神宮が燃えた、ツバメが進出だ! セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)は31日、ファーストステージ第3戦(神宮)を行い、ヤクルト(リーグ2位)が巨人(同3位)に3-1で勝利。2勝1敗とし、中日と日本シリーズ進出をかけて争うファイナルステージ(2日開幕、ナゴヤドーム)進出を決めた。先発した赤川克紀投手(21)が七回途中5安打無失点と力投し、球団史上初のファイナルS進出に導いた。
神宮の杜が、異様な熱気に包まれた。地鳴りのような大歓声の中、傘が揺れる。これまで中日、巨人しか進出していなかったセのCSファイナルS。扉を開いたのは、21歳左腕の赤川だった。
1勝1敗で迎えた第3戦。ベテランでも緊張するマウンドで、大仕事をやってのけた。伸びのある直球を低めに集める。最大のピンチは五回一死一、三塁。「緊張で足が震えた」と振り返ったが坂本を二飛、寺内を空振り三振に仕留めると、雄たけびをあげた。
気迫のこもった104球で、七回途中5安打無失点。21歳3カ月でのポストシーズン勝利は、球団史上最年少だ。
宮崎商高から2009年ドラフト1位で入団。今季プロ初勝利を含む6勝(3敗)を挙げ、ラッキーボーイ的存在になった。宮崎市出身で「(民放の)テレビが2局しかなかったので、巨人戦があると見たい番組が見られなかった。だから、アンチ巨人です」。
「重圧がかかる中で赤川がよく投げてくれた。五、六回にピンチはあったけど、いい当たりはされていなかったから」
試合後、右翼席に向かって手を振った小川監督は開口一番、21歳をたたえた。シーズンでは最大10ゲーム差つけていた中日にリーグ優勝をさらわれた。2日からは、ナゴヤドームに乗り込んでその中日との最終決戦。敵地で借りを返し、本拠地に戻ってくる