家づくり、行ったり来たり

ヘンなコダワリを持った家づくりの記録。詳しくは「はじめに」を参照のほど。ログハウスのことやレザークラフトのことも。

インフレヘッジとしての山林

2011年01月16日 | 山小屋・ログハウス

 日本は資源のない国と言われる。
 ところが、豊富にある資源もある。
 一つは水、そのほかに、海洋資源、そして木材資源(山林)。
 水と海洋資源はともかく、木材資源は有効に活用できていない。売値が低くビジネスとしてペイしない状況だからだ。結果、林業は衰退し、資源として存在することが国民にあまり意識されない。
 最近、その「そこにあるけど役に立っていない」資源が役に立つシーンが来るかもしれないと思い始めた。

 ここのところ、欧州におけるギリシャ、アイルランド等の危機的状況などから、同様に大きな債務を持つ(国債を大量に発行)我が国の危機についての議論が目立つようになってきた。
 日本国債の暴落、そして超円安、ハイパーインフレ・・・資源を輸入せざるをえない国、日本は大丈夫か、なんて話。
 もしそうなったら大変な事態といっていい。原油価格が高騰、それにともなって国内加工品を含めあらゆるものが値上がりする。生活が困窮することは必至だ。
 しかし、そこで山林(木材資源)のことを思い出す。
 この資源はそもそも輸入しなくても自給できるもの。現在、自給率が低く輸入品が市場を席巻しているのは、円高で外材が安く手に入るからにほかならない。超円安になったら、状況は180度転換するではないか。どん底の林業の風向きが変わる。
 外材が円ベースで高騰すればするほど、国内材の価格競争力は高まり、ペイするレベルになる。とすれば、誰からも見向きもされていない山林が突如宝の山に変貌するわけだ。インフレに対するヘッジになる。

 一部の中国人が山林を買っていると聞く( 「まゆつば」との評もあるが)。水資源の確保ではないかなどという憶測や、国土を買いあさることに対する陰謀説もあるようだが、もし本当に購入しているのであれば、中国人は遠くない将来の超円安を見込んでいるのではないかと思う。
  経済成長が続く中国にとって、超円安となったとたん、日本材は俄然魅力的な「外材」になる。安い今のうちに仕込んでおけば将来大儲けできるという訳。中国人による山林購入を国家的陰謀などとするより、投資行為ととらえるほうがありえそうで逆に怖い。
 日本の国債は大半を日本国民が持ち、外国人の保有比率は小さい。そのことをもってして日本が破綻することはないという楽観的な論説を聞きもする。しかし、その自国民保有率の高さ故に流動性がいびつで、海外勢がちょっと買い込んで保有比率を高めたあとで一気に売りに転じれば暴落の端緒にすることができるのではないか。そして、超円安をひきおこす。中国人は、距離が近くて輸送費が安い日本材を安価で手に入れ、円安といえど資源としての山林は値上がりして資産価値は落ちず、大儲けしましたとさ、なんてストーリー。まったくのヨタ話とまでは言えないような気がする。

 中国人の話はさておいて、国債の暴落→超円安からのインフレという懸念が本当にあるのならば、山林という資源を社会的にもっと認識しておくべきではないかという問題提起をしておこう。最悪の事態の中の一筋の光明になるかもしれない。
 予期せぬ事態で役に立つのは、普段は重要に扱われていないものだったりするのはよくあることなのだ。

 さて、いつもながらの忠告はしておきたい。私はすでにほんのわずかながら山林を保持している人間である。ポジティブシンキングの技術もある(関連エントリ→LINK1 LINK2)。
 言説に含まれるバイアスの存在(関連エントリ→LINK)は読み手として十分に注意を払ってもらいたい。


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4 コメント

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Unknown (aiai)
2011-01-17 19:47:57
読んでるうちに、「そうか今のうちに山林を買っとこうかな・・・」という気分になります。
おっとバイアスがかかってる(笑)
まじめな話、日本の破綻も十分考えらるような状況ではありますね。
私も最近もし日本が破綻したら・・・ってことを考えたりします。

素人なのでいい加減なんですが、もしかしたらハイパーインフレになって借金棒引きになって
資産を持ってる人よりより年収の高い人の方が強くなって、
タクシーに3回乗れば全財産が吹っ飛ぶかも・・・くらいの予想しかできないのですが
山林とは頭に浮かびませんでした。確かに相対的に今の地位より向上することは間違いないですね。
「よし、山林か・・」おっとアブナイ、アブナイ(笑)
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まんまと (garaika)
2011-01-20 21:59:30
aiaiさん
まんまと私の術中に(笑)。
私は会社の同僚に山林買わせた実績があるくらいの山林セールスマンだったりするから気を付けてください(笑)。

さて、日本の破綻の懸念といっても財政の破綻なので、その時、個人資産をどのようにもっているかが問題です。
貯金なんてものはハイパーインフレがくればふっとびます。通貨は国の価値と連動しますから。
だから価値が落ちない資産が頼りになるわけです。
金(GOLD)は国際的商品なのでお金よりは落ちにくいので危機時に買われたりします。
だけどそんなものはみんな思いつくことなのでいい値段で手にいれることはできないし、世界恐慌になれば価値もあやしくなる。
その点、資産として山林なんかに目をつける人はいないからチャンス、というのが今回のエントリだったりするわけ。
実際、超円安となったら、立木の1本、1本がお金に見えてくるかもしれないですよ。しかもいい利率がついて(笑)。

ですが、aiaiさん、本当に価値が落ちないのは、そもそもプライスレスなものです。
自分たちが暮らす、愛着のある家もそうかもしれません。他人の評価価値は落ちても自分が見た価値は落ちていない。
そしてもっと価値が落ちないのは家族でしょう。大切な友人もそう。
貨幣価値が崩れたときは、信用不安という状況にあるわけですが、絶対に信用できる家族や友人がいる人はそれこそが財産になるんですよ。



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Unknown (スターアニス)
2011-01-22 22:32:19
日本各地で中国人の土地買いが広がっていると聞きます。
ネライは、日本の水源確保、または土地の投機と聞いているが・・・・。
まさか材木に目をつけるとは・・・でも、この説、納得できますね。
目の付け所が凄い!

桧材・杉材の建築材としての復活・・・林業の復活はいつになるのでしょうね。ネコひたいの山持ちとしては、ちょっと気になるところです。
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スターアニスさん (garaika)
2011-01-23 11:34:04
中国人の山林買い、ここのところ話題になってきましたね。
彼らはシビアな人々のようなので、やるときは容赦ないかもしれません。
あまり疑心暗鬼になるべきではないので、このくらいにしますが、日本国民としては眠った資源としての山林の価値は長い目で見るべきだと思います。

それはそうとスターアニスさんとは山持ち仲間でもあったのですね。我が家も「猫の額」です。
「猫額山同盟」ですかね(笑)。
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