本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

謹賀新年と・・。

2012-01-15 19:39:50 | 社会
1.この国は大震災の難を逃れた被災者らが改めて(!)自殺してしまうというあまりにも情けない絶望的な「国家」である。国家が自らの国民の差し迫った窮状を救えない、救おうとしないのである。担当する者たちにとってそんなものはあくまで他人事であって、彼らには自分の俸給、自分の老後の心配・・等々の方が先に立つのである。

 地震?津波?自然災害?そんなものは今の財政では到底手が回らないから、取敢えず(!)自己資金を調達しろ、それなら少しは考えてやる、文無しでは何ともならない、最低1,500万円だ・・神戸淡路の震災大火災の際も、昨年の東北を襲った根こそぎの大災害の際もそうである。
 結果どうなったか。「ワンストップ」を望む被災者の多くは「二重ローン」に追い込まれ今後「借金返済」のためだけの後半生に邁進することになる。私は自然災害であろうと戦争による被災であろうと、国家には自国民の防衛・防御と災害からの復旧・復興には緊急・全面的・無条件に無償で応じる義務があると考えるがどうだろうか!?
 つまりは「自国民の窮状を救えないで何が国家か!?」という当たり前の話である。
 根源的な財政縮減を始めとして、自分たちの俸給・ボーナスなどは一切合財国家へ返却し、私財も邸宅も全て売却して国家に返納、無論天下りは根絶、議員役人は俸給カットの上定数が500というなら300以下にまで削減して「ここまでやりましたが駄目でした、足りません」というなら国民だって全然納得しないわけもない。
 
『千年に一度の災害』という言葉が、政府・官僚・東電らの言い訳・言い逃れにご都合主義的に使われている。昨年3/11以降の国難は、「あれは千年に一度の事態なんだから対応が遅れても当然だ、金や資材が足りなくても人員の配置が遅れても当然だ』・・という姿勢で彼らは一貫して接して来た。大日本国万歳!である。

 今威勢のいい連中は現下の「円高・ドル安ユーロ安」を逆手にとって事実上実質上の「円本位制」を敷いてしまえ!そして世界に君臨せよ・・云々と意気軒高であるが、現行の円高が欧米の世界支配続行目的の陰謀であることを思えば、私など枯れてしまった人間にしてみれば、せいぜい、幾星霜過ぎた後「昔この辺りには日本という国があったんですよ」などと言われることのないよう祈るだけである。 

2.国土保全と言う。国土を持たない国家はない。在日米軍基地の3/4を負担させられている沖縄も、自衛隊の防衛力の拡充も、皆国民と国家領土の保全を目的としていると標榜されている。自衛隊はともかく、沖縄の米軍基地などはアメリカの都合で作られ運営されている軍隊であり、(地元住民が煩いから!)統治はお前らでやれと突っ返された「領土」である。

3.月収が7万円台という幼児2人を抱えたシングルマザーの家庭をテレビが取材していた。家賃等必要経費を除くと一家三人の食費は2万円になってしまい、昼食は抜きかカップラーメンひとつになるそうだ。2万円ではその辺の親父が一晩で飲んでしまう額に過ぎず、貧困層の暮らしはますます貧しくなる。そこへ持ってきて消費税の倍増である。そんなものに「不退転の決意」だというからひどい。
 が、私よりは極貧生活に詳しい某友人によれば、月2万円ということは日割りにして700円だから絶望的に苦しいというわけではないとのことである。
 それでも、その収入で昼にカップラーメンというのは贅沢で(!)食べるなら袋ラーメンにして、それなら卵も野菜も臨機応変に使うことが出来る。もっと言うなら即席麺ではなく生麺を使って自分で味付けした自家製麺の方が安上がりでおいしいというのである。結局は「自炊の薦め」ということになるのだろうか。ゴッホの「馬鈴薯を食べる人たち」の話などもしていた。ジャガイモが比較すれば安いのだそうで、サツマイモその他は高いらしい。
 栄養学的にはお菓子を食べる位ならカロリーメイトにし(!)、清涼飲料水ならポカリスエット・アクエリアス等のスポーツドリンクにした方が幾分マシというのであるが・・。

