忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

軍事作戦の目的必ず遂行=ロシア大統領

2022年03月04日 | 忘憂之物





みんな大好き朝日新聞は、名古屋本社から東は「桜」西は「葦」を地紋に使う。ここは西になるから葦の地紋に「朝日新聞」と題字が入る。朝日も日本を腐す以外の工夫もしていると知った。

「葦」といえば有名なのは17世紀の哲学者、パルカスか。「人間は考える葦である」とのことだが、朝日新聞読者が「考える葦」になってしまうと購読を止める。考えてしまえば「なんでこんなの金払って読まされなきゃならないのか」と気づいてしまう。またそこでパルカスでも出してきて「哲学をばかにすることこそ、真に哲学することである」(パンセ)ということで「朝日新聞を馬鹿にすることこそ、真の朝日新聞読者である」とか悟ってはっとする。

だから朝日新聞読者は「考える葦」ではなく、単なるイネ科の多年草でいたほうが都合よろしい。あの地紋にはそういう意味が含まれている。知らんけど。


ということで、葦は葦らしく、ちょっと考えてみると2020年初頭くらいから、なにかヘンだと思い出すことになる。ちょうど武漢が閉鎖されて騒ぎになる頃だ。1100万人都市のロックダウンに、朝日新聞は習近平政権をして「果断で」「断固とした処置」を取りました、と提灯をぶら下げていた。

同年の1月半ばに日本政府が初めて「国内に新型コロナウイルスの感染者が出ました」と公式発表。神奈川県と奈良県に数人とのことだったが、その頃には「ダイアモンド・プリンセス」の船内感染。翌月には屋形船でのクラスターで、いよいよ日本の反日メディアが儲かりまっせと腕まくりし始めていた。

ちなみにその頃、安倍政権も全国の学校を一斉に休校したが、それは「果敢な指導者を演出する政治的パフォーマンス」として叩かれた。我が国家主席様の真似事をするとは片腹痛い、と朝日新聞の機嫌を損ねたのかもしれないが、しかしながら当時、武漢ウイルスはまだ情報が少なく正体不明。ネットでも道端で倒れて痙攣する中国人の動画などが出回り、中国共産党による生物兵器だの、闇の勢力による人類削減計画だの、相も変わらず楽しい話題がたくさんだったが、事実は小説より奇なり、ということもあるから、それらもみてた。

保守論陣も割れた。「中国人の入国を止めろ」「国際交流を止めると経済に悪影響」「怖いなら地下室にでも閉じ籠ってればいい」など、わあわあやっていた。基本的に他人事の喧嘩は面白いから、とりあえず、みんな放ってみていたが、そのまま年末になってアメリカ大統領選が始まると、もう笑えない状態だった。なんとなく覚えていた違和感は不安感になり、恐怖心にも変容した。

著作を読んだり、動画を見たり、出演番組を視聴したりして、個性はともかく、それなりに芯を喰った論調を楽しみにしていた保守論者も少なくなかったが、このあたりから「ヘンだ」と思うように感じる人も増えたのではないか。

また、中には深く鋭い分析に感心していた保守論者もいたが、このあたりから表面的な薄っぺらさを否定できなくなった。話の内容もアメリカ左翼メディアの受け売りが目立った。我慢してみていたところ、とてもじゃないが、得心できるものでもなく、且つ、ヒステリックで攻撃的だった。

彼ら彼女らは「ヘンだ」という人が出れば「ヘンだと思うお前がヘンだ」と嘲笑し始めた。「バイデンは本当に8千万票も取れたの?」と質問があっただけで溜息を吐き、笑い飛ばしてコケにした。それから民主主義とは何たるかを説き、そもそもアメリカの大統領選、なんかあんたに関係あるのか、とちゃぶ台返して見下していた。

ええ、でも、やっぱりおかしいと思います、と続ければ「基本的知識がない」「そんな情弱だから陰謀論にヤラれる」「合衆国憲法を理解していない」「クラーケンはどうした」と小馬鹿にして、現実を見据え、ファクトを見抜き、エビデンスに基づいた情報と知識と見識を持つ我々こそが「認識派」なのだ、とまるでエリート朝日新聞だった。もう、みんな悪口を言われるのが怖いから、誰も逆らわないようにした。ついでに近寄らなくなった。

