止まったままだ。

 

そうとは知れないほどの微かな風が水面を揺らし、漣を立て緩やかに時の歯車を回す。

 

 

水面には山並みの紅葉が、本物と紛うほど精細に映し込まれている。

 

 

 見入っていると二つの像の硲に 異世界への扉が開かれていく。

 

 

燃え盛る紅葉に気を取られ、水面に浮かぶ水鳥には気が付かなかった。

 

番の白鳥は今年渡ってきたものなのだろうか

 

 

 

 

 

 

 小一時間は過ぎただろうか。寒さを覚え始めた時、雲間から一瞬秋陽が顔をのぞかせた。

 

 

輝きはほんの束の間、やがて少しずつ光と色とそして熱を失っていく

 

そして闇の中にゆっくりと溶けていく。

まだ明るさを残した空に磐梯山が浮かび上る。

 

冷たい風に肩をすぼませながら人気のない道を宿まで戻った。

 この日は宿で宇宙の起源と終焉についての本を読んで寝た。


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