ロイター板の日記 -CCV-

若人のみんな、俺を踏み台にしろ。
3流私大文系卒、40歳過ぎ商社勤務の窓際営業マンの雑記。

「バッタを倒しにアフリカへ」 前野ウルド浩太郎 著

2020年05月31日 | 読書

最近の世界的な問題にもなっているサバクトビバッタによる蝗害のニュースを調べいたところ、

日本にサバクトビバッタの専門の研究者がいるということで興味を持ち本を買ってみました。

 

感想は、すごくおもしろかったです。

昔のテキストサイトの日記よろしく、子気味の良い読みやすい文章と、自虐ネタで大いに笑わせてくれる。

 

内容は、先が見えないポスドク(≒高学歴ワーキングプア)の著者が、

愛するバッタの研究を続けるため、論文を書き業績を上げて、研究者としての正式雇用を得ようと向かったのが、”モーリタニア”。

未知なる異国でフィールードワークでサバクトビバッタの研究に奮闘する一青年のアフリカ滞在記(日記?)である。

 

もちろんサバクトビバッタを研究することは、蝗害という人類の脅威に対して予防的手段の発見に繋がる重要なもので、著者の志は高いものだ。

が、ところどころで溢れ出るバッタへの異常なまでの愛とあこがれは、ちょっと常人には受け入れがたい(笑)

でもでも、読んでいるこちらはには、行動力先行で七転八倒しながら夢を追う著者の姿は応援せずにはいられなくなる。

はるかなるモーリタニアで言葉も満足に通じず、異文化とのギャップに打ちひしがれながら、自虐とユーモアを交えつつ受け入れている。

どんな状況でも常にユーモア忘れないところが魅力的です。

 

一方で、時折みせる研究者としてのアプローチにも非常に興味深い面も多かった。

デスクワーク中心の研究では掴めない、自然に身を置くことで自然界ならではの”生”の昆虫の生態観察を行う優位性であったり、

ほかの研究者がやらない長期のフィールドワークを行うことでほかの研究者とは一線を画す研究を行うことを意図している。

どんな仕事にも通ずる、現場をを知ることの重要性だったり、他社との差別化を図り独自のブランド力を磨くことにも繋がるだろう。

(事実、著者の前野博士はビジネス情報誌「プレジデント」で連載を持ったそうだ)

また、フィールドワークならではの逆算的に論文テーマを決めていく研究の仕方や、研究テーマからどのような実施実験を行うかなど

自分なりのアイデアを加えて独自の研究ステップをされている。

こういうところ行動力だけでない、彼の研究者としてのストロングポイントだろう。

 

本書で本当におもしろいのは実験中におこるさまざまなトラブルで思うように研究が進まないところなのであるが。。。

このあたりはぜひ読んでいただきたい。

 

個人的には途中に研究テーマにしたゴミダマ(虫)の実験と、いつも一緒に行動を共にするドライバーのティジャニさんとのやりとりは微笑ましく読み返したくなる。

 

人にお勧めしたい本であった。

何より前野博士がこの研究に情熱を傾けているということが、彼自身を何より魅力にしているのかなと。

 

少し脱線するが、

この本の前に読んだ「熔ける」の大王製紙井川元社長の文章からは仕事に対しての情熱を感じることはできなかったし、井川氏を魅力的な人とは思えなかった。

仕事に対する責任感と、情熱というのは別物なのだろう。

情熱をもって何かに取り組むというのは、周りの人が応援したくなるような影響を与えるのだろう。

情熱って大事。

 

と、感想は以上です。

別記事にして、もう少しサバクトビバッタと前野先生の言葉を書こうと思います。

 

さて、ポスドクの社会問題について、少し古いがわかりやすい解説動画があったのでこちらを添えて今日の更新を終わりにします。

博士号を取るってお金かかると思うんです。せっかく育てた人材が生かされない国にしてはいかんよね。

 


