【医療にはシステム上の「余裕」が必要】
★安全率安全率(あんぜんりつ)とは、あるシステムが破壊または正常に作動しなくなる最小の負荷と、予測されるシステムへの最大の負荷との比(前者/後者)のことである。構造的な強度のほか、トルク、電圧、曝露量、薬品摂取などさまざまな負荷に対し使われる。安全率のことを安全係数(あんぜんけいすう)とも言う。文部科学省は学術用語として安全率を採用している[1]。英語では safety factor または factor of safety で、SF、FoS、FS などと略す。
例えば、10 kgf の荷物を置くための棚について、荷物を置くときの動作の勢いや、棚の上で荷物が偏った置き方をされる場合などを考えると、実際には10 kgf以上の荷重に耐えられるように設計しなければならないことは明白である。具体的には「耐荷重量: 100 kgf (安全率 2.5)」のように用いる。この場合、安全を保証出来る仕様上の耐荷重は100 kgfまでであるが、設計的な実力としては250 kgfまでは耐えられるという意味である。マージン (margin) は、安全率の同義語として使われることがあるが、本来は、安全率から1を引いた余裕部分を意味する。
★医療システム上の「余裕」=COVID19被災対応に取り組んだ事例>
〇倉持モデル仮設病棟、3/5 5:00コロナ応急仮設病棟の建設進む【動画】 宇都宮の倉持医院、仮設病棟は軽症から中等症までの患者が対象。プレハブ型で同クリニック隣接地に建設中。1人が入院できる個室10棟と、ナースステーションなどの関連棟9棟で構成する。総事業費は約1億円。国、県が予算の一部を補助する。
★医療システム上の「余裕」=2011年東日本大震災の被災対応に取り組んだ事例>
あの日、2011年3月11日 暗闇の宮古市にぽつんと明る い建物があった―。4階屋上に大型自家発電機を備える 同市大通1丁目の後藤泌尿器科・皮膚科医院(後藤康文院 長)には、大津波襲来直前に近所の住人ら30人前後が慌 てて逃げ込んだ。それぞれ巨大地震で思い出したのは、 74歳の後藤院長の「津波が来たら後藤医院に逃げろ」の 口癖。付近の人たちの合言葉になり、信念で築いた防災 ビルとともに多くの命を守った。同医院の隣で美容室を 営む女性(69)は「指定避難所に向かっていたら命がな かった」と、感謝が尽きない。大地震に津波襲来を予感。 従業員3人と、80代の高齢者の手を引き病院に入った。 指定避難所より医院を選んだのは理由がある。5年ほど前、医院南棟の増築工事中、ビルを仰ぎ見る後藤 院長に声を掛けられた。 「震度7、津波は20メートルまで大丈夫だ。ここがつぶれたら市内全部なくなる。何 かあったら来い」。「20メートル?…」。仰天するほどの数字が脳裏に刻まれた。 医院は飲食店の立ち並ぶ地域にある。院長は「田老地区は昔15メートルの津波が来た。俺は津波が来ても 4階で一人助かるぞ」とジョークを酒の肴にした。 万一のとき、患者だけでなくご近所も助けたい。そんな思 いがあった。 同医院は、いくつもの教訓を積み上げた防災ビルだ。自家発電装置を屋上に設置したのは60 年以上前のアイオン台風の体験がある。地域一帯が閉伊川河口からあふれた水で1階天井まで浸水した。 津波の時、医院に避難した近所の女性(65)は「電気があって不安は少なかった」と振り返る。患者やスタッフ を含め一夜を明かした約200人は電気と情報が保たれ冷静になれた。 建物には給水タンク3基と重油タン クも。大地震と大津波を想定した病棟は1・5メートルほど浸水したが、無事だ。カルテのデータを保管するパソ コンのサーバーを以前から4階に設置。阪神大震災、スマトラ沖地震…。医療が長期中断すると患者が死に直
『昭和の宇宙に咲くCS「さくら」の開発から学んだこと 「過疎地域における医療サービス拡充補完・補強の役割が期待される衛星通信」その4 -可搬型移動機及びハンドヘルド型移動機の自立電源用太陽光発電システムの動向―
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Space Japan Review, No. 78, February / March 2012
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By - NEWS ONLINE 編集部 公開:2021-11-16 更新:2021-11-16
東京都医師会・尾﨑治夫会長「民間病院がベッド提供できなかった理由」
東京都医師会会長の尾﨑治夫氏が11月9日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。第6波に備えた医療体制の仕組みについて解説した。
〇第6波へ備え、公立病院の病床は常に1700床確保
〇民間病院がベッド提供できなかった理由
飯田)「民間病院はベッドを提供しないではないか」などと言われた時期もありましたが、病院の成り立ちの違いなどもあったわけですね。
尾﨑)そうですね。もう1つは、東京都から「病床を確保してもらえませんか」という要請をされたときに、「軽症であれば診ることができます」とした上で、「ベッドをいくつ出せます」と報告した病院がありました。しかし、軽症ではなく中等症の患者さんが多かったわけです。そこで「中等症を受け入れるのは難しい」ということになったのです。
飯田)軽症であれば受け入れられるけれど、中等症の患者さんは難しい。
尾﨑)なぜかと言うと酸素を使ったり、看護師を常につけなくてはならないので、現実的には難しいのです。ですので、「軽症なら診れますよ」と届けていたところが、実際には動けなかった。これがあたかも「幽霊病床」という形で取り上げられてしまった側面もあると思います
〇医療にはシステム上の「余裕」が必要
飯田)コロナ前を考えると、日本において「伝染病」と呼ばれるような感染症はかなり抑えて来ていた。抑えて来た分だけ、「病床がいらないのであれば、無駄を省いてしまえばいいのではないか」という考えが広がっていた時期もありましたよね。
尾﨑)効率化や財源の問題など、いろいろな理由で絞って来たのですけれども、これからパンデミックはまた来ますので、余裕を持った体制が必要です。「医療にはある程度の無駄も必要なのだ」ということを国だけではなく、国民の皆さんにも理解していただけるとありがたいです。
飯田)「無駄」と言ってしまうと悪いもののようですけれど、システム上の余裕というか、ハンドルの遊びというか。まったくハンドルの遊びのない車が事故を起こしやすいのと同じで、削り過ぎると危ないということです。
尾﨑)そう思います。