1.第32作 1983年(昭和58年)『口笛を吹く寅次郎』
マドンナ役は備中高梁のお寺の出戻り娘・竹下景子である。この人は寅さんのシリーズで3回だったかマドンナ役を演じている。監督の受けが良かったんだろうか?w
備中高梁と言えば私がこの秋小旅行した際通過した場所だが、私の場合乗り換えの待ち時間を利用してほんのちょっとだけ駅前に出ただけなので、町の広範な様子など覗うだけの余裕はさらさらなかったが、駅前に『男はつらいよ第32作撮影の地』という看板があったので撮って来た。
『ご当地もの』と言っても山田監督の場合、細部に亘って熱心に描写するときとおいしいところだけさっと流して撮るときと二通りあるように思う。この第32作の高梁は描写が詳しい方だろう。ともあれ『男はつらいよ』シリーズは日本全国ふるさと巡りの映画なのである。
男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎(1983) - goo 映画
2.あかね空
あかね空 - goo 映画
今年3/31公開のこの映画は期待していた程には面白くなかった。本が悪いのか監督が悪いのか、或いは両方が悪いのか不明ながら、何を言いたいのかさっぱり伝わって来ないから『で、だからどうしたの?!』ってなもんである。幼少時祭りで賑わう浅草永代橋の上で迷子になった男が成人後は闇の『親分』となって活躍する話(?)ではなく、京風の豆腐を深川で売り始めた豆腐屋一家の物語だが、個々の人物描写が甘いから私には全てが中途半端という印象だったのであるが・・↓ 以下goo映画によると:
江戸は深川蛤町。職人たちが多く暮らす長屋が並んだ裏町で、井戸から汲み上げた水をじっと眺めている旅姿の男―京の豆腐屋で修行し、江戸で店を持つためにやってきた永吉は、近くに住む桶屋の娘おふみと出会う。お互い惹かれ合うものを感じた二人は、京の豆腐を江戸で売り出すために力を合わす。影で見守る清兵衛とおしのは、幼くして行方知れずになった息子を永吉に重ね合わせ、何かと力になるのだった。そして18年の時が流れ…。
原作は、江戸を舞台に数々の人情味溢れる時代小説を発表している山本一力。市井の人々の人間模様を細やかに描写した原作の魅力はそのままに、映画では所々にVFX映像を用いながら迫力のある“江戸の風景”を見せてくれる。再現された当時の深川の町並みや隅田川に架かる永代橋の全景は、物語にリアルな迫力を生み、観るものをあたかも200年前にタイムスリップさせてくれるかのようだ。主演の内野聖陽の硬軟演じ別けた(2役を演じる)名演ぶりは、まるでしゃきっと腰のある江戸前木綿豆腐と、柔らかい京風豆腐の違いを表しているかのようで楽しめる。
↑ とまあ、ベタ褒め(?)だから、これは見解の相違というものである。w
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薬害肝炎が全面解決 原告、法案に合意 全訴訟和解手続きへ
薬害肝炎被害者の救済法案をめぐり、与党プロジェクトチーム(PT)と原告側は28日、国会内で協議し、法案骨子と和解基本合意書の骨子案について合意した。鈴木利広全国弁護団代表は「われわれの意見はすべての項目について、しっかり入っている」と述べ、今後、東京、大阪、仙台、名古屋、福岡の各地裁、高裁で順次、和解手続きに入る方針を表明。同訴訟は提訴から5年ぶりに全面解決することになった。
同日、鈴木代表とともに記者会見した川崎二郎PT座長(元厚生労働相)は「弁護団の努力に敬意を表したい」と述べ、原告側と全面的に合意できたことを強調。法案には野党も同意する見通しで1月上旬にも成立することが確実となった。
法案の骨子は、国と製薬企業が血液製剤フィブリノゲンと第九因子製剤の投与によるC型肝炎ウイルス感染者に対し、肝硬変・肝がん(死亡を含む)4000万円、慢性肝炎2000万円、未発症者1200万円を給付金として支払い、給付のための基金を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(東京)に設置するとしている。
対象となる患者は約1000人で、給付金の総額は約200億円に上る見通し。
