昭和建築学会


昭和の建築物や路上にあるオブジェなどを中心にご紹介します。

昭和建築学会 第66回 北千住 13 ありがたい、ありがたい、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏

2014年02月24日 | 建築

はじめにご紹介する物件は、千住界隈のレトロな建物を紹介した小冊子にも登場していたいい物件。

 

まずはご覧あれ。

 

 

なんか、雰囲気ありそうです。

 

 

玄関。サツキとメイの家の洋館部分みたいです。

 

とにかくこれは見逃せないと思い、じっくりと撮らせていただきましたm(_ _)m。

 

窓の部分再び。

 

 

何度も手入れをしながら今日にまで至った建物です。この植木(名前はちょっと知らないのですが)

家が建てられたころに植えられたとしたら、すごくモダンであったはず。

家自体はいうまでもありません。

なにげに窓枠のところの植木鉢がかわいいですね。

 

 

玄関真正面。お分かりかもしれませんが、歯医者さんです。

千住の街に代々営まれてきたお家でしょう。

ひょっとして遊郭の女性も来た!?

 

 

この一枚、大好きです。地元商店街が各お店の前にあんどんをつけるようにしているのですが、

歯医者さんなのにあんどんがついている! 院長さんは庶民的な人なんだろうなと思います。

 

 

洋風の診察室の背後には立派な和風のお家が。

やっぱり、サツキとメイの家!?

ちょっとカメラをずらします。

 

 

洋と和がうまくとけあっていますね。

それにしてもこのとんがり屋根いいなあ。

 

未練がありましたが、少し歩きました。

 

 

喫茶店だったと思うのですが、ステンドグラスがきれいなお店でした。

 

 

 

 

わたしが注目したのは、ステンドグラスそのものではなく、窓枠でした。

かなり古びた窓枠、時代を感じさせます。

それを承知の上でステンドグラスを見るとまた見方が変わってきます。

 

ステンドグラス、一枚あたりの単価はかなり高いはず。そうそう、つくるわけにもいかないでしょう。

もしや、元カフェーにあったものを窓枠ごと購入した、というのは想像のしすぎでしょうか?

 

 

張り紙いっぱいのお店。これはこれで独特の風情がありますね。

人の行き交う繁華街によくあっています。

 

 

えー、この写真を撮ったのは、やはり三階部分の出っ張りがなんのためにあるのかという関心があったからです。

誰か、ご存じないですか?

 

ちょっと、イケナイ横道にそれますね。

 

 

彼方にはこのような看板が……。

 

 

キャバクラでした(笑)。

そのお隣も、ちょっと一見さんには入りづらい店構え……。

 

 

女性専用で、名前がLでっせ。(どういうわけか、関西弁)

それとそのとなり、千住小町というネーミング、鳴きたくなるくらいの人情じゃありませんか!?

FBにこの3枚をアップしたら、いろいろコメントが集まったので、blogでもアップすることにしました。

 

この近くに、千寿小学校という学校もありなんです。

滝田ゆうさんの漫画に出てくるような少年がこの辺にいそうな気がしました。

 

お寺のお墓の塀です。

 

 

これこれ、落書きはいけません。

それにヒップホップ調の落書きにしたら下手すぎだし、カラーペイント単色はNGですよ。

 

さてお寺に行きました。「金蔵寺(こんぞうじ)」という名前のお寺です。

区の教育委員会が建てた看板がありました。

 

 

遊女たちが無縁仏として供養されている!

わたしはとにかく写真を撮りまくりましたよ。

 

 

無縁仏の塔。

 

 

仏様。

 

 

やはり無縁仏の供養の塔。

 

お寺の人に怒られるのを覚悟に塔の裏面の写真を撮りました。

 

 

 

 

 

ずっと信女の名前がつづきます。2枚目の写真、「松村屋」の文字が見えます。

きっと遊郭の名前なんでしょう。

 

永井荷風は遺言書に、無名の遊女たちの墓の間に自分の墓碑を建ててほしいと言っていたそうですが、

なんか、その気持ち少しわかります。わたしは次男で結婚歴なし、兄夫婦はちゃんと男児をもうけている。

無縁仏として供養してもらえるなら、何ら不平はありません。

しかし、荷風のような体験をわたしはまったくしたことがないのです(笑)。

 

かつての、文学上の師であるK先生は、

にんべんに夢と書いて儚いと書く、そしてそれは墓無いという意味のことなのだ、

とおっしゃってました。

 

南無阿弥陀仏、ありがたい、ありがたい。

 

 

 

 

 

 

 

 


昭和建築学会 第65回 北千住 12

2014年02月24日 | 建築

さる方から、抗議のメッセージをいただき、「古い」「ぼろい」……、という言葉に気分を害したとのこと。

そんなに使ってる言葉かなと思ったのですが、

「ぼろい」はそれほど使う言葉でもなく、

「古い」は愛着を込めて使ってる言葉だしやはりそれほども使う言葉でもない。

ただ、「貧乏な」というのは、案外使ってるような気がしています。

 

そもそも、「古い」建物を見つけて写真を撮っているのですから、

意見の食い違いはでてくるだろうなと想像しています。

来るべき震災の前に、残しておきたい映像というものはあるのです。

 

しかし、読んで不快を感じさせないような文面にして行きたいと思います。

 

 

包丁の専門店はよく見かけますが、なんと砥石の専門店。千住ならではかな?

 

 

隣家との境界はこのブロック塀跡なのでしょう。

消化器、こんなところにおいたら役に立たないと思うのですが。

 

 

実に端正な面持ちです。こういうきれいな物件も撮ることは撮るんですよ(笑)。

 

 

 

町中にして、立派な植木のあるお宅。

もう少し寄ってみました。

 

 

いの一番ってなんでしたっけ? 味の素みたいなものだとは思うのですが。

 

 

いの一番の裏側は、プラッシー!

元お米屋さんなのでした。

蜜柑の果肉というのか(?)、あれがプラッシーには残っており、こども心にすごくおいしそうに思えたものです。

 

 

今でも塩を商う権利を持っているということでしょうか?

塩の売買に関しては自由化されたのでは?

 

 

きれいに物干し台を作ってあります。

左下にいる人は、絵を描いているようでした。

写真と絵筆の違いこそあれ、似た趣味の人に会った気がしました。

 

 

器用に作られたガレージ。

 

 

お医者さんですが、何代もつづいてるのでしょう。

 

 

鉄の手すりや格子だけで、一つのコレクションができそうですね。

こういうのをみると、放っておけないのですよ。

 

 

お医者さんの一階部に戻ってきました。

特に必要性のない塀だと思いましたが……。

 

 

角には角にあわせた塀が。

 

 

これもレトロなつくりの手すり。

 

 

これも。

 

 

つくづく、下町だなあと思いました。

 

 

これは塀ではなく壁だったように思いますが、それにしても巨大すぎる。

 

 

玄関先の、名オブジェといったところでしょうか。

 

 

敷地にめいっぱいに建てるとこうなりますね。

赤い色がかなり目立ちます。

 

 

千住の旅も、そろそろ終わりに近づいてきましたが、まだ未公開の面白い写真も残してあります。

お楽しみに。