In the Green Breeze

緑の風日記

トトロの森

2007-08-01 14:43:38 | Weblog
昨日、東京現代美術館で、ジブリの絵職人男鹿和雄さんの展覧会を観てきました。さすがに話題の展覧会だけあって平日でもかなりの大盛況でしたが、みなさん割とじっくりと観ていたので、私もたっぷりと鑑賞を楽しむことができました。トトロや千と千尋、もののけや魔女の宅急便等、ジブリの代表作といえるほとんどの作品の背景美術を手がけていて、膨大な数の男鹿さんの背景画を辿っていると、映画のシーンをひとつひとつ追っているようで面白かったです。
背景画はほんとに緻密で綺麗で、トトロでの懐かしい空気の澄んだ田舎の雰囲気も、思ひでぽろぽろの山形の紅花畑も、もののけ姫の神秘的な森も、この男鹿さんの背景があったからこそあんなに人を感動させられるんだろうなって改めて思いました。
作品はほとんどが紙と水彩、そしてセルと時々セル絵の具で描かれていました。私は小学校以来水彩画はほとんど描いたことが無くて、大学でも油絵一本だったけれど、水彩でここまでリアルな絵が描けることに驚きました。しかも水彩だからこそ感じられる透明感や色の繊細さが男鹿さんの絵に非常によく合っていました。一枚一枚でも立派な絵になるのに、アニメーションだと一瞬で景色の一部として流れていくので、もったいないというかw、そのレベルをキープしながらそれこそ膨大な数の背景を何枚も何枚も描けるところが、ホントに尊敬に値すると思います。
アニメーションが出来るまでの流れとか、背景を3Dで重ねて実際にどのようにキャラクターと背景を動かしているかとかも紹介しているコーナーもあり、ほほほおおーーって感じでした。たとえばもののけ姫の中では、劇場の舞台背景のように、森の背景のセルを何層も奥に組み合わせて、アシタカが駆け抜けるシーンなどでその手法を利用しているようです。
ショップで男鹿さんの画集も買ってしまいました★あとでじっくりと観てまた楽しもうと思います。