・・・№88のつづき。
去年の暮れから、昨日まで幾度となく脚を運んだ、神社仏閣。
健太郎と光江は、何を祈願したとは一度もお互いのことは、口にした事はこれまでない。
意志の疎通が人一倍ある二人の出来る技なのか、暗黙の了解なのだろうか。
決して聞いた事はなかった。阿吽の呼吸・・・。アイ・コンタクトですべてがわかる。
・・・しかし棟梁が癌と知ってからは手を合わせるたびに、二人は祈願に加えていたに違いないだろう。
3月上旬の『鮨旬馬』の時もあえて聞く事はなかった。
あのように、元気に棟梁がもどってくればなおさらの事だ。
1月中旬、成人の日・柴又帝釈天に行ったとき、阿吽の呼吸とはあの事だろう・・・!!
・・・いま思えば、棟梁のことを聞きたかったのだろうが!
健太郎と光江は察知したのだろう。
お互いに『寒いね・・・何か食べようょ』と寸分の狂いもなく発して・・・二人して大笑いした。幾度となくある光景だ。
阿吽の呼吸を健太郎は思い出した。
彼岸の中の22日土曜日・・・雲ひとつない穏やかな日差しに光江のシャンプーしたロングヘアーに陽が当たり、調教後のサラブレットが発汗し湯気をたてているかのように健太郎の目には写った。
インナーを着けていないピンクのバスローブの肢体に春を感じ、胸元から覗かせた乳房には昨夜の女豹の姿はなかった。
『落ちたわょ。入ったわょ!!・・・珈琲。』
レンジより・・・カップのミルクを取り出し珈琲を入れる。カフェオレだ。
『健太郎は・・・?』
『いっしょの!!』
『カフェオレょ・・・いいの??』
『ゴメン・珈琲・・・砂糖一つね!!』
陽だまりのキッチンで二人のトークショーがはじまった。
脚を組み健太郎の目を見ながら。
『昨日の・・・上野はどうだったの・・・桜・今年は早いでしょ』
『公園の入り口、交番の後ろの桜は数本、満開だったよ・・・』
JRAのメニューを見ながら。光江が。
『GⅠはまだなの・・・』
キッチンに立ち・・・イギリス・パンをオーブンに入れながら。
『まだだょ~。これからだよ。棟梁も合わせたように退院してくるし。』
『ホントねぇ!! 強靭な身体の持ち主だヮ。癌に勝ったのょ・・・健太郎も気をつけないとね・・・』
『卵はどうするの・・・』
『プレーン・オムレツ卵二つにミルク入れて・・・作って・・』
『ラジャ!!』
オリーブ油を使い・・・手際よくこなしていく。
光江は冷蔵庫から・・・トマトケチャップ・バター・健太郎お手製のジャムを取り出しながら。
『お友達に・・・好評ょ。このジャム。みゆきちゃんにもあげたわょ。』
『エッ!! 渡したの・・』
『だって!! 二人では多くない?・・・添加物も入ってないし・・・』
『まぁ~そうだが』
と言いながら、プレーン・オムレツが光江の胸の前に。
『今日は・・・お行儀悪いけど、このままでいただきます。アッ!!そうだったわね。いただきますの・・・前に。命をいただきます。ね。』
二人して大笑いだ。
2~3日前にこの話を光江にしてあげた。
すべてに命は繋がっている。
米も卵も野菜も・・命があって生きている。それを食べる。本来は ゛いただきます ゛の前に・・命を・・・入れていたと言う話をしてあげた。
その事を光江は思い出したのだろう。
中山 第11レース GⅢ フラワーカツプ 第22回
桜花賞の最終切符は??
