
(松阪城公園の藤棚)
<クリスチャントゥデイの記事から>
ぼくが10歳のときのこと、ひいおばあさんが
80を過ぎて、いよいよ最期が近づきました。
ある日、母と祖母を枕元に呼んで言いました。
「私は死んだらどうなるんか、分からんのじゃ。神主さんに聞いたが、神主さんも、『Kさん、
そこだけはじゃなあ、分からんのです』と言われたんじゃ。
ところで、あんたらの方では、そこはどうなっとるんかなあ」
そこで、母と祖母は飛び上がらんばかりに喜んで言いました。
「おばあさん、私らの方ではなあ、死んだらその日のうちに、
すぐに復活の世界、天国に入ることが決まっとるんですよ。
イエス様が十字架の上で、罪を悔い改めた強盗の一人に約束されたんです。
『今日、あなたは、わたしといっしょに、パラダイスにいる。』
おばあさん、クリスチャンは全員がじゃなあ、
その日のうちに天国に行けることが、決まっとるんです」
そうしたら、ひいおばあさんが言いました。
「そういうことなら、私もじゃなあ、あんたらの方へじゃなあ、
信仰を移らせてもらいてえがなあ」
こうして、牧師さんにキリスト信仰を告白した
ひいおばあさんはふとんに寝たままで、洗礼を受けました。
その日の夜、ひいおばあさんは、枕元に
お姉ちゃんとぼくを呼びました。
火箸のように細い右手を伸ばして、ぼくの手を
握り、左手で、お姉ちゃんの手を握って言いました。
「おばあちゃんは、もうすぐ、イエス様の天国に行くんじゃ。
天国はええところらしいから、あんたらも、早う来られよう」
その2、3日後、ひいおばあちゃんは、天国に召されて行きました。
ぼくは、子どもながらに、天国は遠いところじゃなく、何かすぐそこにあるような気持ちになりました。
田舎の村で初めての「賛美歌を歌う珍しい
お葬式」が自宅で行われました。