皆さんは「実印」ってお持ちだよね。
シャチハタとかは実印に出来なくて、
きちんと印肉を付けて押すアレ。
私の亡くなった実父の話なんだけど、
私が初めて実印を作った時のことだった。
まだ私は結婚もしていなくて実家に住んでいて、
下の名前で立派なのを作った。
それが出来上がって試しに押してたりした時、
「実印にはなんで前の印が付いてないか知ってるか?」
と父に聞かれた。
前の印とは印鑑の前を示すためのもので、
そこが凹んでいたり丸いちょぼが付いていたりする。
認め印なんかには付いてるよね。
でも実印として作ったものには付いていない。
だから上下が分かりにくい。
父曰く。
「その印がないことで、
上はどっちだろうとか回してよく見るだろ?」
「その確認の時間の時、
本当にこの印鑑を押していいんか?
今から大事なものを押すんだぞ」
そういう自分への確認の時間を取るために、
実印には上下のしるしがないというのだ。
その説が本当かどうかは分からない。
でも私はその父の話で実印というものの大切さを知った。
それ以降、実印を押すときには、
自分の名前を見つめながら、
「本当にこの書類に押していいんだね!」と・・・
そう思うことにしている。
くぅ