本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

それでも納豆は健康食である。

2007-01-22 19:49:11 | 
関西テレビがおわび放送へ 納豆やせ効果データ捏造で
2007年1月21日(日)11:43 (共同通信)

 関西テレビ放送(大阪市)は21日、納豆のダイエット効果を取り上げた情報番組「発掘!あるある大事典2」(7日放送)に実験データの捏造(ねつぞう)などがあった問題で、同日夜、視聴者へのおわびを約5分間放送することを明らかにした。

同社広報部によると、21日午後9時から予定していた「発掘!あるある大事典2」は休止し、アナウンサーがおわびと経過説明をした後、後ろの情報番組「スタ☆メン」を繰り上げ、延長して放送する。

また、同社の視聴者情報部には、千草宗一郎社長が記者会見で陳謝した20日、苦情や問い合わせの電話が約30件寄せられたという。

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「発掘!あるある大辞典Ⅱ」公式サイトには01/21分放送中止のお知らせとお詫びがあった。

 そして以下が関西テレビ放送からのお詫びである。

2007年1月20日 視聴者の皆様へ 関西テレビ放送

1月7日(日)午後9時~9時54分放送の「発掘!あるある大事典II」第140回「食べてヤセる!!!食材Xの新事実」におきまして、番組内容に事実とは異なる内容が含まれていることが判明いたしましたので、お詫びを申し上げます。視聴者の皆様の信頼を裏切ることとなり誠に申し訳ございませんでした。
事実と異なる内容につきましては以下のとおりでございます。

1.  アメリカのダイエット研究の紹介におきまして、56人の男女を集めて、実験をしており、被験者がやせたことを示す3枚の比較写真が使われておりますが、この写真について被験者とは無関係の写真を使用いたしました。

2. テンプル大学アーサー・ショーツ教授の日本語訳コメントで、「日本の方々にとっても身近な食材で、DHEAを増やすことが可能です!」「体内のDHEAを増やす食材がありますよ。イソフラボンを含む食品です。なぜならイソフラボンは、DHEAの原料ですから!」 という発言したことになっておりますが、内容も含めてこのような発言はございませんでした。

3. 番組で実験を行った8名の被験者について、放送では「中性脂肪値が高くてお悩みだった2人は、完全な正常値に!」とコメントし数字をスーパーしておりますが、コレステロール値、中性脂肪値、血糖値についての測定は行っておりませんでした。

4. あるあるミニ実験として、納豆を朝2パックまとめて食べた場合と、朝晩1パックずつに分けて食べた場合の比較実験ですが、血中イソフラボンの測定は行っておらず、比較結果は架空のものでした。

5. 番組で実験を行った8名の被験者について「体内で作られるDHEAは20代をピークに減少、食べ過ぎや運動不足によってDHEAの量が低下している可能性があるのだとか!20代から50代の男女8人の血中DHEA量を測定。さて結果は?」として22歳OL、25歳会社員、37歳会社員のDHEA量を測定し年齢の基準値と検査結果をテロップ表示で比較をおこなっておりますが血液は採集をしたものの、実際は検査を行っておらず、数字は架空のものでした。また、ここで使用している「DHEA分泌は加齢とともに低下する」ことを示したグラフは許可を得ずに引用いたしました。

また、アメリカのダイエット研究の紹介部分について、あたかもテンプル大学のアーサー・ショーツ教授が行った研究と受け取られる構成になっておりました。この研究はワシントン大学のデニス教授の研究であります。
尚、1月21日(日)放送につきましては休止いたしますのでご了承ください。
以上

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一転嘆きと憤り、茨城の納豆今度はキャンセル続出
2007年1月22日(月)13:21 (読売新聞)

 全国の納豆生産量の約5割を占めるとされる茨城県では、大手メーカーの品不足を穴埋めするため大口の注文が入っていた中小メーカーにキャンセルが入り、廃棄処分がでかねない状況だ。
 日立市の業者は、7日の番組終了後、スーパーからの注文が通常の7、8倍になり、土日返上で生産していた。しかし、20日に番組内容のデータ捏造が発覚して以降、スーパーからの注文が止まった。業者は「納豆は発酵させて出荷するまで3日かかり、先を見込んで製造していた。ずいぶん在庫がかさんでいる。賞味期限が過ぎたら処分するか、お世話になっている人に差し上げるしかない」と嘆く。

 別の業者でも20日以降、大口注文がキャンセルになった。同社は「これまでに作ったものは引き取ってもらえることになったが、注文を受けて大量に確保した大豆や容器などの保管場所の確保に頭が痛い」と憤っていた。

