過疎で消えていった多くの夏祭り

　茨木神社の祭り、そしてフェスティバル、地域の夏祭りと子どもにとっては楽しい日々が続く。

　私の少年時代も夏休みは祭りとともにやってきた。中でも加世田・竹田神社の祭りは南薩摩で最大の夏祭りだ。

　竹田神社はうっそうと茂る多くの大木が背景にあり、境内も広く、その夏祭りも県無形民俗文化財の士（さむらい）踊り、年代別の奉納相撲、水車からくり人形など歴史的に引き継がれてきた。もちろん神社前には多くの店が並び、キャンディーやカキ氷でのどをうるおしながら楽しんだ。

　近くの唐仁原・慰霊塔下の祭りや大崎の八坂神社の祭りもにぎやかで、万世駅の前では婦人会が東京音頭や炭鉱節などを踊った。
　しかし祭りを担った商店街が過疎で活気を失うにつれて祭りはなくなり、しばらくして商店そのものも姿を消した。

　小学生の頃、クラスでどうしたら人口が減らなくなるのか議論したこともある。家族や親類で学校を卒業すると、その多くは県外、大阪・関西に就職し、薩摩万世駅からも集団就職の列車が兄弟姉妹、家族の見守る中、汽笛とともに出発していった。ホームドラマと無縁の生活が南薩摩の日常だった。自民党政権下で過疎の厳しさは増すばかりである。全国でも多くの祭りが消えたことだろう。

夏休み　吉田拓郎

雨に消えた初恋 　 カウシルズ


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