診察室で血圧を測ると20~30mmHgほど毎回高くなる患者さんがいる。知らず知らずに診察室の雰囲気に緊張してしまうようで、『白衣高血圧』という。しかし、診察室で使用する水銀計と違って、自宅では上腕で測定するタイプや手首で測定するタイプなどがあり、果たしてこれが正しいのかと疑問をもつ患者さんは少ない。診察室で測定する方が低くなるという『白衣高血圧』とは逆のパターンがある。『仮面高血圧』という表現もあるが、大抵は手首の血圧計を使用されている場合が多い。診察室に持参して頂き、3回ずつ測定をして比較すると、手首の血圧計は10~20mmHgほど水銀計より高い値が出る事実に遭遇する。実際、自分で家電に出向いて数種類の電動血圧計で試してみるとやはり手首の血圧計は20mmHgほど高い値がでる。新たに購入する場合は、上腕タイプを勧めるが、既に手首の血圧計を購入した患者さんは診察室で比較してもらい、補正した値で血圧を記録するのが良いと思われる。ただし、中には殆ど差の無い場合もある。