冷静沈着がスーツを着ていると思っていたアメリカ人の弁護士も、某有名保守系チャンネルで顔を真っ赤にして、不正だったら不正でいいよ!もう帰るよ!と激高している姿には驚いたものだ。私は彼が好きだったから、さらに驚いて、そして心配にもなった。素朴に「どうしたんだろう」と思ったのだった。

その彼もプーチンと同じ年の69歳、もう少し冷静に対応できないものかと思うが、その際、彼の周囲にいた人は素人のツイッター民でもなく、一般人のネット右翼でもなく、いわゆる「保守論客でメシを喰う」プロだった。無論、相手が「それでメシを喰っている=間違っていない」の証明にはならんが、それでも議論するに値する相手だとは思う。ブチ切れて「もういい」は負けだ。

ましてや、その番組は「アメリカ大統領選を問う」ことをメインテーマに撮影、収録されている。そこに出演して異論にキレるのは議論の場において致命的なことだった。番組が成立しない。だから周囲も心配そうにしていた。と同時に、不思議に感じていたのではないかと思う。

今回のウクライナでもそう。「なぜプーチンは暴挙に出たのか」を何度か問うのもアウトだ。言われていたのは「ロシア帝国の復活を狙っている」だが、それだけで「なるほど」とピンとくるだろうか。アメリカ議会ではとうとう、理由の説明が苦しいのか「プーチンは精神に異常をきたしている」まできた。狂人だと。

つまり、だ。

とりあえず、いま、わかっていることは、ロシアのウクライナ侵攻、それも大規模で全面的な侵略戦争において、未だに「合理的な動機の説明がない」ということだ。ついでに書いてしまうと、それで笑うのはバイデン民主党だ。

「わからない」なら「わからない」でいい。そもそも「わからない」のはおかしくない。プーチン本人じゃないんだから、いくら「動機はこれだ」と言っても憶測、予想の範疇は出ない。同じく「それは違う」も断定できるはずがないから、我々一般素人はそれらの疑問を「プロの視点から」分析したり、新たな情報をまとめたりするお仕事をしている人らの本を買って読んだり、動画をチェックして視聴したりする。興味があるからだ。それで疑問を抱く、質問をする者がいると「勝手にそう思ってろ」「カルト宗教か」「情弱の陰謀論」と一蹴されているのを見ると、なにをそんなに過剰反応する必要があるのかと思う。

ここで念のため、これも書いておくが、私はDSから金をもらっていないし(笑)、任天堂DSももらっていない。いま1台持っている。光の軍隊の一員でもなければ光の戦士の仲間でもない。QアノンもQ太郎も知らない。ファイザーの社員でもなければ武漢研究所にいたこともない。ワクチンは2回接種済みだし、BLMにも入っていないし、ネオコンやネオナチの一味でもないし、中国共産党のスパイでもない。もちろん、トランプマンの正体でもないし、アゾフ連隊に入隊もしていない。太い体で細々と生きる、極めて普通のサラリーマン崩れのおっさんの個人的意見だ。案ずるな。近こう寄れ。


例えば、元駐ウクライナ大使の馬淵氏が「東ウクライナの新ロシア派住民への虐殺」を言う。オデッサの虐殺も言う。ウクライナ内部のネオナチによるロシア系住民、新ロシア派への攻撃は8年間続いていた、と本で書いたり、動画でやったりする。それを読んだり見たりした人に「まったくのデマ。騙されないようにして」と注意喚起する。要するに全部が全部、馬淵氏が吐いているだけの「嘘」だと言う。あまつさえ「認知症」だの「カルト」だのと人格否定する。中でも「(馬淵は)人の心がない」には引いた。

