旅先で自然を感じる時、植生の違いは大きな要素となります。沖縄に行き、ガジュマルの木に南洋を見いだし、北海道でエゾ松の林に北国を実感し、高山地帯のハイ松に標高を知るといった具合です。しかし、最近の地域開発によりこのような植生が破壊されつつあります。そんな中、近年、自然保護の観点と観光目的から色々な植物園が作られ、その地方独特の植物や植生を見学できるようになりました。
今までの植物園は全国からいや世界中から珍しい植物を集めて、栽培し、花や木々を愛でながら色々な植物を識るといったものでした。いわば、ゼネラル植物園といった所でしょうか。それも、必要なことだと思います。しかし、最近出来た植物園はその地方の特徴的な植物を集め、栽培保護しながら、その地域の植生を感じらえるような、テーマ植物園とでも呼べる所が増えています。そんな植物園を訪れて、その地域の植物を見てみるのも良いのでは…。
〇「植物園」とは?
広辞苑によると、「植物学の進歩・向上及び植物に関する知識の普及に資するために設備せられた植物の培養所。」となっています。
日本最古の植物園は、「小石川植物園」(東京大学大学院理学系研究科附属植物園)で、1684年(貞享元)に江戸幕府が江戸小石川に設けた御薬園が元になっていました。また、「北海道大学北方生物圏フィールド科学センター耕地圏ステーション植物園」は、1886年(明治19)に札幌農学校附属植物園として設立されたものです。
日本では現在、日本植物園協会に加盟しているものだけでも、113園(2017年現在)があります。
☆「植物園」のお勧め
(1)北海道大学北方生物圏フィールド科学センター耕地圏ステーション植物園(北海道札幌市中央区)
1886年(明治19)に札幌農学校附属植物園として設立されたもので、古い歴史があり、13.3haの園内には、高山植物など北海道の自生植物を中心に約4,000種類の植物が育成されています。一般には、「北海道大学植物園」と呼ばれ、北海道内の重要な観光スポットの一つともなっていて、北海道開拓以前のブナ原生林が残され、かつての植生を知り、自然に触れることが出来る数少ないところで、散策にはうってつけです。
(2)筑波実験植物園(茨城県つくば市)
つくば研究学園都市にあり、日本国立科学博物館の一つの研究部門として、1983年(昭和58)に開園しました。敷地面積は、14haあり、約5,000種の日本国内外の植物を温帯地域から熱帯地域に至るまで世界中から集めています。屋外に9つの植生区画(1.常緑広葉樹林、2.温帯性針葉樹林、3.暖温帯落葉広葉樹林、4.冷温帯落葉広葉樹林、5.低木林(低地性・高地性)6.砂礫地植物(山地性・海岸性)、7.山地草原(低地性・高地性)、8.岩礫地植物(山地性・海岸性)、9.水生植物区画)があり、3つの温室(サバンナ温室、熱帯雨林温室、水生植物温室)も有していて、見ごたえがありました。
(3)東京大学大学院理学系研究科附属植物園(東京都文京区)
一般には、「小石川植物園」と呼ばれていて、1684年(貞享元)に江戸幕府が江戸小石川に設けた御薬園が元になっていました。東京大学の付属施設としての開園は、1877年(明治10)で、現在の面積は、16.1588ha、都民の憩いの場ともなり、植物園本館には植物標本約70万点、植物学関連図書約2万冊があって、植物研究に活用されています。尚、2012年(平成24)に、「小石川植物園(御薬園跡及び養生所跡)」として国の名勝および史跡に指定されました。
(4)東山動植物園(愛知県名古屋市千種区)
動物園と併設された59.58 haもの広大なものですが、植物園は動物園に先立ち、1937年(昭和12)に開園した古い歴史があります。植物園 だけでも27.37haと広い敷地を誇り、大温室が多数あって、植物230科7,000種が栽培されていました。水生植物、熱帯植物等を順に見て回ることができる総合的植物園で、その知識が豊富になります。
(5)牧野記念植物園(高知県高知市)
1958年(昭和33)に、日本の草分けと言われる植物学者牧野富太郎の業績を記念して、五台山に開園しました。現在の面積は、 17.8haで、園内には3000種近い植物が栽培されていて、1999年(平成11)には、「牧野富太郎記念館」も出き、大きな温室もあります。
☆日本の主要な植物園一覧(日本植物園協会加盟施設)
<北海道>
