BORN To RUN
~LIVE To RIDE RIDE To LIVE~ バイクの整備・ツーリングのお話です。
 



 アプリオは外装、サス、キャブのリフレッシュ、社外CDI装着、フロントディスク化、吸気系チューンとすごい勢いで原付2種化が進んでいます。
 大型バイクでこんなことしても制限速度の問題があり、(原付ではもっとあるゾ!(爆)こんなことは思いつきもしませんが・・・
 吸気系が決まって、次は駆動系のチューンです。
 目指すところは時速70Km位でしょうか?

 駆動系は、変速比を部品交換等で行う訳ですが、エンジン出力が変わらない以上、変速比を上げ過ぎると加速しなくなり、低くしすぎると出だしだけで速度の伸びの無いバイクになります。
 変速機付き自転車と同じです。
 いきなり高いギアだと、競輪の選手みたいに、鋭い加速が出来ず、
 低いギアだけだと、無茶苦茶漕いでもジョギング程度で

 これからの作業は初めてで未知の領域です。

 スクーターは無段階変速で、ベルトを介して接続されたエンジン側プーリーの回転をリアタイヤ側クラッチに接続し、クラッチがリアタイヤハウジングに接触した状態でトラクションが掛かり駆動する仕組みです。
 低速では、エンジン側プーリーが広がってベルトが深く掛かり、高速になるに連れプーリー内のウェイトローラーという6個の重りが、遠心力で外周に移動し、プーリーを押し狭められて浅く掛かることによって変速比を高くなる仕組みです。(簡単に表現しましたが判りにくいですね。)

 クラッチ側は、プーリーと逆で、低速では、センタースプリングの力でベルトを浅く掛け、変速比が低く、高速になるに連れ、プーリー側が浅く掛かったことにより、テンションが係り、逆に深く掛かざる得なくなり、結果、変速比が高くなります。

 まあ、一度ばらせば「なるほど~良くできているな~と思う」代物です。

 ぐだぐだ説明しましたプーリー、クラッチ、ベルトは上のクランクケースと一体となって入っています。

 実際の作業は、車体からエアークリーナーボックスを脱着し、
 11本のボルト(長さが異なるので注意)を外してご開帳~です。

 作業に慣れていない場合等は、上の様にネジを並べて長さを確認しておくと良いでしょう。(真ん中のネジが写真に写っていません。実際には11本です。)

 スクーターの駆動、変速を行っているプーリー側(左)クラッチ側(右)

 まずは、プーリー側から外すこととしますが、
 渦巻状のフィンが付いた「ドライブフェイス」の供回りを規制するために、本来はプーリーフォルダーを使用するところですが、手元にあったベルトクランプで代用してみました。
 結論からいうと、ケプラー的なベルトがスリップしてダメでした。
 しかし、間にスリップを抑制するゴムをかませればOKぽいと思います。

 作業を急ぐために、

 えい!っとインパクトを使用
 一発で外せました。
 セットするときは、トルク管理を正確にする必要から、ベルトクランプを改良してトルクレンチで締めたいものです。

 初めてプーリーなるものを触るので、構造を記憶するためにセットされていた状態で並べて写真で記録しました。

 ベルトには車種コード(3KJ = ジョグ)の印刷と、セット向きの矢印が印刷されていました。

 デイトナのハイスピードプーリーセットアップする前に並べて比較しました。
 ランププレートと称するパーツですが、左がデイトナ製で右が純正です。
 色以外にも形状が違います。
 記憶ですが、右の方が傾斜が緩かったような・・・ 中心の穴を中心とした平面部分の面積を比較していただくと判りますが。。。
 まあ、参考までに

 円周の大きさは同じでした。(これも多分・・)

 高さは、デイトナの方が高かったと思います。

 (データ)
 H20.5.17
 ランププレートの刻印 「DAYTONA」 「7」
 スライドピース POSH社 黒 新品に交換

 デイトナ社の方がウェイトローラーの移動する箇所の傾斜が緩く長いというようなことで・・・

 一方、プーリーは・・・

 左が純正、右がデイトナ社のハイスピードプーリーです。
 左の純正の黒い円周は、ベルト上端がそこまでしか上がらす、変速比をもう少し高く出来た可能性を示しています。
 例えば、もう少しベルトが長かったら、もっと上まで掛かり変速比も上がり、最高速が上がったかもしれません。

 横から見てみると、
 純正はプーリーフェイスが凹み、デイトナは盛り上がっているような印象を受けます。
 ウェイトローラーとベルトとクラッチが同じ場合、このプーリー形状の違いが及ぼす効果は、ベルトが上がりやすいのが純正、上がりにくいのがデイトナ??