①ブラックエンブレム 松岡
⑩シングライクハード 川田
⑮スペルバインド 後藤
⑬ハイエストホワイト 四位
4頭馬単BOX 12点で納まれば御の字である。
『健太郎・・・⑦アロマキャンドル 三浦 ⑯スペシャルディナー 柴田 ⑨カレイジャスミン 北村宏・・・この3頭の単勝買っておいて。つくでしょ・・・名前・馬名で買っただけょ』
逆光の陽だまりに、バスローブをつけていない・・・凹凸のシルエットの肢体が爽やかに写っていた。
去年の暮れから、昨日まで幾度となく脚を運んだ、神社仏閣。
健太郎と光江は、何を祈願したとは一度もお互いのことは、口にした事はこれまでない。
意志の疎通が人一倍ある二人の出来る技なのか、暗黙の了解なのだろうか。
決して聞いた事はなかった。阿吽の呼吸・・・。アイ・コンタクトですべてがわかる。
・・・しかし棟梁が癌と知ってからは手を合わせるたびに、二人は祈願に加えていたに違いないだろう。
3月上旬の『鮨旬馬』の時もあえて聞く事はなかった。
あのように、元気に棟梁がもどってくればなおさらの事だ。
1月中旬、成人の日・柴又帝釈天に行ったとき、阿吽の呼吸とはあの事だろう・・・!!
・・・いま思えば、棟梁のことを聞きたかったのだろうが!
健太郎と光江は察知したのだろう。
お互いに『寒いね・・・何か食べようょ』と寸分の狂いもなく発して・・・二人して大笑いした。幾度となくある光景だ。
阿吽の呼吸を健太郎は思い出した。
彼岸の中の22日土曜日・・・雲ひとつない穏やかな日差しに光江のシャンプーしたロングヘアーに陽が当たり、調教後のサラブレットが発汗し湯気をたてているかのように健太郎の目には写った。
インナーを着けていないピンクのバスローブの肢体に春を感じ、胸元から覗かせた乳房には昨夜の女豹の姿はなかった。
『落ちたわょ。入ったわょ!!・・・珈琲。』
レンジより・・・カップのミルクを取り出し珈琲を入れる。カフェオレだ。
『健太郎は・・・?』
『いっしょの!!』
『カフェオレょ・・・いいの??』
『ゴメン・珈琲・・・砂糖一つね!!』
陽だまりのキッチンで二人のトークショーがはじまった。
脚を組み健太郎の目を見ながら。
『昨日の・・・上野はどうだったの・・・桜・今年は早いでしょ』
『公園の入り口、交番の後ろの桜は数本、満開だったよ・・・』
JRAのメニューを見ながら。光江が。
『GⅠはまだなの・・・』
キッチンに立ち・・・イギリス・パンをオーブンに入れながら。
『まだだょ~。これからだよ。棟梁も合わせたように退院してくるし。』
『ホントねぇ!! 強靭な身体の持ち主だヮ。癌に勝ったのょ・・・健太郎も気をつけないとね・・・』
『卵はどうするの・・・』
『プレーン・オムレツ卵二つにミルク入れて・・・作って・・』
『ラジャ!!』
オリーブ油を使い・・・手際よくこなしていく。
光江は冷蔵庫から・・・トマトケチャップ・バター・健太郎お手製のジャムを取り出しながら。
『お友達に・・・好評ょ。このジャム。みゆきちゃんにもあげたわょ。』
『エッ!! 渡したの・・』
『だって!! 二人では多くない?・・・添加物も入ってないし・・・』
『まぁ~そうだが』
と言いながら、プレーン・オムレツが光江の胸の前に。
『今日は・・・お行儀悪いけど、このままでいただきます。アッ!!そうだったわね。いただきますの・・・前に。命をいただきます。ね。』
二人して大笑いだ。
2~3日前にこの話を光江にしてあげた。
すべてに命は繋がっている。
米も卵も野菜も・・命があって生きている。それを食べる。本来は ゛いただきます ゛の前に・・命を・・・入れていたと言う話をしてあげた。
その事を光江は思い出したのだろう。
中山 第11レース GⅢ フラワーカツプ 第22回
桜花賞の最終切符は??
①ブラックエンブレム 松岡
⑩シングライクハード 川田
⑮スペルバインド 後藤
⑬ハイエストホワイト 四位
4頭馬単BOX 12点で納まれば御の字である。
『健太郎・・・⑦アロマキャンドル 三浦 ⑯スペシャルディナー 柴田 ⑨カレイジャスミン 北村宏・・・この3頭の単勝買っておいて。つくでしょ・・・名前・馬名で買っただけょ』
逆光の陽だまりに、バスローブをつけていない・・・凹凸のシルエットの肢体が爽やかに写っていた。