 最近すき家は牛丼の中盛りというのを始めた。一杯380円である。その分従来の並盛280円は量が減ったように感じた。松屋を除く各チェーンは安売り競争からそろそろ撤退を開始し、商品の多角化・付加価値の添加に体重を移行し始めた。松屋は元々が多品種の店だった。ここは今牛丼一杯(今だけ)240円というセールをやっているが、人件費光熱費原料費流通費etc.を考えたら、いったいどれだけの利益をそこから導けるのだろうか?

4.大晦日の平田出頭は何度も「冗談だろう?」と追い返し、身柄確保した台湾の殺人容疑者には眼前で自殺され、広島刑務所からは受刑中の長期刑務者に脱走された。今や官憲はボロボロなのか。

5.原発 緊急情報(32) プルトニウムの毒性

(メールのご質問に十分にお答えできず誠に申しわけありません。今のところは全数を読んでおりますので、順次ブログでお答えしていきたいと思います。ここではご質問も多かったプルトニウムについて解説をしたいと思います)

今回の福島原発では、1号機、2号機、4号機が通常のウラン燃料を使っています。ウラン燃料というのはウラン235を核爆発させるもので、多くの原子炉で使われているものです。

これに対して3号炉は、プルトニウムという元素を燃料に使っています。これはウラン235を核爆発させますとプルトニウムはできますので、それを回収して再度、燃料として使うのです。

つまり、普通のウラン235の燃料の時には4.5%程度のウラン235の純度で燃料として使うのですが、プルトニウムは9%程度で使用します。

また少しややこしいのですが、ウラン235燃やすとプルトニウムができます。お役目が終わって燃料を取り出すときにはある程度のプルトニウムを含んでいます。

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ところで、プルトニウムがなぜ問題かというと、一つにはプルトニウムというのは自然界にはない元素でウラン235の核爆発で作られます。第2番目はプルトニウムには非常に強い毒性があるという考えられていることです。

大震災と福島原発の事故の後なので、これまで話を控えていましたが、広島の原爆がウラン235、長崎の原爆がプルトニウムでした。

そこで今回、万が一、3号炉が水素爆発したときに、プルトニウムの飛散が予想されますので、それに対して事前に準備をしておくべきかどうかを中心に話をしたいと思います。

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プルトニウムの毒性は次の三つです。

1. 放射線が強い、

2. 放射線の中でも体の表面や内蔵の表面を損傷する、

3. 人体へ特別強い毒性を持っていると言われている。

わたくしがウラン濃縮の研究をしている当時、プルトニウムの毒性を知ることが大切だったので、かなりの量のアメリカの文献を読んだことがあります。

ウランが核爆発をする条件とか、プルトニウムの毒性の基礎的な研究は、第2次世界大戦時代のアメリカに最も多く、特に初期の研究では研究者の死につながるような事故等も伴いながら研究をしています。従って、その時代の文献はとても大切です。

また長崎原爆、チェルノブイリ等、関係する資料も比較的整理されています。

それらによると、プルトニウムの特性は次のように考えられます。

1. 放射線は強いのですが、放射線の量を常に測定して管理しておけば、他の放射性物質と同じと考えられる、

2. 放射線の中でも体の表面や内臓の表面を損傷する特徴があるが、これもプルトニウムばかりでなく他の放射性物質でもその程度は同じ、

3. プルトニウムだからといって人体に特別な毒性はない。

1.や2.はすぐ理解できると思います。まず外から来る放射線は人間にとって「どの放射性物質から出ている放射線か」かということをわかりません。放射線の種類やエネルギーによって人体に対する影響が決まるだけです。

プルトニウムか体内に入った場合ですが、ほとんどは口から入ったら、胃や腸を通って比較的早い時期に排泄されます。その時に、消化器官の表面に放射線があたりますが、これもプルトニウム以外の放射性物質と同じです。

