家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

普請道楽をしやすい時代かも――山林購入のススメ

2005年04月01日 | 家について思ったことなど
以前、山小屋(ログハウス)のことを書いた。
山林を買い、そこに生えている木を伐採して建てたことを紹介した。

振り返れば、家を建てるために山を買う、とはまさに伝統的な普請道楽の第一段階ではないか。
我が家は成木を山小屋作りに使ってしまったため、今の住宅に使おうとは思わなかったが、最初から住宅をターゲットにしていれば、それを使う手もあったはず。
現在の山林の価格なら、金持ちでなくとも買える。場所にもよるが、車一台分も払えば家を1件建てられるくらいの立木のある山林を買うことができる。
山林が安いのは、立木を手入れ・伐採して市場に出しても赤字になるような流通価格であるため、山に手が入れられずに放置してあるためだ。
人に売ることを考えず、自家消費なら、「赤字」という意味合いではなく、「コスト」という意味合いで処理できる。そのコストも中間業者の利が乗ってない分は流通価格より安い。

歴史的な視点から見ると、普請道楽に踏み出すハードルが相当低い時代かもしれない。林業が盛んだった昔は相対的に高かったろうし、売り物もなかなか出なかったろう(今もそんなにあるわけではないが・・・)。

新月伐採 」し、「葉枯らし 」したうえ、何年も寝かせてたっぷり自然乾燥 させる、なんていかにも普請道楽っぽいコダワリで建てることも自分の山の木でなら可能なのである。ちょっとわくわくしてこないだろうか。
もし同様の材を市場から調達しようと思ったらとても大変だ。
やはり今は普請道楽には「いい時代」だ。

山林を買うところから家づくりをはじめるとなると、計画開始から竣工まで10年くらいは考えておきたい。
そして、資金力に乏しい我々一般人は自分で山林の面倒を見るのだ。
ただし、成木林なら、その手間はそれほどでもない。家1軒分くらいの立木の範囲なら、自力でできる。しかも伐採し終わればその手間はなくなる。

ウチの山林では使える木はほとんど使ってしまったが、まだ、成木が20本程度、20-25年生くらいのスギ、ヒノキがざっと70-80本、12、13年生くらいのヒノキが150本くらいはあるだろうか。今後、間伐して何割かは減らすことになろうが、未来の普請道楽のタネにはなりそうだ。
幼木が多いので、下刈り、枝打ち、間伐・・・、大変ではあるが、ポジティブシンキングをすれば、体力保持に役に立つ。事実私はストレス解消と運動不足対策の意味をこめて枝打ちをやっている。けっこうスカッとする。

5、60年後、息子が自分の孫に「おまえのひい爺ちゃんが遠大な普請計画を持ってこの山林を買ったのだよ」なんて話すシーンがあったら面白いと思う。

ようするに、気の長い妄想である。そんな妄想もできるということで、やはり山林は「買い」なのである。