写真は古屋の広縁の廊下板に開いた節穴である。
この節穴を真上から覗き込むと素通しの縁の下が見える。
同様の穴はもう一箇所あり、我が古屋がいかに気密性と縁遠いかということがわかる。
この節穴、ふさごうと思えばふさげるのだが、ふさぐ気になれない。
古屋の弱点であるだろうが、「味」でもあるのだ。無垢の材の証ともいえる。
そもそも基本的に低気密なのでこの程度は気にしていてもはじまらない。
ポジティブシンキングをさらにしてみよう。
いまどきの家だとこうした節穴にはめったなことでお目にかかれまい。
「『お前の目は節穴か』っていうときの『節穴』はこれだよ」って子供達に現物を見せて教えることができる。役に立たない「節穴」も逆説的に役に立つことがあるのである。
考えてみると、古屋は「縁の下」も昔のままの形だ。これで「縁の下の力持ち」もリアルに教えられる。
<他に教えられそうなこと>
「庇を貸して母屋をとられる」
「壁に耳あり障子に目あり」
「畳の上の水練」
ここまでくれば、あとは子供の国語の成績が上がるのを待つだけである。