ギャンブル依存症の心理

2020年05月11日 | 生活

どうも。

最近のコロナにおけるパチンコ屋の問題について、パチンコ屋の並んでしまう人たちについての方に興味がでてしまいまして。

このコロナご時世、パチンコ屋に向かってしまう人々は軽度、重度はあれど少なからずギャンブル依存症でないのかなと。

で、ギャンブル依存症の人の本も読みましたが、わからなかったので他にも調べてみました。
以外にも簡単になってしまえるものですね。
詳しいことはWikipediaのギャンブル依存症の項目で確認できます。


ちょっと難しいですが。とりあえず下記の記述が日本の闇ですね。

一方、国会等で議論されている自民、公明両党提出の「ギャンブル等依存症対策基本法案」では「ギャンブル等依存症」という用語が用いられており、

「ギャンブル等にのめり込むことにより日常生活又は社会生活に支障が生じている状態」と定義されている[18]。

なお、ギャンブルの後に「等」がついているのは本邦最大のギャンブルであるパチンコ・パチスロが法的には賭博ではなく遊技と位置付けられている事情による。


あと、わかりやすく解説されているのが、依存症対策全国センターの
ギャンブル依存症ってどんな病気?です。

ギャンブル依存症の症状は、
・ギャンブルにのめり込む
・興奮を求めて掛金が増えていく
・ギャンブルを減らそう、やめようとしてもうまくいかない
・ギャンブルをしないと落ち着かない
・負けたお金をギャンブルで取り返そうとする
・ギャンブルのことで嘘をついたり借金したりする
といった症状が特徴的です。


ギャンブルをする人は誰でもギャンブル依存症になりえます。リスク因子としては、若い人、男性、ストレスへの対処がうまくない人、ギャンブルが身近にあるなどの環境要因などが指摘されています。


「負けたお金をギャンブルで取り返そうとする」、ってパチンコやる人はほぼ該当しそうですが。。。

ちなみにギャンブラーの心理については、AbemaTVのしくじり先生で芸人のスパローズ大和(先生)がギャンブル依存症の行動・心理を洗いざらい話してます。
パチンコにはまる人はこんな感じかと。ものすごくわかりやすい。





現在は自身で更生されたようで。何よりです。
番組もおもしろかった。

もう少し、高尚なこと書けるかなと思ったが、ギャンブル依存症の心理が理解できたこと終わってしまった。
自分はパチンコはもちろんほとんどギャンブルしないので、いろいろためになりました。

 

あ、競艇はギャンブルではないと思います。
ロマンです(言い聞かせ)


JINSブルーライトカット

2020年05月09日 | 生活


どうも。

仕事でメールをしているが、どうも定型的になっているようで、
今回久しぶりに本のレビュー書いてみたが、全然思うように筆が進まず、
自分の文章力が相当衰えていることがよくわかった。

日頃から文章を書く癖をつけなければと、つくづく感じた。
一方で本を読もうにも集中力が続かず、こちらも自分の老いに気づかされる。
コロナでゴールデンウィークの旅行の予定がすべて潰れ、なぜか暇になった時間で上記のような悲しい発見をしてしまった。。。

そういえば、正月に帰省して実家でテレビを箱根駅伝を見ていたときのこと。
去年まで見えていたはずのテレビの下に出る選手の母校名が全然読めず、視力の衰えを痛感し、正月からだいぶへこんだ。


で、早々にJINSのブルーライトカット眼鏡を購入し、少しでもと抵抗をしている。
着け心地もよく、慣れてしまえば気にならないので割と続いているが、
さて、これ、どこまで効果があるのか…。


まぁ寝る前までスマホやPCをいじっていることも多く、ブルーライトの影響は睡眠導入の妨げにもなっているとのこと。
プラシーボ効果であれ、効果があれば御の字である。

念のため、ブルーライトカット眼鏡の効果などYoutubeで世の人が検証していないか探してみました。


ブルーライト検索結果

 

