診察室でのひとり言

日常の診察室で遭遇する疑問、難問、奇問を思いつくままに書き記したひとり言

まもなく新型コロナワクチン接種が始まります

2021年02月03日 | 新型コロナウィルス

日々、窮屈な生活を余儀なくされ、変わりばえのしない生活を送っているからなのか、月日の流れが速いことをつくづく感じる。まだまだ先のことだと思っていたワクチン接種が、大病院の医療従事者を対象に今月末には行われることとなった。未知のワクチンだとして受ける受けないなど賛否両論の考えがあるようであるが、最終的には個人任せといったところである。現在、緊急事態宣言が発出されている最中であり、徐々には感染者数が減少傾向にあるものの、間違いなくこのまま収束することはあり得ず、再上昇することは必至と思われる。水面下でイギリスをはじめ、他国からの変異株コロナウイルスが拡散しだしており、少しの気の緩みで二次関数曲線的に上昇する可能性のあることも念頭に入れておかないといけない。現在の状況で接種を不要と判断することは時期尚早で、今後26ヶ月先を想像しておかないといけないと思われる。クリニックにも大阪府より接種希望職員の名簿を1週間以内に提出する旨の案内が先月下旬に届き、提出した。今後、高齢者、一般といった方々にも同じような案内が届くのではと思われる。迷っていてもYESNOの回答しかなく、NOと回答してしまうと、その後希望しても無効となる。逆にYESと回答した場合、直前に希望しないという選択肢は残される。

 さて、昨年1214日より米国で開始されたファイザー社のワクチンについての途中経過が16日に発表されたので紹介する。 10日間で約190万人に接種され、重度のアレルギー反応であるアナフィラキシーは 21例(10万人に1名程度)で、このうち過去にアナフィラキシーの既往があった例が 7例、何らかのアレルギーの既往があったものが 10例である。アドレナリンなどの昇圧剤等で処置をされ、4名は入院するもその後退院され死亡者はゼロである。この数字をもってしても、少なくとも接種による危険性は非常に低いと考えられる。そもそもワクチンの効果は感染しても発症しない効果、発症しても重症化しない効果がある。この感染しても発症しない効果が 95%程度と示されている。インフルエンザワクチンに比べれば、これらの効果は上回っていると考えられる。但し、長期成績は不明である。どの程度の期間有効であるのか?数か月後、数年後の副作用(副反応)はどうなのか?といったところは全くわからない(さほど神経質になるほどでもないと思われるが・・・)。RNAといった物質が体内に入った後、何らかの異常を将来起こさないのかといった不安を感じたが、専門家によればRNAは個々の体内の細胞で分解され、精々1週間で効力をなくすので心配ないとのことである。 これらのデーターを参考にして各自ワクチン接種の可否を判断されてはどうであろうか。