
菅氏対東国原知事 民主、公開討論求める 福岡知事にも要請中 劣勢巻き返し狙う
民主党の菅直人代表代行は31日、道路特定財源の一般財源化などをテーマとした公開討論会を、全国知事会長の麻生渡福岡県知事と東国原英夫宮崎県知事に申し入れた。同党の暫定税率撤廃方針に反発する地方の首長を直接論破し、世論にアピールする狙い。麻生氏は「受けるかどうか検討中」だが、東国原氏は「応じる」と即答。「ガソリン論戦」は国会外でもヒートアップしてきた。
地方自治体の首長や議員らが「暫定税率維持」を訴える集会や野党国会議員への陳情攻勢を続ける中、民主党は対策本部を設置して対抗手段を検討してきた。
公開討論はその第一弾で、2月中に都内で開きたい考え。首長経験のある同党議員らも参加し「国への配慮で現職首長が話しづらい自治体の内情も語ってもらう」(党幹部)という。討論形式などは今後詰める。
菅氏は「国に財源ごとよこせというのは分かるが、国が地方をコントロールする(道路特定財源)制度を維持する方向での発言は、これまでの知事会の主張と大きく違う」と指摘。「地方分権の在り方も含めて議論したい」と述べた。
=2008/02/01付 西日本新聞朝刊= 2008年02月01日00時10分
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二階氏と菅氏の道路バトル過熱 自民、発言訂正要求も
2008年2月2日 『東京新聞』朝刊
自民党の二階俊博総務会長と、民主党の菅直人代表代行による「道路バトル」が過熱している。
菅氏は一月二十四日の記者会見で、元和歌山県議で民主党所属の大江康弘参院議員が、党の方針に反して道路特定財源の暫定税率維持を訴えている理由として、衆院和歌山3区選出で元運輸相の二階氏から選挙応援を受けている可能性に言及した。
三十日のテレビ朝日の報道番組でも、菅氏は「道路族のドンの古賀(誠・自民党選対委員長)さんや二階さんの顔を見ると、この(道路)利権だけは手放さないとの決意が表れている」と発言した。
菅氏の度重なる“口撃”に対し、二階氏は一日の記者会見で「利権という言葉でひぼうするのなら裏付けはあるのか。無責任な発言は許せない」と反撃した。
自民党は同日、菅氏の事務所に謝罪と発言の訂正を求める文書を送付。回答次第では法的措置も辞さない構えだ。
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出直し岩国市長選、3日告示 『中国新聞』'08/2/2
前市長の辞任に伴う岩国市の出直し市長選は3日、告示される。これまでに立候補を表明している前市長で無所属の井原勝介氏(57)と自民党の前衆院議員で無所属の福田良彦氏(37)の一騎打ちになる見通し。10日に投開票される。
井原氏は、旧市の住民投票などで示された民意を背景に、艦載機移転に一貫して反対。市民の「安全安心」を優先した国との協議を訴える。
福田氏は、移転容認派の要請を受ける。移転では「現実的な対応」と主張し、「争点は生活の身近な問題」として、財政再建などを展開する。
出直し市長選は、艦載機の移転に反対を貫く市の姿勢に対し、国が市庁舎建設の補助金を見送ったのが発端。補助金の代替として合併特例債を活用する予算案を市側は提案したが、容認派が多数を占める市議会が4度否決した。5度目の提案で、予算案の可決と引き換えに「再編の民意を問う」として、井原氏が昨年12月に辞職した。
市長選では、艦載機移転問題での国の姿勢に加え、市の財政状況なども問われる。ただ、最大の争点は移転問題とみられ、旧市の住民投票、合併直後の市長選に次ぎ、事実上、3度目の民意の選択となる。
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橋下氏VS前岩国市長 住民投票巡りバトル
「憲法勉強を」「国策だとモノ言えぬ」
米空母艦載機の移駐問題を巡り、大阪府知事に就任する橋下徹氏(38)が山口県岩国市での住民投票を批判したことに対して、前岩国市長の井原勝介氏(57)は1日、2度にわたる記者会見で「橋下氏は府民の声を大事にすると言っていたのに、国策だとモノを言えないのか」などと反論した。橋下氏は「憲法を勉強してほしい」と譲らず、地方自治の在り方を巡ってバトルを繰り広げた。
井原氏はこの日午前、地元での記者会見で「住民投票で住民意思が明確に示された」と主張。これに対し、橋下氏は府庁で「住民投票でなく市長が国にモノを申せばいい」と反論した。
