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十三高槻線正雀工区、開通に向けての障壁(その1)

大阪府高槻市・茨木市と大阪市内を結ぶ道路は長年整備状況が不十分な状態が続いています。名神高速や国道171号は大阪市のはるか北を経由しており、最短距離で結んでいる府道14号大阪高槻京都線は1車線区間が大半で流れが悪く相当時間がかかります。

これを改善するために、JR京都線の東側を経由し高槻市内と大阪市内を一直線に結ぶ都市計画道路十三高槻線が計画されました。このうち国道170号との交点<高槻市内>~中央環状線との交点<摂津市内>間は4車線道路が概ね供用されています。中央環状線から西側も、摂津市正雀あたりまでは4車線道路の構造物ができているものの、その先の区間の工事が遅々たる進捗のため中央寄りの2車線を封鎖した状態で供用されている区間が結構あります・・・ストリートビューの例その1 その2

その「遅々として進まない区間」が正雀工区です。正雀川の下をくぐり、大阪学院大学高校のグラウンドの北側を通り、阪急京都線の上を越えて既存の2車線の都市計画道路に合流する部分です。

https://www.pref.osaka.lg.jp/ibarakidoboku/gaiyo/jyutaka_syoujyaku.html

正雀工区付近のGoogleMapはこちら

この区間は1999年度に事業着手され、当初時点では2005年に完成する予定でしたが、用地買収の遅れや阪急電鉄との交差部の工事の時間的制約などからベタ遅れになりました。大阪府のサイトで公開されている2008年時点の再評価調書によれば、この時点で全体事業費は約256億円と当初見込みから100億円以上増加しており、用地買収の進捗が68%なのに対し工事進捗が僅か2%、完成予定は2016年度にまで後ろ倒しになっています。

このうち正雀川の下をくぐる区間の車道は2014/4に「4車線のうち2車線のみ供用」の形で開通しましたが、阪急電鉄との交差部を含む区間は2016年度時点でも完成はおぼつかない状態で、2018/7/27に開催された平成30年度第3回建設事業評価審議会都市整備部会の資料(原本はパワーポイントファイルです)によれば、用地買収の進捗が92%なのに対し工事進捗が僅か5%となっています。一方、全体事業費は2008年時点の約256億円から一気に60億円減の約196億円となっており、その理由は「鉄道との立体交差部の構造について、アンダーパス(地下道)から橋梁によるオーバーパスに見直した」ためとのこと。

したがってこの区間で実際に工事が始まったのは2018年下半期以降なわけですが、その後は用地買収も完了したことから阪急電鉄(交差部は同社が施工)の協力のもとに工事はそれなりのスピードで進み、このブログ記事を書いている時点の阪急電鉄公式サイトによれば、

https://www.hankyu.co.jp/story/report/post-4.html

鉄道上空に架かる道路橋新設工事は2022年8月に完了しており、それに続いて併設される歩道橋の新設工事等を鋭意進めており、2024年3月に開通を予定しているとのこと。

「2024年3月開通予定」というのは道路部分の施工主体である大阪府こそ明言していないものの、他のサイトにはいくつか出てきます。

https://trafficnews.jp/post/130314 (乗りものニュースの2024/1/10時点の記事)

https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01696/011600033/ (日経クロステックの2024/1/22時点の記事)

https://citylife-new.com/newspost/31311/ (シティライフニュースの2024/2/6時点の記事)

 

私は(こちらのブログではまだ紹介していませんが)2019年以降何回も現地に足を運び、進捗状況を継続的に見てきています。ということで、2024/2/18に半年ぶりに現地を見てきましたが、結論は

「道路自体の工事は2024年3月に完成する可能性大だが、供用開始はまだまだ先になるはず」

でした。「その2」以降では現地の状況や供用開始先延ばしの根拠について書いていく予定です。

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