2020年01月24日 12時00分 公開 、[Junko Yoshida,EE Times]
【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】
QualcommがNXP Semiconductors(以下、NXP)の買収を断念して1年半がたった。CES 2020では、半導体数社の幹部が「買収が実現しなかったことは、どちらの会社にもそれほど大きな影響を及ぼさなかった」と話していた。
Qualcommは、NXPなしで自動車事業の拡大を進めてきたのである。
一方、NXPもQualcommなしで、接続ポートフォリオを強化してきた。
NXPは2019年に、Marvell Technology GroupのWi-FiとBluetooth事業を買収した。
またNXPは、高精度な位置特定が可能なUWB(超広帯域無線)を推進している。
ただし、NXPはモバイル向けの技術や大規模なAIソリューションを持っていない。
Qualcommの自動運転車プラットフォームへの積極的な進出は、NXPにとって懸念材料になるのだろうか。これに対し、NXPのオートモーティブ事業部でCTO(最高技術責任者)を務めるLars Reger氏は、「それほどでもない」と答える。「当社は、NVIDIAやQualcomm、Kalrayといった企業が巨大なAI市場で競争を繰り広げることをうれしく思うだろう」(同氏)
完全な自動運転車の市場規模は、すぐに拡大することはないとみられる。同分野に向けた強力なAIチップの競争は、決して安価ではない7nmまたは5nmのプロセス技術の適用をどの企業も望んでいるため、より一層厳しいものになると予想される。
Reger氏は、「NXPは、自動車プラットフォーム以外にも注力する計画だ」と述べている。安全性やセキュリティ、ゲートウェイからドメインコントローラーやエッジノード/センサーに至るさまざまなソリューションなどにも注力する方針とみられる。
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