家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

手縫い開始――ナイフシース作り(4)

2005年08月23日 | レザークラフト
型紙――ナイフシース作り(3)からの続き


 レザークラフトにおいて、ナイフシース作りの特徴は分厚い革を縫うことである。今回、ブレード側の縫い合わせ部分は4mm厚の革を2mm厚の革で挟む形にするので、2+4+2=8mmの厚さのものを「縫う」ことになる(ちなみに既製シースは7mm厚の木を2mm厚の革で挟んであったので11mm厚だった)。こうなると縫う過程で針がなかなか手で抜けないことがあり、その場合、ペンチで引き抜く。
布を縫うのとはまったく異なる世界なのである。
 
 針を通す穴は縫製前にあけておくのだが、これだけ厚いものになると、穴の位置あわせがとても重要になる。だから型紙にも穴を開けておいた。そして革に穴を穿つにあたり、垂直に通るよう神経を使った。
今回は糸が盛り上がらないように、ステッチンググルーバーという道具を使って革の表面に溝を切り、その溝に糸が収まるように縫っている。このナイフとシースは狩猟時の道具として野山でハードに使用することが想定されるため(収めるナイフ――ナイフシース作り(1)参照)、何かに糸を引っ掛けて切ってしまうのを避ける狙いがある。
私は「持ち歩くモノ」を作るのが好きなのだが、それはフィールドワークを想定していろいろな条件を探って設計することに面白味を感じているせいだ。

持ち歩くかどうかは別にしても、実用を伴うモノの設計って、芸術品と違って「デザイン」と「機能」が親和したり、時に闘ったりするところに醍醐味がある。その点は家でも日用品でも同じだと思う。