診察室でのひとり言

日常の診察室で遭遇する疑問、難問、奇問を思いつくままに書き記したひとり言

オミクロン株BA5対応のワクチン開発

2022年09月04日 | 新型コロナウィルス

ピークは終わったとはいえ、いまだ感染者数の多いオミクロン株感染。連日、重症者、死亡者の数を公表しているが、内容が全くわからない。オミクロン株で重症になる ? 死亡する ?  これまでの海外の報告を含め、公表されている数字の内容に疑問を感じる。当院の患者さんはお盆前ほどではないが、相変わらず感染したとのことで診察予約のキャンセルや、診察時にコロナに罹って自宅療養していたとの報告が多い。2 日前の診察でも 85 歳の S さん( 週 3 日、透析を受けておられる )がコロナに罹っていたとの報告を受けた。2 日後、84 歳のご夫人も感染してご夫婦で自宅療養をされていたようである。37.5 38 ℃ほどの熱が断続的に 2 日間続いたが、それ以外は症状なく、ご夫婦とも特にこじれることも無く回復された。これまで国は 4 回目のワクチン接種を CM を使ってまで推奨してきたが、どんどん変異してきたコロナ(オミクロン株)に 2 年以上も前に作ったワクチンが効くはずがない。10 日前に 4 回目を接種した総理大臣自らが感染し、意味のないことを証明した。重症化の予防になる?と訴えているが、3 回接種と 4 回接種では差がなかったとの海外の報告が多い。というより、そもそもオミクロン株で重症化(肺炎に罹患し、人工呼吸器や ECMO を使用する)なんてしない。確かにワクチン接種回数が2回以下の人たちは、オミクロンに罹ると38℃程度の発熱が 4 5 日続いた、咽頭痛が強かったという報告は多いようだが、勘違いしてはいけないのだが、これは重症化ではない。診察中も高齢患者さんはコロナが怖い怖いと言っておられるが、コロナが怖いのでなく、重症化する肺炎が怖いのである。そういう意味でもオミクロンは怖くない。意味のなかった従来型の 4 回目ワクチン接種も、BA1 対応の 2価ワクチンが承認されたため、今月中にそのワクチンに変更し、4 回目ワクチン接種を促すようであるが、実は BA45 対応のワクチンが既に開発され、近々承認されるようである。4 回目を接種するなら、この BA45 対応のワクチンまで待つべきと思われるが、それまでに感染してしまう可能性も高い。しかし、風邪相手にここまでする必要があるのかである。第 7 波はピークを終え、徐々に感染も下火になるであろうことを考えると、今更といったところであるが、3 回目接種として打つのは良いかもしれない。


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