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勝丸 円覚
勝丸 円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁し、2000年代はじめから公安・外事分野での経験を積んだ。数年前に退職し、現在は国内外でセキュリティコンサルタントとして活動している。TBS系日曜劇場「VIVANT」では公安監修を務めている。著書に、『警視庁公安部外事課』(光文社)がある。
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「外事警察」(警視庁公安部外事課)に2000年代から所属し、「スパイハンター」として活動を続けてきた勝丸円覚氏の新刊『諜・無法地帯 暗躍するスパイたち』が話題を呼んでいる。
発売直後から「街録ch」や「古舘伊知郎チャンネル」「コヤッキースタジオ」などに取り上げられ、「顔出しNG」の勝丸氏の衝撃のトークが繰り広げられた。勝丸氏によれば、日本国内にも外国のスパイの拠点があるというが……。
著書の中から、読者の反響が特に大きかった部分を特別に公開する。
〇住宅街に「大きなアンテナ」が…
中国政府の日本におけるスパイ工作では、こんな疑惑が各国大使館の情報機関関係者の間で話題になっていた。
中国大使館には、領事館以外にも関連施設がある。
スパイ活動に関連するものとしては、先に述べた教育処はそのひとつだが、実はさらにもうひとつ注視すべき施設がある。
東京都渋谷区にある、中国大使館恵比寿別館だ。
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東京都渋谷区恵比寿3丁目35-24
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この別館については、もともとヨーロッパの情報関係者たちから出てきた話だった。
ヨーロッパの中国大使館には必ず怪しい別館がセットで存在し、通信傍受を行っているはずだというのである。
<中国人がスイス空軍基地の隣接ホテルを購入#米最新鋭戦闘機F35の監視か2023/12/25(共同)トリビューン・ド・ジュネーブ
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ヨーロッパでは、それが情報関係者らの間ではよく知られているらしい。
日本でそれに相当するものが、この恵比寿別館だった。
そんな話は、中国を担当する外事警察でもそれまで聞いたことがなかった。そこで恵比寿別館を調べてみると、驚きの事実がわかった。
住宅街にあるその敷地を上空から見てみると、案の定、大きなアンテナが確認できる。
ところが、地上からそれを確認することはできない。
やはり通信を傍受しているようで、普段は日本語も英語もできない外交官が、一日一回、一人で別館に現れるのが確認されている。
〇日本の警察もガサ入れしにくい
しかも特筆すべきは、そこから半径1キロ以内に、台北駐日経済文化代表処があることだ。
この施設は中華民国駐日本代表処とも呼ばれている。
日本と台湾には正式な外交関係はないが、日本と台湾は、民間の機関という名目でこの代表処を東京に設置し、外交代表機構として機能している。要するに、台湾の大使館のような機能を持つ施設である。
中国大使館の別館では、台湾の代表施設の通信を傍受している可能性がある。それと関連しているかどうかは確定できないが、近隣住民からは、恵比寿別館の周辺では時々テレビ画像が乱れるなどの通信障害も報告されているのだ。
そもそも恵比寿別館は、外交施設として登録していないため、別館という看板を掲げることは許されていない。
それが勝手に、大使館関連施設だと看板を設置し、日本の外務省から何度も文書で抗議されている。
ただそんな文書にも無視を決め込んでいる。
なぜ勝手に看板を掲げているのかというと、実際には外交特権の不可侵権はその施設は対象にならないのに、特権があるかのように装うことで、威嚇をしているのだ。
もっとも、本当に通信の傍受をしているのなら、看板は掲げないほうがいいのではないかという見方もあるが、大使館の関連施設と看板が出されていることで、警察はガサ入れをしにくいという側面もある。
その看板が、家宅捜索はできませんよ、というメッセージになっているのである。
また、恵比寿別館のすぐ隣には中国の国営通信社の新華社もある。
〇外交官のスパイ活動が発覚
実はこれまでも建物の存在は確認されていたが、管轄警察署である渋谷警察署の外事担当がその施設の関係者にアポを取ろうとしても、いつも担当者が不在で、接触はすべて拒否されてきた。
私がこの情報を入手したことによって、警察庁警備局と警視庁公安部は、恵比寿別館に対する監視体制を作ることになった。
2015年5月に発覚した「事件」では、在日中国大使館の一等書記官・李春光氏が日本でスパイ活動を行っていたことが明らかになった。
彼は外交官の身分を偽り、外国人登録証明書を不正に更新するなどして、外国人登録法違反で起訴された。
それがきっかけで、鹿野道彦
<鹿野 道彦(かの みちひこ、1942年1月24日 - 2021年10月21日79歳没)は、日本の政治家。
衆議院議員(11期)、衆議院運輸委員長、農林水産大臣(第14、51・52代)、総務庁長官(第12代)、運輸政務次官、新党みらい代表、国民の声代表、民政党幹事長、民主党国会対策委員長、常任幹事会議長、副代表、自由民主党青年局長、総務局長などを歴任した。
父は衆議院議員を5期務めた鹿野彦吉。
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鹿野は農水相就任直後から農産物の海外輸出を推進し、特に中国に対しては筒井副大臣がその実務にあたってきた。
しかし、その運営には疑惑の目が向けられることがあり、2012年2月には衆院予算委員会で、鹿野グループに属する樋口俊一衆院議員の公設第一秘書(当時)が、農水省顧問を秘書の身分のまま就任し、社団法人を設立後、その代表理事に就任したことについて、自民党議員より「自作自演の天下りみたいなものだ」と追及されている[8]。
このときには大きな問題とはならなかったが、同年5月には中国の一等書記官がこの事業を通じて農水省の機密資料を入手したとの報道がなされ(李春光事件)、スパイ疑惑のある人物と接触したことで激しい批判を浴びた。
農水省は岩本司副大臣をトップとする調査チームを発足させ、一気に政治問題化した。
最終的には農水省の調査チームにより機密漏えいが確認されなかったことが報告されたが、直後の6月に行われた内閣改造で鹿野は留任せず、農水相を退任した(同時に筒井副大臣、問責決議を受けていた鹿野グループの前田国交相も交代)。
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元農林水産大臣ら日本政府内の要人たちが、李氏の口車に乗せられ、農産物や衣料品の対中輸出の特別枠を手に入れることができるという儲け話に引っ掛かってしまっていたことが発覚した。
しかし実際には、そんな儲け話は存在していなかった。
それどころか、李氏の本来の目的は、日本の農業政策に中国の意向を影響させることだったことが明らかになった。
この事件は日本と中国の外交関係に大きな影響を与えることになり、両国の信頼関係に亀裂を生じさせる結果となった。
日本政府は今後、外国の外交官による不正行為を防止するための対策を強化していく必要があると再認識させられる出来事だった。
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外国のスパイは日本国内で様々な活動を展開している。では、日本にとって最も脅威となる活動をしているのはどこの国のスパイなのか?『元外事警察が「日本に潜伏する『外国のスパイ』の脅威ランキング」を暴露!8位イスラエル「モサド」、7位韓国「国家情報院」…アメリカ「CIA」の意外な順位』に続く
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