 だとしたら、低い変速比でまずは加速を稼ぎ、その勢いで高速へと繋ぐ?
 のか?

 布団の中や、通勤電車の中での妄想ねたが増えました。(爆)

 外周の「つば」が純正は厚く、デイトナは薄いのも判ります。
 重量は、慣性に影響します。
 純正は、質量が大きく、慣性が高い => ピックアップが低いが、速度を維持しやすい。
 デイトナはピックアップは高いが、ちょっとした坂道等での速度が落ちやすい。

 とか・・・



 (データ)
 H20.5.18
 プーリー刻印 「DAYTONA」「MINI」「16515A」

 一応、質量を測ってみました。
 いい加減な秤ですが、やっぱり上のデイトナが軽かった です。



 ウェイトローラー(WR)は、プーリー内部を遠心力で移動することにより狭める作用をします。
 WRの質量が遠心力を決定します。
 WRの形状は、直径15mmでどれも同じですが、材質や中心の穴の大きさでいろいろな質量のものが社外パーツで販売されています。
 重いほど、エンジンパワーを喰いますが、最終変速比は上がりやすく、軽いほどエンジン回転が高い状態でも変速比が低い状態です。

 社外チャンバー等高回転型セットアップの場合には、軽いWRを使用して鋭い加速を狙い、純正あるいは、社外スポーツマフラー程度の場合には、中速も使えるので、WRを重くして、息の長い加速を狙います。(扱いやすい特性)

 能書きが長くなりましたが・・・
 良くわからないので、そうゆう場合はミックスで(爆)
 デフォルトの6個のWRの内、片ベリの少ないものを3つ、社外の6個のWRの内、片ベリの少ないものを3つ選んでセットし、気に入らなければ、それぞれ6つとも同じもので揃えて、質量を増やすか減らすか方向性を出し、新品のWRでセット完了!という算段です。(精密な秤が無性に欲しい~(馬鹿!))

 と 質量の異なるWRの円心へのブレを最小限減らすために交互にセットして試すこととします。

(追記)
H20.3.17 WR確定 4.5g × 6 デイトナ社

 セット後、ちゃんとベルトが最外周まで掛かるかを確認するために、油性マジックで線を書いてみました。

 ベルトが掛からなければ、マジックが残り、掛かれば消えることで、ベルトが移動した範囲を確認します。

 次は後方のクラッチ交換作業です。

 

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コメント
 
 
 
奥が深い世界 (夢を忘れたオッサン)
2009-12-16 19:34:09
以前、かなりの頻度でクランクケースを開け駆動系をいじっていた頃を思い出し、懐かしく拝見させていただきました。
駆動系、いじりだすとキリがないですよね…。プーリーの角度やウェイトローラーの重量配分・強化ベルト…
加速重視仕様のため、デイトナの強化ベルトをしょっちゅう粉々にしてましたね。
まさに青春の1ページでした。今ではエンジンとは無縁の世界にいますが、近いうち大型二輪を取りに行きたいな~
正直、またバイクで遊びたいです。
 
 
 
Re:奥が深い世界 (風民(管理人))
2009-12-17 22:32:03
夢を忘れたオッサン さん
 ご覧いただきありがとうございます。
 スクーターの無段変速は本当に奥が深いです。
 ギア(スプロケット)みたいに、頭で理解することが難しい世界です。

 アプリオでハマった反動で、フリーウェイでは1年経ちましたが変速は1度も触っていません。(笑)
 何故アプリオでここまで熱中することができたのか今となっては不思議でもあります。

 バイクは楽しいですよ~
 是非免許を取得され楽しまれることを願っています。
 これからもよろしくお願いします。

 では!

 
 
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