※「ねこにゃらーず@広報」に書いた記事ですが、多くの人に読んで欲しいのでこちらにも載せます。
27日の譲渡会で、猫を手放したいと悩んでいる方からのご相談がありました。
年齢は64歳とそんなにお歳ではないのですが、すぐ入院とはいかなくても、持病をお持ちで、
1人暮らしで親戚もみな遠方、頼れる人がいない。
自分に何かあった時に飼い猫を託せる人がいない。
自分に何かあったら、猫は処分されることになると思う。
飼い猫はまだ5歳と若い。
だから今から里親さんを探したいというご相談でした。
こちらに相談に来られる前に、大きな動物愛護団体に行って相談されたそうですが、
「まだ若いんだから、そのまま飼ってください。あなたの年齢でこれから飼う人もいるのよ。」
「あなたくらいの年齢で、何十匹も世話してるボランティアも沢山いるんだから大丈夫よ。」
と、里親探しはせずに飼い続けることを奨められたそうです。
(アドバイスしてくれたのは、60歳超えた人だったそうですが・・・)
ご本人もそのアドバイスに納得がいかなくて、こちらに来たのですが、
私もちょっとそのアドバイスは無責任かなぁ・・・と思うのです。
(※動物愛護の考え方は、それぞれボランティア、団体により違いますので、これは私の意見です。)
実は、公にしていなくても、行政(愛護センター)が里親を選ぶ際にも、
飼い主に対し年齢制限があるのです。
もちろん、個人ボランティアや動物愛護団体でも年齢制限はあるのです。
ちなみに、だいたい60歳が限度年齢です。
60代それ以上の人は、気分が悪く思われるかもしれませんが、
いくら今は元気でも、人間いつ病気になって入院や亡くなるかわからないのです。
(私の父は74歳で非常に健康体でしたが、ガンが見つかり入院、2カ月であっという間に亡くなりました。)
「若い人も病気になる。死ぬこともある。」そうです。
でも、そのリスクが60歳以上の方が高いのです。
※当方では、年齢関係なく、若い方でも60歳の方でも、
「あなたに何かあった際に、代わりに飼い続けてくれる方がいますか?」と、確認しています。
ましてや今回は、持病があり、身寄りもいない。
※病院に入院となると、残された飼い猫の待遇は、駆けつけた親戚にはえてして忘れ去られます。
入院の日程に対し、それに合わせて猫が預けられる場所を慌ただしい中探すのも、至難の業なのです。
本当に万が一、この人に何かあったら、間違いなく飼い猫は保健所で殺処分となります。
※私は長年のボランティア活動の中で、切羽詰まって何もできず(または何もせず)に、
本人(または残された家族や親せき)が、飼い猫を処分したケースをたくさん知っています。
「私は心配性でしょうか?」
相談者さんに聞かれました。
相談者さんに言った言葉ですが、皆さんにも聞いて欲しいのです。
心配性?いいえ、そんなことはないです。
今、元気なうちに、探してあげることが大事です。
何かあった時に探し始めることは、実際には難しいことです。
さらに大人猫の場合、子猫に比べ里親さんは簡単には決まりません。
飼い猫のためにと決心したなら、今、できる時に本気で里親探しをしなければいけません。
もちろん飼い続けられるのが、一番です。
でも、何かあった際に代わりに飼ってくれる人がいない限り、
里親さんを見つけてあげることは、飼い猫の未来のため、命をつなぐために必要なこと。
飼い主の責任です。
また確かに60歳以上のボランティアで、自宅に何十匹も保護している人はいます。
でも実際には、家族の人が活動に反対しているケースが多く、
そのボラさん本人が健康な間は問題ないでしょうが、
何かあった際にあそこのボラさんの犬や猫はどうなるんだろう・・・と心配されているのです。
(※年齢関係ありませんが、たいていの場合、ボラさんは1人で猫たちの世話をしています。
家族は手伝わないケースの方が多いんです。
ボラさんが離婚したり、入院したり亡くなった際には、家族はその猫たちを持て余してしまうのです。)
実際、過去にボラさんが突然亡くなり、残された何十匹の猫が路頭に迷ったことがありました。
ボラさんによる多頭飼育崩壊は、全国的にも珍しいことではありません。
ボランティアの家族だからといって、家族や親類が同じような志を持っているかというと、否です。
家族の方はほとんどが、残された猫たちの処分に困り、
知り合いのボラさんに残された猫たちを押し付けてくるか、殺処分を選びます。
「あなたくらいの年齢で、何十匹も世話してるボランティアも沢山いるんだから大丈夫よ。」
いやいや、全然、大丈夫じゃないです~~。
ブログに何度か書いていますが、私の家にもかなりの猫がいます。
私に何かあった、または死んだ場合。
残された猫たちの世話を家族ができない場合は、里親探しをしてもらうように伝えています。
その際にかかる費用として、私の生命保険を使ってもらうことになっています。
猫に残す持参金、遺産です。
手元にいる猫の将来を憂う時、年齢は関係ないのです。
※有難いことに、うちの場合は家族も活動に理解があるため、
私の遺言は実行されると思います。
でも、入院やお葬式、相続の手続きといった諸々の手配をした経験のある人ならおわかりでしょうが、
そういう事態の最中は、本当に慌ただしく、お金もすぐには用意できないものです。
なので、いざという時のために、元気な時から家族や友人や親せきに、猫の世話を頼んでおかないといけません。
今回の相談者さんのように、自分で飼い猫の将来のために、責任ある行動を取られる方は、
残念ながら少ないです。
「もう飼えない。殺処分しかない。あんたボランティアでしょ、引き取ってよ。」と、脅迫めいた口調で脅し、
自分では何もせずに、飼い猫をボランティアにまる投げしてくる人の方が多いのです。
猫を飼うって、どういうことだろう。
飼い主の責任て、なんだろう。
元気な時に、今から考えて欲しい。
「猫だけの譲渡会」2月3&24日(日)坊ちゃん広場、午後1時~5時。
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時々読ませていただいてます。
すごく考えさせられ、
心にしみました。
改めて飼い猫を責任を持って
育てようと思いました。