無論、これらが万が一、事実だったとしても、プーチンはもうダメだと誰でもわかる。たぶん、本人も今後、なかったことになる、などとは思っていない。ただ、ロシアの大統領が狂人でもホッキョクグマでもなんでもいいが、問うている、あるいは考えている、考えねばならないと思うのは、それではなぜ、ロシアの暗黒皇帝はこのような愚挙に及んだのか、である。その犯行動機がはっきりしない、というだけだ。日本も他人事ではないからだ。

もちろん、ひと通りの憶測はあるし、シナリオ通り進行しないのも戦争の一面だろう。それにプーチンはウクライナ国民を舐めていたし、西側諸国はプーチンを舐めていた。プーチンは侵攻すれば早期にカタが付く、西側は侵攻してもドネツクとルガンスクだけだろう、くらいに思っていたかもしれない。

それからNATOの東進はロシアからすれば脅威だろう。プーチンは侵攻開始の翌日、国内のテレビ会議で「他に選択肢がなかった」とも言っている。ロシアは行動を余儀なくされた、制裁が発動されることも理解している、とビジネス関係者に述べている。狂人の言い抜けにしてはしっかりしている。

ロシアの侵攻をみる少し前から、およそ、確実に言えたことは「バイデンは何もしない」ということ、ウクライナ国内が泥沼になっても米兵は死なない、ということだ。合わせて今年はアメリカ中間選挙だ。このままでは必ずバイデン民主党は負ける。もしかしなくても「大負けで済まない」レベルの困ったことにもなるかもしれない。バイデン民主党と一味は必死だろう。

つまり、ウクライナでロシアが非道なことを行えば行うほど、ウクライナが抗えば抗うほど、西ヨーロッパ諸国がウクライナを援助して、ロシアと距離を開ければ開けるほど、それらすべてがバイデン民主党と一味にとって都合がよろしい、ということだ。バイデンはプーチンを悪魔化して、先日の一般教書演説のように「ゴー・ゲット・ヒム 」と拳を突き上げていればよろしい。ペロシも目をキラキラさせてうっとりしてくれるはずだ。支持率も今よりは上がるだろう。いまのところ、バイデン民主党の「独り勝ち」と言っていい。

それに暗黒皇帝は喧嘩の達人だ。つまり、勝てる準備をしてから始めたはずだ。そして「中途半端」はやらない。止めろで止めるなら最初からやらないし、辞めろで辞めるならナワリヌイも苦労しない。

先月17日、日ロ首脳電話会談があった日だが、私はこのブログにも「プーチンはもう引けない」と書いた。その理由の一つはバイデン民主党の情報戦だったが、それよりも軍事侵攻の準備が整っていたからだ。これでやらないなら、ジョージアもクリミア半島もやっていない。「中途半端」にやることは敗北を意味する。百戦錬磨、ロシアの悪魔将軍が知らないはずもない。


そもそもプーチンには困ったもんだった。先ず、SDGsをやらない。そらそうだ。ロシアは天然ガスと石油で喰えるようになった国だ。LGBTもダメ。「非伝統的な性的関係」として「同性愛宣伝禁止法(日本名)」がある。ジェンダーフリーは怒るが、中身を見ると「未成年に同性愛を宣伝するのは禁止」とある。そんなに悪いもんでもないと思うが、時流を「作っている」連中からすれば何とかしたいと思っても無理はない。

SDGsの欧州各国からしても、プーチンが急に「2060年までに炭素ゼロを目指す」とか言い出しても信じられない。ちょっと前まで「2度から3度程度の温暖化は、ロシアにとっては望ましいことだ。毛皮のコートは必要なくなるし、農作物の生産も向上するだろう」と言っていた。ドイツの学者に「マンモスの絶滅は1万年前に始まった。これは、温暖化や海面上昇、草地の減少によるもので、人間とは無関係の現象ではないか」と質問して困らせたこともある。ただの狂人じゃない。持続可能的な人からすれば嫌な狂人だった。


もう既にフェイク画像や動画も出回っている。今後しばらく、嘘情報や偽情報、都合の良いネタも話題になるだけのネタも出回るだろう。こういうとき失念したくないことがふたつある。ひとつは情報戦というくらいだから、それらは双方から出るということ。そしてその量と質には差異があるということ。

さて、嘘が下手なのはどーっちだ??



















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