・北海道大学北方生物圏フィールド科学センター植物園(北海道札幌市中央区)
・札幌市百合が原緑のセンター(北海道札幌市北区)
・札幌市豊平公園緑のセンター(北海道札幌市豊平区)
・札幌市平岡樹芸センター(北海道札幌市清田区)
・函館市熱帯植物園(北海道函館市)
<東北>
・能代エナジアムパーク(秋田県能代市)
・仙台市野草園(宮城県仙台市太白区)
・東北大学植物園(宮城県仙台市青葉区)
・山形市野草園(山形県山形市)
<関東>
・とちぎ花センター(栃木県栃木市)
・ぐんまフラワーパーク(群馬県前橋市)
・水戸市植物公園(茨城県水戸市)
・森林総合研究所樹木園(茨城県つくば市)
・筑波実験植物園(茨城県つくば市)
・茨城県植物園(茨城県那珂市)
・千葉県立中央博物館生態園(千葉県千葉市中央区)
・東京大学大学院農学生命科学研究科附属緑地植物実験所(千葉県千葉市花見川区)
・清水公園(千葉県野田市)
・川口市立グリーンセンター(埼玉県川口市)
・国営武蔵丘陵森林公園都市緑化植物園(埼玉県比企郡滑川町)
・東京大学大学院理学系研究科附属植物園(東京都文京区、栃木県日光市)
・板橋区立赤塚植物園(東京都板橋区)
・板橋区立熱帯環境植物館(東京都板橋区)
・新宿御苑(東京都新宿区)
・渋谷区ふれあい植物センター(東京都渋谷区)
・夢の島熱帯植物館(東京都江東区)
・神代植物公園(東京都調布市)
・多摩森林科学園(東京都八王子市)
・横浜市こども植物園(神奈川県横浜市南区)
・神奈川県立フラワーセンター大船植物園(神奈川県鎌倉市)
・箱根町立箱根湿生花園(神奈川県足柄下郡箱根町)
<中部>
・新潟県立植物園(新潟県新潟市秋葉区)
・富山県中央植物園(富山県富山市)
・氷見市海浜植物園(富山県氷見市)
・南砺市園芸植物園フローラルパーク(富山県南砺市)
・七尾フラワーパーク・のと蘭ノ国(石川県七尾市)
・福井総合植物園プラントピア(福井県丹生郡越前町)
・花フェスタ記念公園(岐阜県可児市)
・伊豆シャボテン公園(静岡県伊東市)
・浜松市フラワーパーク(静岡県浜松市西区)
・浜松市フルーツパーク(静岡県浜松市北区)
・碧南市農業活性化センターあおいパーク(愛知県碧南市)
・東山植物園(愛知県名古屋市千種区)
・名古屋市緑化センター(愛知県名古屋市昭和区)
・安城産業文化公園デンパーク(愛知県安城市)
・豊橋総合動植物公園(愛知県豊橋市)
<近畿>
・草津市立水生植物公園みずの森(滋賀県草津市)
・京都府立植物園(京都府京都市左京区)
・宇治市植物公園(京都府宇治市)
・大阪市立長居植物園(大阪府大阪市住吉区)
・咲くやこの花館(大阪府大阪市鶴見区)
・天王寺公園植物温室(大阪府大阪市天王寺区)
・大阪市立大学理学部附属植物園(大阪府交野市)
・大阪府立花の文化園(大阪府河内長野市)
・神戸市立森林植物園(兵庫県神戸市北区)
・六甲高山植物園(兵庫県神戸市灘区)
・尼崎市都市緑化植物園(兵庫県尼崎市)
・宝塚植物園(兵庫県宝塚市)
・兵庫県立フラワーセンター(兵庫県加西市)
・奇跡の星の植物館(兵庫県淡路市)
・和歌山県植物公園緑花センター(和歌山県岩出市)
<中国>
・鳥取県立とっとり花回廊(鳥取県西伯郡南部町)
・岡山市半田山植物園(岡山県岡山市北区)
・広島市植物公園(広島県広島市佐伯区)
・緑と花と彫刻の博物館(山口県宇部市)
<四国>
・高知県立牧野植物園(高知県高知市)
<九州>
・福岡市動植物園(福岡県福岡市中央区)
・長崎県亜熱帯植物園(サザンパーク野母崎)(長崎県長崎市)
・佐世保市亜熱帯動植物園(長崎県佐世保市)
・熊本市動植物園(熊本県熊本市)
・仙巌園自然植物園(鹿児島県鹿児島市)
・フラワーパークかごしま(鹿児島県指宿市)
・奄美アイランド植物園(鹿児島県奄美市)
<沖縄>
・熱帯・亜熱帯都市緑化植物園(沖縄県国頭郡本部町)
・ネオパークオキナワ[名護自然動植物公園](沖縄県名護市)
今までの植物園は全国からいや世界中から珍しい植物を集めて、栽培し、花や木々を愛でながら色々な植物を識るといったものでした。いわば、ゼネラル植物園といった所でしょうか。それも、必要なことだと思います。しかし、最近出来た植物園はその地方の特徴的な植物を集め、栽培保護しながら、その地域の植生を感じらえるような、テーマ植物園とでも呼べる所が増えています。そんな植物園を訪れて、その地域の植物を見てみるのも良いのでは…。
〇「植物園」とは?
