本家ヤースケ伝

年取ってから困ること、考えること、興味を惹かれること・・の総集編だろうか。

雑煮寸考。

2007-12-09 04:56:18 | 
*さてもうすぐ正月で何かとせわしない日々が続く。
「正月と言えばお雑煮♪」ってか、るるぶ.comを見ると、日本各地のご当地の雑煮が紹介されていて、別に文句を言うつもりもないが、雑煮と言うからには醤油味にしろ味噌仕立てにしろ所詮は「雑炊」というか、あり合わせの野菜に餅を加えて煮込んだだけの極めてシンプルな食べ物であって良さそうなものだが、ああなると超が付く豪華料理に変身してしまっている感がある。 
 雑煮と言えば餅である。餅を入れない雑煮は考えられない。餅には四角い切り餅と丸めた丸餅があり、一応愛知県~岐阜県あたりが食文化の境界となっていて、そこから東が切り餅、西が丸餅ということだったが、今は自分の家で餅を搗いているならいざ知らず、先日私の住む近くのスーパーへ行ったら袋入りの切り餅が二種類置いてあるだけだった。「大阪だから丸餅」という伝統があるわけではなく、1kg入りの袋の表示を見たら宮城県の産だった。wまた機会があったら別のスーパーも探検してみたい♪ぁそ。

 私自身は関東の産で、父母の実家には杵も臼もあったが私の家にはなかったから家では餅は搗かず、暮れになると近くの米屋さんに熨し餅を注文していた。米屋からまだ柔らかい熨し餅が届けられるとそれを四角く切って、あれはどういう方法をとったか小正月の頃まで保存していたのだが、餅が残り少なくなる頃にはアオカビが生えて、それを削り取ったり水餅にしたりして食べていた記憶がある。今は電動式の餅つき機もあるから、あれのある家庭では一年中自家製の餅が食べられるわけである。
 尤も現在は幸か不幸か、餅や赤飯、箱寿司などは冠婚葬祭や盆正月には関係なく、食べたければいつでも食べられる時代である。寅さん映画だって盆正月とは無関係に見られるわけだし、考えてみると私たちは自ら率先して季節感というものをかなぐり捨て、その挙句「現代は季節感がない、ない!」と騒ぎ立てている手前勝手な一族であるのかも知れない。

 それで私の知る「我が家の雑煮」であるが:

材 料=餅、鶏笹身、ホウレン草、大根。餅は焼かないで最後に投入する。
調味料=醤油、こんぶ出汁、かつお出汁。塩も少々かな?
 あとはお好みで、食べる直前に刻み海苔+粉鰹等を振りかける。
 これは簡素でおいしい雑煮だと私は今でも思っている。
 ツユは最初は澄まし汁風だが、やがて餅が溶け出して来るから何回か使っているうちにどろどろになってしまう。私自身はそのドロドロのツユの味も捨て難く感じていたが、他の家族は概ね澄まし汁好みで、前日の古い汁は廃棄されることが多かった。

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 それでこれは以前私が名古屋にいた頃の話で余談になるが、年金生活に入ったばかりの知合いが関東から遊びに来ていたことがあって、私も当時自分のアパートには寄りつかない日々を送っていたから(←どういう生活しとるんじゃ!?)自転車付きで彼に自由に使わせていたら、呑んべえの彼は或る日私に「簡単な手料理を教える♪」と言ってキッチンに立ち、一杯気分で一種の煮込みうどんを作ってくれたのである。
 問題はそのうどんであるがツユは醤油味。具材は大根とホウレン草だったから、何を隠そう、うどんを餅に換えそれに鶏肉を加えたらたちどころに我が家の正月料理に変身してしまうのである。彼は千葉県出身者だったから(?)似たようなものを食べているんだなとそのとき思った。


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