倅が建てた別荘。 週末訪れると、まずやることは雑草の草刈り。 夏場は雑草の成長が著しく、これで1日が終わる。 別荘には雑草を刈るために行く、という本末転倒の毎日が待っている。
そこでワシに白羽の矢。 アメリカ在住のころ、薄茶色の禿げ庭を緑の芝庭に変えた経験を買われて、行ったら芝刈りだけすればよいような庭にして! とのご託宣。 電動式芝刈り機なるものも購入済みなのである。 ワシも毎日家で座して過ごすよりも、と買って出たわけでんねん。
まず、西側の傾斜地はこんな塩梅でんねん。
ここは芝床というよりも、好ましい草を生やしておいて、訪問時に刈り込みをする、という程度にしかできない。 これまで生えていた草は、めひしば、おひしば。 こいつらは秋になると三本指のような花序を開き、枯れるとそこから無数の種を落とす。 それらが翌年無数の新芽を伸ばす、という代物だ。 ほら、昔子供のころ、草相撲とかいって二人でこの草でわっか作って引っ張りっこして切れたほうが負け、なんてやったあの草です。
若草のころは刈り込めばきれいな緑なので、毎週訪れるのであれば、毎週刈り込めばきれいな緑の庭とすることができる。 めひしば、おひしばは共に一年草なので、穂を付けないように刈り込んでいれば芝生と同じような効果が期待できる。 一年草で穂をつけなければ種で増えることがなくなるのだから冬になれば枯れてしんでしまう、だから次第に減っていくはずだ。 よそから風でとんでくる種は別の話だが、同じように刈り込んでいけば次第に減る、と見込んでいる。 ま、減らんでもええけど。 付き合っていくしかない。 ちなみに家の西側の基礎周辺の土壌には風が運んだのだろう、こいつらの種が無数に寄せ集まっているのが目視できる。 西隣は広大な空き地で雑草を育てているようなもんだから種が来るのは仕方がないのだ。
訪れるのが、毎週が一週おきになり、月に一度になると、めひしば、おひしばの背丈は60㎝位に繁茂する。 そこで、ここにはトールフェスク(インフェルノ)という芝の種を蒔いた。 この芝はもともとは牧草の一種を改良したものだ。 多年草で匍匐(ほふく)根を増やして新株を増やす。 もちろん種でも増える。 放っておくと穂をつけて種をまき散らす。 トールフェスクも30㎝位に成長する。 おもにゴルフ場のフェアウェイ、サッカー場、法面緑化、等に利用されているものだ。 冬芝なので夏さえ水遣りを欠かさねば、一年中緑の法面を維持できる。
枯れためひしば、おひしばを刈り取り、トールフェスクの種を蒔いた。 最初土に散水し種がくっつきやすくして種を蒔いた。 その上から刈り込んだおひしば、めひしばの枯草を軽くふりまいて覆せた。 そしてさらに散水。 法面なので種が雨で流れないようにするためだ。
今は芽の出るのを待っている。 発芽が楽しみだ。 冬芝なので15度C以上の気温があれば発芽するはずだ。 アリンコや小鳥に食われても半分くらいは生き残るだろう・・・
発芽ってホントにたのしみなんだよ・・・