これに我慢ならなかったのが井原氏。夕方に再度、記者会見を開き、「民意に基づき国にモノを申している」と応酬。報道陣から反論を聞いた橋下氏は、憲法を根拠に「全部を住民投票でやるなら議院内閣制はいらない」と断じた。
2006年3月の住民投票では、「移駐反対」が8割以上を占めた。3日告示の同市長選は、反対派の井原氏と、容認派が推す福田良彦・元自民党衆院議員(37)の争いになる見通し。橋下氏は福田氏支持を表明し、「国の防衛施策に、自治体が法律上の手続きを使って異議を挟むべきではない」と述べていた。
一方、橋下氏は1日、府職員らでつくる互助会への補助金(年間約18億円)を全廃する方針を表明。10年の上海万博のブース出展や、イベント「水都大阪2009」の予算計上を見送る考えを示した。(2008年02月02日 読売新聞)
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投票率70%超か 岩国市の出直し市長選 3日告示
米空母艦載機の岩国基地移転の是非を争点にした山口県岩国市の出直し市長選は3日、告示される。立候補を表明した前市長と前衆院議員が激しい前哨戦を展開、有権者の関心も高まっている。両陣営とも投票率は旧市郡合併後初の選挙となった前回2006年4月の65.09%を上回り、70%に届く情勢とみている。
■前哨戦過熱、関心高く 無党派層取り込みへ戦略
2日午後。移転に反対する前市長の井原勝介氏(57)を推す市議が呼びかけた集会は、市民会館の1400席に加え、立ち見も埋まり、ステージにまで支持者を立たせた。熱狂的な井原支援者の中高年を見渡しながら、後援会幹部は「告示前からかなり盛り上がってきた。市民の関心は高い」と明言。投票率を65‐70%と予想した。
前日1日は、同じ会場で容認派が推す前衆院議員の福田良彦氏(37)の集会もあった。こちらは小ホールを開放しても収容しきれず、作業服姿の男性らが廊下にあふれた。陣営幹部は「これまで無関心だった層、旧郡部にも浸透している。70%を超えるのではないか」と手応えを口にした。
旧岩国市の市長、市議選は1951年以降、無投票の際を除きダブル選だった。投票率も市長選は83年まで80%台を維持、87年からは70%台に落ち、その後も下落が続いた。前回は60%台にとどまったが、今回は告示前から盛り上がりがあり、70%台を回復するとの期待の声は多い。
井原、福田両陣営ともに政党推薦を受けず「市民党」を掲げるだけに、投票率アップで増える無党派層の取り込みを目指し戦略を練っている。
懸念材料もある。投票日の10日は3連休の真ん中で、天候もぐずつき気味が続いている。下関地方気象台は、2月は平年と同じ曇りや雨、雪の日が多いと予報している。
岩国市選管はPR用の懸垂幕や看板を市役所、支所など約30カ所に掲げた。市選管担当者は「今回は争点も明確で、全国から注目されている。1人でも多くの有権者に投票してほしい」と呼び掛けている。
=2008/02/03付 西日本新聞朝刊= 2008年02月03日00時19分
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【中国発-食の不安】
農薬濃度60~400倍 千葉で検出、包装前混入の疑い
2008年2月2日 『中日新聞』
中国製ギョーザによる農薬混入問題で、中毒になった千葉市稲毛区の無職女性(36)宅で回収された未調理のギョーザから、残留農薬基準をはるかに上回る濃度130ppmの有機リン系殺虫剤(農薬)「メタミドホス」が検出されたことが1日、生活協同組合連合会コープネット事業連合(さいたま市)が検査機関を通じて行った検査で分かった。一方、兵庫県高砂市の家族3人が被害に遭ったギョーザのパッケージには小さな穴が開いていたことが兵庫県警の調べで判明。警察当局などは、それぞれの農薬混入ルートの解明を進めている。
130ppmは、食品衛生法の残留農薬基準のニラ0・3ppm、白菜2ppmのそれぞれ430倍、65倍。ギョーザ1キロに130ミリグラムが混入していたことになり、コープネットは「ギョーザ1個当たりでは1・82ミリグラム程度。残留農薬とは考えにくく、製造・流通の過程で混入した可能性がある」と話す。
農林水産省によると、メタミドホスは、人間(体重50キロ)が1日の摂取で0・5ミリグラム以上を食べると、けいれんや下痢、吐き気などの中毒症状が出る可能性がある。