投与事実や感染との因果関係は裁判所が判断。給付金の請求は法施行後5年以内とし、給付から10年以内に症状が悪化した場合は差額が支払われる。焦点だった国の責任と謝罪については、前文に「甚大な被害が生じ、被害の拡大を防止し得なかったことについて責任を認め、心からおわびすべき」と明記。鈴木代表は「極めて明確に責任を認めていただいたと理解している。われわれの満足のいくものだ」と評価している。与党は野党との協議を1月4日ごろに始め、7日に国会に提出、成立を目指す。
基本合意書は国との和解条件を詳細に示したもので(1)和解内容(2)被害の認定方法(3)再発防止策(4)追加提訴の扱い‐の4項目が柱。1月中にも国、製薬企業と原告が正式に取りまとめ、その後、和解手続きに入る。
■原告の要望 最大限反映
【解説】一時は和解協議が暗礁に乗り上げた薬害肝炎訴訟が28日、全面解決することになった。原告側が一貫して求めてきた「全員一律救済」と「国の責任と謝罪」の2点が、与党の救済法案骨子に最大限反映されたためだ。
法案づくりで焦点だったのは国の責任をめぐる表現。前文に「甚大な被害が生じ、その拡大を防止しえなかったことについて責任を認め」と盛り込まれた。被害を発生させた責任を認めるよう主張していた原告側は「極めて明確に責任を認めている」と評価した。
一方、厚生労働省幹部はこの書きぶりについて「発生させた責任まで認めたものではない。そこまで認めてしまうと薬事行政全体に影響する」と指摘。双方が納得するぎりぎりの一致点とみられるが、「玉虫色」の感は残る。
薬害肝炎問題は、医薬品の副作用被害に関する新たな課題も突き付けた。血液製剤に肝炎のリスクがあることは当初から知られ、国や製薬会社は止血効果を優先して承認、販売を継続してきたからだ。副作用は「必要悪」とみられがちだが、肝炎に感染した患者らが被った重大な被害を踏まえれば、従来の薬事行政のどこかに問題があったのは明らかだ。
医療や医薬品の安全性に向ける国民の目は年々厳しくなっている。問題の検証を通じ、国は薬害の再発を防止する努力を怠ってはならない。
=2007/12/29付 西日本新聞朝刊= 2007年12月29日10時50分
マドンナ役は備中高梁のお寺の出戻り娘・竹下景子である。この人は寅さんのシリーズで3回だったかマドンナ役を演じている。監督の受けが良かったんだろうか?w
備中高梁と言えば私がこの秋小旅行した際通過した場所だが、私の場合乗り換えの待ち時間を利用してほんのちょっとだけ駅前に出ただけなので、町の広範な様子など覗うだけの余裕はさらさらなかったが、駅前に『男はつらいよ第32作撮影の地』という看板があったので撮って来た。
『ご当地もの』と言っても山田監督の場合、細部に亘って熱心に描写するときとおいしいところだけさっと流して撮るときと二通りあるように思う。この第32作の高梁は描写が詳しい方だろう。ともあれ『男はつらいよ』シリーズは日本全国ふるさと巡りの映画なのである。
男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎(1983) - goo 映画
2.あかね空
あかね空 - goo 映画
今年3/31公開のこの映画は期待していた程には面白くなかった。本が悪いのか監督が悪いのか、或いは両方が悪いのか不明ながら、何を言いたいのかさっぱり伝わって来ないから『で、だからどうしたの?!』ってなもんである。幼少時祭りで賑わう浅草永代橋の上で迷子になった男が成人後は闇の『親分』となって活躍する話(?)ではなく、京風の豆腐を深川で売り始めた豆腐屋一家の物語だが、個々の人物描写が甘いから私には全てが中途半端という印象だったのであるが・・↓ 以下goo映画によると:
江戸は深川蛤町。職人たちが多く暮らす長屋が並んだ裏町で、井戸から汲み上げた水をじっと眺めている旅姿の男―京の豆腐屋で修行し、江戸で店を持つためにやってきた永吉は、近くに住む桶屋の娘おふみと出会う。お互い惹かれ合うものを感じた二人は、京の豆腐を江戸で売り出すために力を合わす。影で見守る清兵衛とおしのは、幼くして行方知れずになった息子を永吉に重ね合わせ、何かと力になるのだった。そして18年の時が流れ…。
