当院では高齢者の方のみ対象に、コロナワクチン(ファイザー)接種を 5 ~ 6 週間隔で一人 2 回行いました。ワクチンの効果がピークとなるのが 1 ~ 2 ヶ月後ですので、そろそろ中和抗体価が気になる時期になってきました。接種者の御希望にて 2 回目接種から平均 1.5 ヶ月後に、近隣の大病院でも使用されている アボット社の検査試薬を用いて、中和抗体 ( S IgG抗体 ) を測定しています。検査試薬は会社ごとに基準値が大きく異なりますので、他社のものとは数値を比較することはできません。これから更にデーター( 受診者 )が増えると思われますが、今日現在の中間報告をします。 対象は 70 歳以上の方 61 名(男性 17 名、女性 44 名)でした。当院で 1 回目、 2 回目の接種を受けられた方 53 名( 接種間隔 5 ~ 6 週間 )、当院で 1 回目だけ接種され 2 回目は他施設で受けられた方( 接種間隔 3週間 )、1 回目、2 回目ともに他施設で受けられた方( 接種間隔 3 週間 )がおられます。当院で 5 ~ 6 週間隔で接種された方の中和抗体価の平均は 4,291 AU/mL 、 3 週間隔で接種された方の中和抗体価の平均は 1,392 AU/mL と、予想通り 6 週間隔で接種する方が 3 倍以上も高い値が得られました。また、6 週間隔の方の中には、10,000 AU/mL 以上を示される方が 4 名おられました。 3 週間隔では Max 3,107 AU/mLと 6 週間隔での平均値にも達せず、検査数が 8 名とまだまだ少ないながらも、1,000 AU/mL 未満が 6 名でした。 5 ~ 6 週間隔の場合、1,000 AU/mL 未満は 53 名中 3 名のみでした。 1 名は関節リウマチで免疫抑制剤を服用されており、 89 AU/mL と異常低値を示していました。これから、 50 ~ 60 歳台の方の受診者も増えて来られると思われ、年齢を考慮すると平均値が 2 倍、3 倍になるものと想定されます。一般には、高齢者、飲酒者、喫煙者、抗がん剤や免疫抑制剤、ステロイド製剤を服用されている方は比較的抗体価は低い結果になると想定されます。この数値がいくらであれば安全であるかということは今の時点ではわかりませんが、低値の方は今まで通り厳重な注意が必要と思われます。抗体価の高い方が感染することは考え難く、例え感染しても無症状あるいは軽症で、重症化することはありません。報道されているワクチン接種後の感染重症化は、抗体価が非常に低い人の場合です。今回は中間報告で、集計できた人数が少ないため、正確な統計的評価はできませんので、参考程度にして下さい。呉々も、今回の提示した抗体価数値はアボット社の検査試薬を使用しての数値ですので、他社の検査試薬での検査数値と比較することはできません。
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