高濃度のメタミドホスが検出されたことから、千葉の例では原材料に付着した残留農薬の可能性は薄まった。また千葉県警は同日、同じ未調理のギョーザの皮と具からもメタミドホスを検出したと発表。袋に穴などはなく、包装前に大量の農薬が内容物にまで混入した可能性が高いとみている。
厚生労働省によると、過去1年間の検疫で、6件の残留メタミドホスを検出したが、濃度は0・04-0・6ppm。今回は例のない高濃度だった。
コープネットは、女性と二女(3つ)が昨年12月28日に食べて中毒症状になった食べ残しのギョーザの提出を受けて検査。微生物などの検査で異常がなかったが、母子側が「もっと検査をしてほしい」と要望したため、さらに7個の提出を受けて検査し、31日に結果が判明した。
一方、警察当局によると、兵庫の例は、原因となったギョーザのパッケージの側面に縦1ミリ、横3ミリの裂けたような穴が1つ開いていたことが、兵庫県警科学捜査研究所の調べで判明した。ギョーザを載せるプラスチックトレーの側面にも1ミリほどの穴があり、2つの穴は、位置がほぼ一致していた。
同県警などは「外側から内部に向け刺された跡とみられる。故意か過失か、その際に毒物が混入されたかは分からない」としている。穴が製造段階で開いたか、輸入後、販売段階で開いたのかも分からないという。
同県警は、パッケージを1月7日に入手。目で見た段階では穴は発見されず、毒物の鑑定を先に行ったため、結果として穴の発見に時間がかかったとしている。
千葉県警も、千葉市と市川市で、2家族計7人が中毒症状を起こしたギョーザの袋についてあらためて確認したが、穴は発見されなかった。
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中国製ギョーザ 新たに6袋から殺虫剤 『デイリースポーツ2/3』
中国製ギョーザによる中毒で、兵庫県警捜査一課は三日、同県高砂市の家族が中毒になったギョーザと同じ日に製造された同種製品六袋のパッケージ外側から有機リン系殺虫剤「メタミドホス」を検出したと発表した。うち一袋は表面に穴が開いていた。
実際に被害に遭った千葉市と千葉県市川市、高砂市の三家族と無関係の製品からメタミドホスが検出されたのは初めて。「べとついている」との苦情で昨年十二月末に返品されたもので、汚染製品がさらに拡大した。
製品は中国河北省の「天洋食品」が製造した「中華deごちそうひとくち餃子」。輸入、販売したジェイティフーズ(東京)を通じて食品商社「双日食料」(同)が回収したもので、県警が提出を受けた。中身のギョーザの鑑定を急ぐ。
調べでは、六袋はすべて未開封。昨年十二月二十八日にジェイティフーズ大阪支店に返却された後、一月八日に双日食料に持ち込まれたという。店頭に並んだかどうかは分かっていない。
穴の位置は、パッケージの左端。袋の折り目に近い場所の表裏に一つずつ計二つの穴があった。いずれも約一ミリ程度で、何かが貫通したように見えるという。ギョーザを並べるトレーに損傷はなかった。
高砂市の家族三人が食べて被害に遭った中国製ギョーザのパッケージとトレーにも穴が開いていた。
県警は被害が起きた製品と同じ昨年十月一日に製造され、兵庫県内で回収された同種製品の鑑定を進めているが、これまではメタミドホスを検出していなかった。
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*私の体験主義的回顧に拠れば、長野県へ高原レタスの出荷作業のアルバイトに行ったときのことであるが、或る日同僚の青年が出荷時一枚の新聞紙を無造作に破り捨てたことがあって、その行為を主人から厳しく咎められたことがあった。新聞紙はレタスを箱詰めする際上下2段の玉の緩衝材として中間に敷くものであり、これは各農家が農協からまとめて購入しているものであった。『古紙』というのは一度読まれた新聞だが使用されるのは『残紙』と言って一度も梱包を解かれることなく流通業者に引き取られた新聞紙である。
一般に農家というものは工業製品を事の他大切にする習慣があるのだなとそのときは思ったが、今中国の農村からは農薬の入っていた袋やボトルが、その辺の窪みとかに無造作に投げ捨てられているという映像も送られて来ていて、そういうことになると、文字通りの残留農薬が雨水、井戸水、農業用水等を通じて再び我々人間の口に入る可能性が増すわけであって、ここでも『農は追い詰められ荒んでいる』という感想を持たざるを得ないのである。
