今年は二十四節気の「雨水」を前にひな人形を飾った。昨年は雨水が週末でよかったのだが、今年は明日の月曜日なのでまあいたしかたない。
こちらはしがない勤め人であるので平日に飾るのは難しいのである。
都合よく(?)雨が降ったのでちょうど良いと考えることにした。
こうした伝統行事になると古屋の出番となる。なかでも床の間がにわかに存在感を増す。
床の間は純粋な「ハレ」の空間ともいえる。効率性を重視する現代の家ではこうした空間を確保するのは難しい。
現代は昔とくらべるとはるかに豊かなはずなのだが、一方で昔にあった、違う豊かさをどこかに置いてきてしまっている感がある。床の間はそんなもののひとつになっているのかもしれない。