ハンディー機でFM 430MHZ帯、144MHZ帯を聞いていると、ザーという音が聞こえる。 これはアナログのFM音声に交じってデジタル信号の電波が入ってくる所為らしい。
現在のバンドプラン(周波数帯の中の割り当て表)では、デジタル信号はアナログ帯とは別の周波数区分を使うことになっている筈だが、知らずに区分を逸脱する人もいるらしい。
デジタル信号とは、C4FMという変調方式で作られたFM信号で、音声をデジタル処理したもの。 使う周波数帯域幅を狭くできる、とか、送信エラーを修正できる、とか、音声がアナログよりも綺麗に聞こえるということで、今主流になりつつある、みたい・・・
Wires-Xというインターネット経由の無線通信もアナログに加えてデジタル音声が浸透しつつある。
デジタルFMに興味があったので、それ用のハンディー機を買ってみた。 YaesuのFT2Dというモデル落ちした機械。 最新はFT3Dで約6万円する。 モデル落ちは2万円程度安かったのでこれにした。 それに、FT3Dの評価コメントで、FT3DはFT2Dに録音機能が付いた程度で、たいした機能変更はない、とあったので、自信をもってモデル落ちにした。 モデル落ちに人気があるのか、在庫切れのショップも散見される。 当然製造は終了している。
実は、がん保険を解約したら解約返戻金ってのが戻ってきたので・・・それを使わせてもらったの・・・車もやめて税金やら車検費用や保険金なども節約できたし・・・これでタバコをやめればもっと節約できるなあ~・・・コホン
・・・で、144MHZ帯と430MHZ帯をワッチ(聞いてるだけ~)してみたが、室内だからだか、どちらの周波数帯もあんまり通信が聞こえてこない。 430MHZ帯は、トラック野郎の電波がちょっと入る程度。
おきゃしいにゃ~・・・KenwoodのTH-79と4エレレープアンテナではもちっと頻繁に聞こえていたはずなんだが・・・だれも電波とばしてないんやろか?・・・場所が悪いのか?・・・アンテナの所為なのか?・・・
で、FT2Dにくっ付いてたアンテナをnanoVNAで測定してみたんだ。
結果は、430MHZ帯以外は何にも聞こえる筈がない、という数値だった。
nanoVNAのグラフを下に示します;
130MHZ-500MHZで測定。 430MHZ帯でやっとVSWR=1.9
ハンディー機についてくるアンテナのVSWRのパターンは、概ね同じような形をしていますね。
430MHZ-460MHZ VSWRは平均して1.2以下
144MHZ-146MHZ VSWRは、2桁・・・とんでもない値。
こりゃ一体どういうことなの????
144/430MHZ デュアルバンダーっていっているけど、片方のバンドは全く聞こえないアンテナがくっついているのよね。
つまり、標準アンテナは430MHZ用で、他のバンド用には別のアンテナ買ってね、ということなのか・・・(実は・・・そうなんよ)。 詳細は後日談または後日の投稿を見てね。
後日談(重要):
いやはや、ワシが悪かった。 考えが浅かった。
だいたい、八重洲無線ともあろう大手がそんなアホなアンテナを付けて売るわけがないよな。
実は、アンテナ内部にLCRの等価電子回路があって周波数によってアンテナ回路を使い分けているんだそうだよ。 特に、144MHZ帯では、ハンディー機を握って人体がアースになるという前提で送受信するようになってるそうなんだ。
だから、144MHZ帯では、上記のようなVSWRの測定では正しい結果は得られないということみたい。
だとすると、ハンディー機を台に乗せてスピーカーマイクで通信なんかすると、人体アースにならないから144MHZ帯では受信も送信も低効率ということかな?・・・(実は、そうなんよ)。
アンテナの長さってのは送受信する電波の波長と大いに関係するんだな。
430MHZの波長は約70㎝、144MHZの波長は約2m、と約3倍の長さの違いがある。 これを1つのトランシーバーのアンテナとして格納するには、いろんな工夫が必要になるわけだな。
うまいことにアンテナってのは、λ/2とかλ/4(λは波長)とかに同調するような性質がある。 だから430MHZ帯はλ/2(約35㎝)、144MHZ帯はλ/4(約50㎝)にして1本のフレキシブルアンテナとして組み込んである。 アンテナ線をコイル状にすると長さを短くしても機能するから、50㎝はさらに短くしてある。
ところが、λ/4波長のアンテナが機能にするにはアース(地球)をうまく利用しないとアンテナとしては機能しない。 アンテナのλ/4長とアースのλ/4長とで、λ/2となり、アンテナとして機能する。
だからメーカーは、いかにしてこの両者の違いをアンテナに仕組むかに苦慮するわけなんだな。
一般的には、こうなってるそうなんよ・・・
・430MHZ帯 λ/2の方式で作りこまれているから効率は悪くない。
・144MHZ帯 λ/4の方式で作りこまれているからアース部を人体(手)が受け持つことになっている。
いずれにしても、デュアルバンダーの144MHZ帯のアンテナの効率は、そのままでは、430MHZ帯に比べて、落ちることは間違いないようだ。
144MHZ帯のλ/4に関しては、簡単にグランドプレーン化することができる。 つまり、同じλ/4の長さのラジアル(アース線)を取り付ければ、そのアンテナはホイップではなく、グランドプレーンアンテナに早変わりする。 ラジアルは、時にカウンターポイズと呼ばれることもある。 機能は同じだ。
アドオンラジアルといって、λ/4長(144MHZは51㎝)のラジアル(アース線、電線、針金)をアンテナコネクタの外枠側に接触するように取り付ければいいだけなんよ。
そうすれば、アンテナ全体としては、半波長(λ/2)ダイポールアンテナ、または、1/4波長(λ/4)グランドプレーンアンテナ、と全く同じ働きになる。
取り付けたラジアルは、430MHZ帯に対しては害をあたえることはない、ときたら、つけっぱなしで、430MHZ帯も144MHZ帯も効率よく使えるってことになる。
いろいろ工夫して見たくなるよね・・・アンテナって。
下記URLに詳しく書いてあったので、読んでちょ
後日談、以上