民主党の菅直人代表代行は31日、道路特定財源の一般財源化などをテーマとした公開討論会を、全国知事会長の麻生渡福岡県知事と東国原英夫宮崎県知事に申し入れた。同党の暫定税率撤廃方針に反発する地方の首長を直接論破し、世論にアピールする狙い。麻生氏は「受けるかどうか検討中」だが、東国原氏は「応じる」と即答。「ガソリン論戦」は国会外でもヒートアップしてきた。
地方自治体の首長や議員らが「暫定税率維持」を訴える集会や野党国会議員への陳情攻勢を続ける中、民主党は対策本部を設置して対抗手段を検討してきた。
公開討論はその第一弾で、2月中に都内で開きたい考え。首長経験のある同党議員らも参加し「国への配慮で現職首長が話しづらい自治体の内情も語ってもらう」(党幹部)という。討論形式などは今後詰める。
菅氏は「国に財源ごとよこせというのは分かるが、国が地方をコントロールする(道路特定財源)制度を維持する方向での発言は、これまでの知事会の主張と大きく違う」と指摘。「地方分権の在り方も含めて議論したい」と述べた。
=2008/02/01付 西日本新聞朝刊= 2008年02月01日00時10分
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二階氏と菅氏の道路バトル過熱 自民、発言訂正要求も
2008年2月2日 『東京新聞』朝刊
自民党の二階俊博総務会長と、民主党の菅直人代表代行による「道路バトル」が過熱している。
菅氏は一月二十四日の記者会見で、元和歌山県議で民主党所属の大江康弘参院議員が、党の方針に反して道路特定財源の暫定税率維持を訴えている理由として、衆院和歌山3区選出で元運輸相の二階氏から選挙応援を受けている可能性に言及した。
三十日のテレビ朝日の報道番組でも、菅氏は「道路族のドンの古賀(誠・自民党選対委員長)さんや二階さんの顔を見ると、この(道路)利権だけは手放さないとの決意が表れている」と発言した。
菅氏の度重なる“口撃”に対し、二階氏は一日の記者会見で「利権という言葉でひぼうするのなら裏付けはあるのか。無責任な発言は許せない」と反撃した。
自民党は同日、菅氏の事務所に謝罪と発言の訂正を求める文書を送付。回答次第では法的措置も辞さない構えだ。
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出直し岩国市長選、3日告示 『中国新聞』'08/2/2
前市長の辞任に伴う岩国市の出直し市長選は3日、告示される。これまでに立候補を表明している前市長で無所属の井原勝介氏(57)と自民党の前衆院議員で無所属の福田良彦氏(37)の一騎打ちになる見通し。10日に投開票される。
井原氏は、旧市の住民投票などで示された民意を背景に、艦載機移転に一貫して反対。市民の「安全安心」を優先した国との協議を訴える。
福田氏は、移転容認派の要請を受ける。移転では「現実的な対応」と主張し、「争点は生活の身近な問題」として、財政再建などを展開する。
出直し市長選は、艦載機の移転に反対を貫く市の姿勢に対し、国が市庁舎建設の補助金を見送ったのが発端。補助金の代替として合併特例債を活用する予算案を市側は提案したが、容認派が多数を占める市議会が4度否決した。5度目の提案で、予算案の可決と引き換えに「再編の民意を問う」として、井原氏が昨年12月に辞職した。
市長選では、艦載機移転問題での国の姿勢に加え、市の財政状況なども問われる。ただ、最大の争点は移転問題とみられ、旧市の住民投票、合併直後の市長選に次ぎ、事実上、3度目の民意の選択となる。
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橋下氏VS前岩国市長 住民投票巡りバトル
「憲法勉強を」「国策だとモノ言えぬ」
米空母艦載機の移駐問題を巡り、大阪府知事に就任する橋下徹氏(38)が山口県岩国市での住民投票を批判したことに対して、前岩国市長の井原勝介氏(57)は1日、2度にわたる記者会見で「橋下氏は府民の声を大事にすると言っていたのに、国策だとモノを言えないのか」などと反論した。橋下氏は「憲法を勉強してほしい」と譲らず、地方自治の在り方を巡ってバトルを繰り広げた。
井原氏はこの日午前、地元での記者会見で「住民投票で住民意思が明確に示された」と主張。これに対し、橋下氏は府庁で「住民投票でなく市長が国にモノを申せばいい」と反論した。
