A Moveable Feast

移動祝祭日。写真とムービーのたのしみ。

金沢32

2008年11月11日 | 旅の破片
浅野川左岸の主計町の茶屋街から、尾張町、彦三町の界隈へ移動すると、ある変化に気がつく。
通りが、町家と空き地とトタン張りの壁面でできているのだ。
町家が次第に取り壊され、駐車場になり、それに面した壁面にトタンが張り巡らされるという経緯で、こういう歯が欠けたような通りになったのに違いない。
トタン壁を横から見ると、家の見取り図のように見えるし、屋根は幾何学的な鋭角の線を描いている。
空き地の側の抽象化された空間と、時間と歴史を担った町家とが隣り合っていて、それがこの通りに独特なリズムを刻んでいるようだ。
こういう制御を欠いた通りと、町並み保存された町家の通りと、両方を歩けるのが金沢であって、そもそも時間について考えさせてくれる町である。