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英雄の末路

2013-12-14 18:55:12 | よもやま

 今日の記事に、元自転車のロードレーサー「ランス・アームストロング」の記事が出ていた。
  彼は精巣腫瘍という癌に冒されて、脳転移までに至り生存率50%という危機から、
  奇跡的に回復し、あの世界で一番過酷なロードレースと言われる、
  「ツール・ド・フランス」で驚異の7連覇を達成した英雄だった。

  彼はその間も、癌に冒されている子供達への支援団体を作り、
  我々もその趣旨に賛同し寄付金を送ったり、
  チャリティグッズを買ったりして応援をしていた。

  しかし、多くの自転車レーサーが語るように、
  彼もまたドーピングに手を染めていたことはこのブログにも書いたことがある。
  多くのレーサーがテストステロンを摂取し、自己輸血までして身体能力を高め、
  この過酷なレースを乗り切ろうとしていたことは、
  もう「やるか」「やらないか」で勝ち負けが決まってしまうことを意味していた。

  私はタイラー・ハミルトンという、彼もレーサーだった一人の告白本である
  「シークレットレース」という本でこのドーピングの詳細を読んだ。
  ランスのドーピングに対する意識は異常だと思った。

  そして今日。
  ランスはレーサー達をお金で釣り、八百長を仕組んでいたというのだ。
  ドーピングも決して良いことではない。
  でも、自分の能力を高めるための違反と、
  他人の力を出し切らせないようにする八百長は全く違う意味を持っていると思う。

  ランスのドーピングの言い訳を聞いていた時、それが明らかになった時、
  ちゃだはランスのグッズを全て捨てた。
  しかし、今日は呆れ果てて「そこまでして勝ちたいか!」と心の中で叫んだ。

  しかも、ちゃだはランスがツールで快進撃をしているまさにその時、
  SHIMANOという会社で、ランスが乗るはずの自転車の部品を作っていたのだ。
  もしも自転車の部品に不具合があったら、レース中に壊れることがあったら、
  八百長をしてまで勝ちたかったランスはどれだけSHIMANOを恨んだだろう。
  同僚が寝る間も惜しんでランスのために特別仕様のペダルを作っている。
  そのことを見ていたちゃだは、私よりももっと複雑な思いだろうと思う。

   彼のやっている慈善事業も色褪せた。
  ツールの7連覇もオリンピックのメダルも剥奪されたランスの末路は、
  八百長という新たな告白で終わりを告げる。


  くぅ  

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