広辞苑によると、「植物学の進歩・向上及び植物に関する知識の普及に資するために設備せられた植物の培養所。」となっています。
日本最古の植物園は、「小石川植物園」(東京大学大学院理学系研究科附属植物園)で、1684年(貞享元)に江戸幕府が江戸小石川に設けた御薬園が元になっていました。また、「北海道大学北方生物圏フィールド科学センター耕地圏ステーション植物園」は、1886年(明治19)に札幌農学校附属植物園として設立されたものです。
日本では現在、日本植物園協会に加盟しているものだけでも、113園(2017年現在)があります。
☆「植物園」のお勧め
(1)北海道大学北方生物圏フィールド科学センター耕地圏ステーション植物園(北海道札幌市中央区)
1886年(明治19)に札幌農学校附属植物園として設立されたもので、古い歴史があり、13.3haの園内には、高山植物など北海道の自生植物を中心に約4,000種類の植物が育成されています。一般には、「北海道大学植物園」と呼ばれ、北海道内の重要な観光スポットの一つともなっていて、北海道開拓以前のブナ原生林が残され、かつての植生を知り、自然に触れることが出来る数少ないところで、散策にはうってつけです。
(2)筑波実験植物園(茨城県つくば市)
つくば研究学園都市にあり、日本国立科学博物館の一つの研究部門として、1983年(昭和58)に開園しました。敷地面積は、14haあり、約5,000種の日本国内外の植物を温帯地域から熱帯地域に至るまで世界中から集めています。屋外に9つの植生区画(1.常緑広葉樹林、2.温帯性針葉樹林、3.暖温帯落葉広葉樹林、4.冷温帯落葉広葉樹林、5.低木林(低地性・高地性)6.砂礫地植物(山地性・海岸性)、7.山地草原(低地性・高地性)、8.岩礫地植物(山地性・海岸性)、9.水生植物区画)があり、3つの温室(サバンナ温室、熱帯雨林温室、水生植物温室)も有していて、見ごたえがありました。
(3)東京大学大学院理学系研究科附属植物園(東京都文京区)
一般には、「小石川植物園」と呼ばれていて、1684年(貞享元)に江戸幕府が江戸小石川に設けた御薬園が元になっていました。東京大学の付属施設としての開園は、1877年(明治10)で、現在の面積は、16.1588ha、都民の憩いの場ともなり、植物園本館には植物標本約70万点、植物学関連図書約2万冊があって、植物研究に活用されています。尚、2012年(平成24)に、「小石川植物園(御薬園跡及び養生所跡)」として国の名勝および史跡に指定されました。
(4)東山動植物園(愛知県名古屋市千種区)
動物園と併設された59.58 haもの広大なものですが、植物園は動物園に先立ち、1937年(昭和12)に開園した古い歴史があります。植物園 だけでも27.37haと広い敷地を誇り、大温室が多数あって、植物230科7,000種が栽培されていました。水生植物、熱帯植物等を順に見て回ることができる総合的植物園で、その知識が豊富になります。
(5)牧野記念植物園(高知県高知市)
1958年(昭和33)に、日本の草分けと言われる植物学者牧野富太郎の業績を記念して、五台山に開園しました。現在の面積は、 17.8haで、園内には3000種近い植物が栽培されていて、1999年(平成11)には、「牧野富太郎記念館」も出き、大きな温室もあります。
☆日本の主要な植物園一覧(日本植物園協会加盟施設)
<北海道>
・北海道大学北方生物圏フィールド科学センター植物園(北海道札幌市中央区)
・札幌市百合が原緑のセンター(北海道札幌市北区)
・札幌市豊平公園緑のセンター(北海道札幌市豊平区)
・札幌市平岡樹芸センター(北海道札幌市清田区)