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 以上引用終わり。
 後の方は「賞味期限」絡みで作り過ぎた分は廃棄するしかない(?)というニュースである。「売れるとなれば限度まで大量生産し、売れなければ捨ててしまう」という、現代はそういう時代なのである。「生産」は「投機」と紙一重のところで日々決行されて行くのだから「売り抜けられたらおめでとう」なのである。

 さて、一時復活したとされる所謂「和食ブーム」だが、今はどうなっているのか。
 海洋国家の民たる我々は食の味覚には海産物を中心に据えた「だしの文化」でやって来たようである。昆布だし、鰹だし等、海産物に含まれる各種アミノ酸から「旨味」を引き出すという食の方法は近隣中国・韓国ともいささか違う、無論おフランスを筆頭とする「西欧料理」とは大きく違う食文化のようである。

 cf.日本料理

 魚に多く含まれるDHAの効用は未だに持て囃されていて「魚を食べると頭が良くなる」とまで言われる。

 *和食普及研究会にはDHAに関して以下の記述があった。

   DHA (ドコサヘキサエン酸 C22:6.n-3.)

 1989年、英国脳栄養化学研究所の教授マイケル・クロフォード博士が「日本人の子供が欧米人の子供と比較して知能指数が高いのは、日本人が昔から魚を多く食べてきた食習慣によると考えられます」と発表して話題となりました。
 私たちの脳にはDHAがたくさん含まれていて、脳の発達に必要不可欠で、脳神経細胞の情報伝達をスムーズにする作用があるとされています。すなわち、脳の神経細胞から伸びた突起、ニューロンが他の神経細胞と結合している部分をシナプスと呼びますが、このシナプス膜からアセチルコリンが分泌されて隣のニューロンに信号を伝えることで、情報が伝わります。
 アセチルコリンの分泌が良ければ、情報の伝達はスムーズにいくのですが、このシナプス膜にDHAが多いほど膜は柔らかくなり、その結果アセチルコリンの分泌が多くなり、情報伝達もスムーズにいくと考えられています。

 魚介類の脂質に多く含まれていて、牛肉や豚肉などの畜肉にはほとんど含まれていません。体内では脳に多く分布しています。
 DHA、EPA(エイコサペンタエン酸)などのnー3系列の多価不飽和脂肪酸は血液中のコレステロール濃度を低くして、動脈硬化などの心臓血管系の病気になりにくくする働きや血液をかたまりにくくする働き、炎症を抑える働きがあります。
 DHAが多く含まれている魚にはマグロ(脂身)、ブリ、サンマ、ウナギ、マイワシ、イクラなどがあります。
『いわし』NHK出版

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 *和食の復権期には「脳卒中でぽっくり死ぬのと癌で全身を侵されてのたうち回って死ぬのとどっちが幸福か」という議論もあった。肉食中心の欧米と、塩分摂り過ぎの日本人とでは「死に至る病」が自ずと異なっていたのである。今日本人の死因としては脳卒中・脳溢血は減り、胃癌その他の癌は増えた。女性の肌のしみ・そばかすも当然増えている。

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 *現代社会では欲望は作られている。日々拡大再生産され続けるのは個々の商品である前に「欲望という名の心理状態」である。昔だってそうだったと言われるかも知れないが、規模がまるで違う。数人のスタッフで気ままに作られた番組でも数十万~数百万の人達が視聴してしまう。

 欲望は日々煽られている。この「ゲーム」に追随しない者は学校でも職場でも孤立してしまうかも知れない。
 では「捏造」がなければ何を煽ってもいいのか。真実のみで構成された番組なら何を喧伝しても構わないのか。
 そうではないだろう。
 では煽られる方が馬鹿でアホで救いようのない烏合の衆なのか。それも違う。

 《要は「システムの問題」であると言いたいだけのことであって(笑)制度・システムが人倫の力の及ぶ限りの問題であるならば「命題が提起された時点で既に問題解決の端緒は示されている」わけであるが、ちなみに私がよく引用する故埴谷雄高氏の「敵は制度、味方はすべての人間」では「制度」は我々の存在様式にまで拡張して考えられているため、我々が通常決め付けているような(?)「制度は所詮人間が作ったもの」という定義には収まらない。》

 政治の世界でも扇動は付き物である。
 付和雷同型の群集心理を巧みに政治に利用したのは何もヒットラーに限らない。
 ポチもそうだ。

 この問題も広く深いが、いずれにせよ納豆味噌豆腐醤油も、みんな世界に誇り得る日本の食文化の強力なラインアップの一角であることに違いはない。


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