このようなことから、プルトニウムだから毒物だということないというのがわたくしの判断です。

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このようなわたくしの判断は今までも機会のあるときに、話してきましたが、それに対して、主に原発反対派の人から強い反論があります。

それはプルトニウムの毒性は特別で「角砂糖5ヶで日本人が全滅する」と言われます

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わたくしは責任ある立場でしたから、事実を調べるために、随分文献を読んでみましたが、このような毒性を見つけることはできませんでした。

科学的事実に賛成派も反対派もないのですが、この件についてはわたくしは「推進派」と同じ考えです。繰り返しますが、科学的事実には推進派も反対派もありません。ただ国民の健康だけを考えて判断する必要があります。

それなのに、「プルトニウムの毒性」という問題を、科学ではなく思想の問題に置き換えてしまうことが、これまでこの問題がハッキリしなかった原因です

.

おそらくこのブログでも、ここで「プルトニウムの毒性は特別なものではない」と書きましたので、「武田はけしからん」という反論もあると思いますが、プルトニウムの毒性は科学的事実ですから微量のプルトニウムによって、大きな損傷を受けたという医学的事実が必要なのです。

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ところで、「プルトニウムの毒性は特別である」という考えに対して、2006年に電気事業連合会が反論を出しています。

ただ、電気事業連合会の普通の説明と同じで、「プルトニウムを燃料に使うことは安全である」ということを繰り返しているだけで、厳しく言えば答えになっていないという面があります。

少なくともプルトニウムの毒性に対して心配している人がいるのですから、形式的な答えではなく、実質的に踏み込んだ答えをしていればプルトニウムに対する不安感はかなり弱まったと考えられるからです。

わたくしはこのブログで常に国際放射線防護委員会 (ICRP)の勧告に基づいて作られた日本の法律の考え方と数値を使っていますが、それによると、プルトニウムはごく普通の放射性元素として分類されています。

わたくしがウラン濃縮研究をしているときに、ウランとプルトニウムの人体内での振る舞いがかなり似ていることを知りました。

ウランもプルトニウムも、

1) 比較的、消化器表面を損傷する放射線を出すこと、

2) 人間にとってウランもプルトニウムも必要のない元素なので口から入ったら比較的短時間で排泄されること、

3) ウランやプルトニウムは腎臓に行きますが、それは排泄のためであり、だから早期に排泄されること、

4) ウランを間違って飲んだ例では、障害がでていないこと、

等です。

生物関係の方面ではよく知られているように、「人間は必要なものは取り込み、不必要なものを排泄する」という機能を持っています。

例えば人間の血液に必要な「鉄」を考えますと、鉄の放射性同位体が体の中に入ると、人間の身体は「放射性かどうか」を見分けることができないので、その鉄を体に取り込んでしまいます。

体に取り組むとそのあとずーっと放射線を浴びることになります。

逆に、ウランが入ってきてもどこに使っていいかわからないので、すぐ排泄してしまうのです。

このように、ウランやプルトニウムが人間に対して強い毒性を持たないのは、人間が使う元素ではないということが決定的な理由だとわたくしは考えています。

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従って福島原発からプルトニウムか飛散しても、これまで通り放射線の強さに注意していれば大丈夫ということになります。

プルトニウムを燃料に使う3号炉について、わたくしはこれまで、危険度を他の号機に対して2.5倍にしていました。この理由は、第1にプルトニウムの特性をもう一度調べてみようと思ったこと、第二に燃料の中の放射性物質の状態がウラン燃料と違い、やや危険側にあるということで、2.5倍をかけていました。

現在でも3号炉については、やはり2.5倍程度の数字は必要と思います。これはプルトニウムを燃料とする軽水炉の大事故が初めてであるということです。

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3号炉に関する最終的な結論は、「注意しておかなければいけないが、決定的にわたくしたちの健康に影響を及ぼすものではない」ということです。

(平成23年3月27日 午前8時 武田邦彦執筆)

cf.プルトニウム

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