・函館市熱帯植物園(北海道函館市)
<東北>
・能代エナジアムパーク(秋田県能代市)
・仙台市野草園(宮城県仙台市太白区)
・東北大学植物園(宮城県仙台市青葉区)
・山形市野草園(山形県山形市)
<関東>
・とちぎ花センター(栃木県栃木市)
・ぐんまフラワーパーク(群馬県前橋市)
・水戸市植物公園(茨城県水戸市)
・森林総合研究所樹木園(茨城県つくば市)
・筑波実験植物園(茨城県つくば市)
・茨城県植物園(茨城県那珂市)
・千葉県立中央博物館生態園(千葉県千葉市中央区)
・東京大学大学院農学生命科学研究科附属緑地植物実験所(千葉県千葉市花見川区)
・清水公園(千葉県野田市)
・川口市立グリーンセンター(埼玉県川口市)
・国営武蔵丘陵森林公園都市緑化植物園(埼玉県比企郡滑川町)
・東京大学大学院理学系研究科附属植物園(東京都文京区、栃木県日光市)
・板橋区立赤塚植物園(東京都板橋区)
・板橋区立熱帯環境植物館(東京都板橋区)
・新宿御苑(東京都新宿区)
・渋谷区ふれあい植物センター(東京都渋谷区)
・夢の島熱帯植物館(東京都江東区)
・神代植物公園(東京都調布市)
・多摩森林科学園(東京都八王子市)
・横浜市こども植物園(神奈川県横浜市南区)
・神奈川県立フラワーセンター大船植物園(神奈川県鎌倉市)
・箱根町立箱根湿生花園(神奈川県足柄下郡箱根町)
<中部>
・新潟県立植物園(新潟県新潟市秋葉区)
・富山県中央植物園(富山県富山市)
・氷見市海浜植物園(富山県氷見市)
・南砺市園芸植物園フローラルパーク(富山県南砺市)
・七尾フラワーパーク・のと蘭ノ国(石川県七尾市)
・福井総合植物園プラントピア(福井県丹生郡越前町)
・花フェスタ記念公園(岐阜県可児市)
・伊豆シャボテン公園(静岡県伊東市)
・浜松市フラワーパーク(静岡県浜松市西区)
・浜松市フルーツパーク(静岡県浜松市北区)
・碧南市農業活性化センターあおいパーク(愛知県碧南市)
・東山植物園(愛知県名古屋市千種区)
・名古屋市緑化センター(愛知県名古屋市昭和区)
・安城産業文化公園デンパーク(愛知県安城市)
・豊橋総合動植物公園(愛知県豊橋市)
<近畿>
・草津市立水生植物公園みずの森(滋賀県草津市)
・京都府立植物園(京都府京都市左京区)
・宇治市植物公園(京都府宇治市)
・大阪市立長居植物園(大阪府大阪市住吉区)
・咲くやこの花館(大阪府大阪市鶴見区)
・天王寺公園植物温室(大阪府大阪市天王寺区)
・大阪市立大学理学部附属植物園(大阪府交野市)
・大阪府立花の文化園(大阪府河内長野市)
・神戸市立森林植物園(兵庫県神戸市北区)
・六甲高山植物園(兵庫県神戸市灘区)
・尼崎市都市緑化植物園(兵庫県尼崎市)
・宝塚植物園(兵庫県宝塚市)
・兵庫県立フラワーセンター(兵庫県加西市)
・奇跡の星の植物館(兵庫県淡路市)
・和歌山県植物公園緑花センター(和歌山県岩出市)
<中国>
・鳥取県立とっとり花回廊(鳥取県西伯郡南部町)
・岡山市半田山植物園(岡山県岡山市北区)
・広島市植物公園(広島県広島市佐伯区)
・緑と花と彫刻の博物館(山口県宇部市)
<四国>
・高知県立牧野植物園(高知県高知市)
<九州>
・福岡市動植物園(福岡県福岡市中央区)
・長崎県亜熱帯植物園(サザンパーク野母崎)(長崎県長崎市)
・佐世保市亜熱帯動植物園(長崎県佐世保市)
・熊本市動植物園(熊本県熊本市)
・仙巌園自然植物園(鹿児島県鹿児島市)
・フラワーパークかごしま(鹿児島県指宿市)
・奄美アイランド植物園(鹿児島県奄美市)
<沖縄>
・熱帯・亜熱帯都市緑化植物園(沖縄県国頭郡本部町)
・ネオパークオキナワ[名護自然動植物公園](沖縄県名護市)