これに我慢ならなかったのが井原氏。夕方に再度、記者会見を開き、「民意に基づき国にモノを申している」と応酬。報道陣から反論を聞いた橋下氏は、憲法を根拠に「全部を住民投票でやるなら議院内閣制はいらない」と断じた。
2006年3月の住民投票では、「移駐反対」が8割以上を占めた。3日告示の同市長選は、反対派の井原氏と、容認派が推す福田良彦・元自民党衆院議員(37)の争いになる見通し。橋下氏は福田氏支持を表明し、「国の防衛施策に、自治体が法律上の手続きを使って異議を挟むべきではない」と述べていた。
一方、橋下氏は1日、府職員らでつくる互助会への補助金(年間約18億円)を全廃する方針を表明。10年の上海万博のブース出展や、イベント「水都大阪2009」の予算計上を見送る考えを示した。(2008年02月02日 読売新聞)
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投票率70%超か 岩国市の出直し市長選 3日告示
米空母艦載機の岩国基地移転の是非を争点にした山口県岩国市の出直し市長選は3日、告示される。立候補を表明した前市長と前衆院議員が激しい前哨戦を展開、有権者の関心も高まっている。両陣営とも投票率は旧市郡合併後初の選挙となった前回2006年4月の65.09%を上回り、70%に届く情勢とみている。
■前哨戦過熱、関心高く 無党派層取り込みへ戦略
2日午後。移転に反対する前市長の井原勝介氏(57)を推す市議が呼びかけた集会は、市民会館の1400席に加え、立ち見も埋まり、ステージにまで支持者を立たせた。熱狂的な井原支援者の中高年を見渡しながら、後援会幹部は「告示前からかなり盛り上がってきた。市民の関心は高い」と明言。投票率を65‐70%と予想した。
前日1日は、同じ会場で容認派が推す前衆院議員の福田良彦氏(37)の集会もあった。こちらは小ホールを開放しても収容しきれず、作業服姿の男性らが廊下にあふれた。陣営幹部は「これまで無関心だった層、旧郡部にも浸透している。70%を超えるのではないか」と手応えを口にした。
旧岩国市の市長、市議選は1951年以降、無投票の際を除きダブル選だった。投票率も市長選は83年まで80%台を維持、87年からは70%台に落ち、その後も下落が続いた。前回は60%台にとどまったが、今回は告示前から盛り上がりがあり、70%台を回復するとの期待の声は多い。
井原、福田両陣営ともに政党推薦を受けず「市民党」を掲げるだけに、投票率アップで増える無党派層の取り込みを目指し戦略を練っている。
懸念材料もある。投票日の10日は3連休の真ん中で、天候もぐずつき気味が続いている。下関地方気象台は、2月は平年と同じ曇りや雨、雪の日が多いと予報している。
岩国市選管はPR用の懸垂幕や看板を市役所、支所など約30カ所に掲げた。市選管担当者は「今回は争点も明確で、全国から注目されている。1人でも多くの有権者に投票してほしい」と呼び掛けている。
=2008/02/03付 西日本新聞朝刊= 2008年02月03日00時19分
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【中国発-食の不安】
農薬濃度60~400倍 千葉で検出、包装前混入の疑い
2008年2月2日 『中日新聞』
中国製ギョーザによる農薬混入問題で、中毒になった千葉市稲毛区の無職女性(36)宅で回収された未調理のギョーザから、残留農薬基準をはるかに上回る濃度130ppmの有機リン系殺虫剤(農薬)「メタミドホス」が検出されたことが1日、生活協同組合連合会コープネット事業連合(さいたま市)が検査機関を通じて行った検査で分かった。一方、兵庫県高砂市の家族3人が被害に遭ったギョーザのパッケージには小さな穴が開いていたことが兵庫県警の調べで判明。警察当局などは、それぞれの農薬混入ルートの解明を進めている。
130ppmは、食品衛生法の残留農薬基準のニラ0・3ppm、白菜2ppmのそれぞれ430倍、65倍。ギョーザ1キロに130ミリグラムが混入していたことになり、コープネットは「ギョーザ1個当たりでは1・82ミリグラム程度。残留農薬とは考えにくく、製造・流通の過程で混入した可能性がある」と話す。
農林水産省によると、メタミドホスは、人間(体重50キロ)が1日の摂取で0・5ミリグラム以上を食べると、けいれんや下痢、吐き気などの中毒症状が出る可能性がある。