えーと、

若かりし、いしだあゆみ様、とてもお美しいですね。
御歳を召されてもお美しい方ですが。。。


「熔ける」井川 意高 著

2020年05月05日 | 読書

「熔ける」 井川意高 読了

2011年大王製紙の創業家3代目の社長がカジノ使用目的で子会社から106億円もの不正借り入れを行て逮捕されたいわゆる「大王製紙事件」、
その本人による自伝的な著書。

近々のコロナ騒ぎの中でパチンコ屋に並ぶ人々を見て、なぜそこまでギャンブルしたくなるのかを知りたくギャンブルで身を崩した人の本を読んでみようと考えたことからこの本を手に取った。
結果として、この本を通じて自分が思うような一般的なギャンブル依存症の思考回路を理解することはできなかったが、
この本を読み、逆にこんな人でもギャンブルにハマるとブレーキが効かなくなるものかと驚かされた。

以下が、簡単な内容と感想です。

●本書の良い点
文章は簡潔にそれでいて克明に書かれており、内容も文章も非常に読みやすく、特に時期や金額など、すごくきちんとまとめれられている。

●本書の微妙な点
副題を「懺悔録」としているわりに、人物評価にかかわる箇所には”ふくみ”のある記載が多く、また週刊誌などへの反論も目立つのでどうにも中途半端な印象を受けた。
構成上仕方ないが、章ごとでビジネス書、暴露本、海外カジノの解説、犯罪者の手記といったように内容がコロコロ変わるため、自分のように特定の目的をもって読んだ人間からすると、どのジャンルのボリュームとしても中途半端かと思った。
自分な不利な点も書かれていないので、事実ではあるが偏っていると思われる。

●内容
前半は著者の王子製紙創業家に生まれ大王製紙社長に至るまでの回想的な内容と、大王製紙の経営者としての実績がまとめられている。
読むまで知らなかったのだが、著者自身がただの創業家3代目の放蕩息子ではなく、東大法学部にストレート合格した頭脳を持ち、経営者としてきちんと仕事をされていた(本書にある限り)ということが良くわかった。

そして、一方で経営者でありながらもギャンブルにハマっていく様子が克明に語られており、なぜ海外のカジノにはまったか。
ジャンケットと呼ばれる仲介業者の存在と、その解説や、また種銭がショートした際に、ジャンケットと海外でどう資金を手配したかなどかなり具体的に語られている。

種銭作りのため、質屋で元金の3000万円に対して半分以上の手数料を取られても「最終的に取り返せばいいのだ」と自分に言い聞かせる情熱的で破滅的なギャンブラーの姿は、前半に書かれた理知的で厳しい経営者からはとても想像できない豹変っぷりであり、その対比が非常に興味深い。
この点が大なり小なりギャンブル依存症の考え方なのだろう。

後半は、子会社からのの資金借り入れの細かな内容から、特別背任で地震が逮捕され、取り調べを受けられたことが細かく書かれている。
後半部も当時の時代背景などの解説も含めてわかりやすい手記となっている。
ギャンブル依存症であるほかに、アルコール中毒であったことの指摘を受けられたことをさらりと述べられており、ご自身の生活にもだいぶ問題があったのではないかと思われる。

●印象に残ったエピソード
大正製薬と永谷園の社長と結婚式のテーブルでいっしょになり、多業種におけるテレビCMの話からヒント得て、広告宣伝の費用対効果に気づき広告宣伝の戦略を徹底的に考え直した、というところは個人的に勉強にった。

●読み終えて
前半の経営者としての章では仕事への情熱を感じなかったのは書き方に拠るところだけだろうか。
ほかの役員や、ブレーンと呼べるような人との仕事の取り組みの描写も無かったし、孤独だったんじゃないかと勘ぐってしまう。
やはりギャンブルが仕事のストレスの捌け口になっていたことだろう。

なお、この事件による創業家と、大王製紙の経営陣の対立は未だにクリアになっていないようで、色々尾を引いている。
今後もウォッチしていきたい。