神戸市須磨区の海沿いにあり長らく神戸市民などに親しまれた水族館「須磨海浜水族園」は、2023/5/31限りで66年の歴史に終止符を打ちました。
跡地およびその周辺一帯では再開発事業が進行しており、水族園(近年は神戸市が民間の指定管理者に委託して運営していました)の後継施設となる純民間施設「神戸須磨シーワールド」は2024年6月にオープン予定です。
https://smile.kobe-sumasui.jp/redevelopment/
https://www.granvista.co.jp/facilities/kobesuma-seaworld/
但し、水族園の閉園後も、旧施設の前にある神戸市バスの「須磨水族園」バス停はそのままの名称となっています。
神戸市バスの場合、施設が移転・廃止・改称されてすぐのタイミングでバス停名称が変更になる例はそれほど多くなく、「年度替わりのタイミング」が主流です。さすがに区役所移転レベルであれば即座に反映されますが・・・
例えば、須磨区内から2016年5月に中央区のポートアイランドに移転した兵庫県立こども病院の前にあった市バスの「こども病院前」バス停が、移転を反映して「高倉台南口」に改称されたのは、移転から1年近く後の2017/4/1付だったりします。
「須磨水族園」の場合、2024年度当初(2024/4/1)時点ではまだ神戸須磨シーワールドはオープンしていませんが、前倒しで名称変更するか、それともオープンを待って改称するのか、果たしてどうなることでしょう?
ちなみに、須磨海浜水族園の前身として1957年5月に開館した「須磨水族館」は、もともと市民の憩いの場というよりも「遊園地同等の集客施設」であり、開館からしばらくの間は神戸市交通局が所管していました。神戸市の公式サイトで公開されている「神戸市交通局100年史」の133ページ目の記載によれば、
https://www.city.kobe.lg.jp/documents/35696/09chapter5.pdf
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・1950年半ばは団塊の世代が小学校に入学しようとする時期であり、多くの家族連れ来館者が期待された
・阪急電鉄が宝塚に遊園地や少女歌劇を設けて、沿線の通勤客とは逆方向へ向かう乗客を増やし効率的に電鉄経営を進めようとしたのと同じ手法で、市電・市バスの利用客を増やすことも期待された
・神戸市としては、須磨海浜公園の整備を市当局が行うには財政的に難しいことから、1953年以来黒字を増やしている交通局の資金をあてにした側面もあった
・開館当初は、設備の良さ、魚種の豊富さから東洋一の水族館と呼ばれた
・1968年4 月、交通事業財政再建計画に基づいて、須磨水族館は交通局の手を離れ、市経済局の所管となった
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となっています。つまり「神戸須磨シーワールド」への衣替えは、施設設置の原点に戻ったといえるかもしれません。