高濃度のメタミドホスが検出されたことから、千葉の例では原材料に付着した残留農薬の可能性は薄まった。また千葉県警は同日、同じ未調理のギョーザの皮と具からもメタミドホスを検出したと発表。袋に穴などはなく、包装前に大量の農薬が内容物にまで混入した可能性が高いとみている。
厚生労働省によると、過去1年間の検疫で、6件の残留メタミドホスを検出したが、濃度は0・04-0・6ppm。今回は例のない高濃度だった。
コープネットは、女性と二女(3つ)が昨年12月28日に食べて中毒症状になった食べ残しのギョーザの提出を受けて検査。微生物などの検査で異常がなかったが、母子側が「もっと検査をしてほしい」と要望したため、さらに7個の提出を受けて検査し、31日に結果が判明した。
一方、警察当局によると、兵庫の例は、原因となったギョーザのパッケージの側面に縦1ミリ、横3ミリの裂けたような穴が1つ開いていたことが、兵庫県警科学捜査研究所の調べで判明した。ギョーザを載せるプラスチックトレーの側面にも1ミリほどの穴があり、2つの穴は、位置がほぼ一致していた。
同県警などは「外側から内部に向け刺された跡とみられる。故意か過失か、その際に毒物が混入されたかは分からない」としている。穴が製造段階で開いたか、輸入後、販売段階で開いたのかも分からないという。
同県警は、パッケージを1月7日に入手。目で見た段階では穴は発見されず、毒物の鑑定を先に行ったため、結果として穴の発見に時間がかかったとしている。
千葉県警も、千葉市と市川市で、2家族計7人が中毒症状を起こしたギョーザの袋についてあらためて確認したが、穴は発見されなかった。
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中国製ギョーザ 新たに6袋から殺虫剤 『デイリースポーツ2/3』
中国製ギョーザによる中毒で、兵庫県警捜査一課は三日、同県高砂市の家族が中毒になったギョーザと同じ日に製造された同種製品六袋のパッケージ外側から有機リン系殺虫剤「メタミドホス」を検出したと発表した。うち一袋は表面に穴が開いていた。
実際に被害に遭った千葉市と千葉県市川市、高砂市の三家族と無関係の製品からメタミドホスが検出されたのは初めて。「べとついている」との苦情で昨年十二月末に返品されたもので、汚染製品がさらに拡大した。
製品は中国河北省の「天洋食品」が製造した「中華deごちそうひとくち餃子」。輸入、販売したジェイティフーズ(東京)を通じて食品商社「双日食料」(同)が回収したもので、県警が提出を受けた。中身のギョーザの鑑定を急ぐ。
調べでは、六袋はすべて未開封。昨年十二月二十八日にジェイティフーズ大阪支店に返却された後、一月八日に双日食料に持ち込まれたという。店頭に並んだかどうかは分かっていない。
穴の位置は、パッケージの左端。袋の折り目に近い場所の表裏に一つずつ計二つの穴があった。いずれも約一ミリ程度で、何かが貫通したように見えるという。ギョーザを並べるトレーに損傷はなかった。
高砂市の家族三人が食べて被害に遭った中国製ギョーザのパッケージとトレーにも穴が開いていた。
県警は被害が起きた製品と同じ昨年十月一日に製造され、兵庫県内で回収された同種製品の鑑定を進めているが、これまではメタミドホスを検出していなかった。
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*私の体験主義的回顧に拠れば、長野県へ高原レタスの出荷作業のアルバイトに行ったときのことであるが、或る日同僚の青年が出荷時一枚の新聞紙を無造作に破り捨てたことがあって、その行為を主人から厳しく咎められたことがあった。新聞紙はレタスを箱詰めする際上下2段の玉の緩衝材として中間に敷くものであり、これは各農家が農協からまとめて購入しているものであった。『古紙』というのは一度読まれた新聞だが使用されるのは『残紙』と言って一度も梱包を解かれることなく流通業者に引き取られた新聞紙である。
一般に農家というものは工業製品を事の他大切にする習慣があるのだなとそのときは思ったが、今中国の農村からは農薬の入っていた袋やボトルが、その辺の窪みとかに無造作に投げ捨てられているという映像も送られて来ていて、そういうことになると、文字通りの残留農薬が雨水、井戸水、農業用水等を通じて再び我々人間の口に入る可能性が増すわけであって、ここでも『農は追い詰められ荒んでいる』という感想を持たざるを得ないのである。