原作は、江戸を舞台に数々の人情味溢れる時代小説を発表している山本一力。市井の人々の人間模様を細やかに描写した原作の魅力はそのままに、映画では所々にVFX映像を用いながら迫力のある“江戸の風景”を見せてくれる。再現された当時の深川の町並みや隅田川に架かる永代橋の全景は、物語にリアルな迫力を生み、観るものをあたかも200年前にタイムスリップさせてくれるかのようだ。主演の内野聖陽の硬軟演じ別けた(2役を演じる)名演ぶりは、まるでしゃきっと腰のある江戸前木綿豆腐と、柔らかい京風豆腐の違いを表しているかのようで楽しめる。
↑ とまあ、ベタ褒め(?)だから、これは見解の相違というものである。w
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薬害肝炎が全面解決 原告、法案に合意 全訴訟和解手続きへ
薬害肝炎被害者の救済法案をめぐり、与党プロジェクトチーム(PT)と原告側は28日、国会内で協議し、法案骨子と和解基本合意書の骨子案について合意した。鈴木利広全国弁護団代表は「われわれの意見はすべての項目について、しっかり入っている」と述べ、今後、東京、大阪、仙台、名古屋、福岡の各地裁、高裁で順次、和解手続きに入る方針を表明。同訴訟は提訴から5年ぶりに全面解決することになった。
同日、鈴木代表とともに記者会見した川崎二郎PT座長(元厚生労働相)は「弁護団の努力に敬意を表したい」と述べ、原告側と全面的に合意できたことを強調。法案には野党も同意する見通しで1月上旬にも成立することが確実となった。
法案の骨子は、国と製薬企業が血液製剤フィブリノゲンと第九因子製剤の投与によるC型肝炎ウイルス感染者に対し、肝硬変・肝がん(死亡を含む)4000万円、慢性肝炎2000万円、未発症者1200万円を給付金として支払い、給付のための基金を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(東京)に設置するとしている。
対象となる患者は約1000人で、給付金の総額は約200億円に上る見通し。
投与事実や感染との因果関係は裁判所が判断。給付金の請求は法施行後5年以内とし、給付から10年以内に症状が悪化した場合は差額が支払われる。焦点だった国の責任と謝罪については、前文に「甚大な被害が生じ、被害の拡大を防止し得なかったことについて責任を認め、心からおわびすべき」と明記。鈴木代表は「極めて明確に責任を認めていただいたと理解している。われわれの満足のいくものだ」と評価している。与党は野党との協議を1月4日ごろに始め、7日に国会に提出、成立を目指す。
基本合意書は国との和解条件を詳細に示したもので(1)和解内容(2)被害の認定方法(3)再発防止策(4)追加提訴の扱い‐の4項目が柱。1月中にも国、製薬企業と原告が正式に取りまとめ、その後、和解手続きに入る。
■原告の要望 最大限反映
【解説】一時は和解協議が暗礁に乗り上げた薬害肝炎訴訟が28日、全面解決することになった。原告側が一貫して求めてきた「全員一律救済」と「国の責任と謝罪」の2点が、与党の救済法案骨子に最大限反映されたためだ。
法案づくりで焦点だったのは国の責任をめぐる表現。前文に「甚大な被害が生じ、その拡大を防止しえなかったことについて責任を認め」と盛り込まれた。被害を発生させた責任を認めるよう主張していた原告側は「極めて明確に責任を認めている」と評価した。
一方、厚生労働省幹部はこの書きぶりについて「発生させた責任まで認めたものではない。そこまで認めてしまうと薬事行政全体に影響する」と指摘。双方が納得するぎりぎりの一致点とみられるが、「玉虫色」の感は残る。
薬害肝炎問題は、医薬品の副作用被害に関する新たな課題も突き付けた。血液製剤に肝炎のリスクがあることは当初から知られ、国や製薬会社は止血効果を優先して承認、販売を継続してきたからだ。副作用は「必要悪」とみられがちだが、肝炎に感染した患者らが被った重大な被害を踏まえれば、従来の薬事行政のどこかに問題があったのは明らかだ。
医療や医薬品の安全性に向ける国民の目は年々厳しくなっている。問題の検証を通じ、国は薬害の再発を防止する努力を怠ってはならない。
=2007/12/29付 西日本新聞朝刊= 2007年12月29日10時50分