三重県と奈良県を結ぶ名阪国道は、昔から有名な「高速道路のようで実は無料の幹線道路」です。
その両側はれっきとした高速自動車国道(東名阪道・西名阪道)ですが、中間の山間部が中心の区間については、1960年代前半の着工時点では国道25号のバイパスとして建設する予定だったのが、将来の交通量の増大を見据えて高速道路に近い規格に格上げして一気に仕上げたもの(当時は「千日道路」の異名あり)です。
しかし、「高速道路に近い」というのが曲者で、インターチェンジの加速車線が極端に短かったり、奈良県側の高原と盆地を結ぶ区間では急カーブ・急勾配の連続で非常に危険な状況ですが、改良するには有料道路化が必要と考えられ、実際一部にはそのような声もありますが、現実離れなんでしょうね・・・
ただ、そんな中高速自動車国道では義務付けられている「非常電話」は完備されており、中部地方整備局北勢国道事務所が管轄する区間(亀山IC~針IC間)だけで136台もありましたが、昨今の携帯電話の普及に伴って使用頻度が激減し、補修用部品もなくなってきているとともに、道路管理者側の監視体制も充実していることから、同区間については一般道でも設置義務のあるトンネル内などの20台を除き撤去するとのこと。
読売新聞のサイトに11月7日に掲載された記事によれば、「警察や消防とも協議を済ませ、電話の配線を切り、案内板を取り外して「故障中」と明示するなどして使えなくしてある」そうです。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20211107-OYT1T50003/
ただ、実はNHKがその2日前の11月5日に違うニュアンスで報じており(東海地区ローカル)、読み比べると面白いですね。
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20211105/3000019224.html
「国道事務所によると、この区間の上下線に設置されている非常電話あわせて136台のうち、8割を超える116台が、経年劣化などで故障し、使えないということです」
「古くて部品が製造されていない電話もあり更新は難しい。時期は決まっていないが、撤去することを検討したい」(副所長のコメント)
これだと、視聴者は「次々に故障したものの、補修するにも撤去するにも費用がかかるためそのままにしており、スマホを持たないドライバーにとって紛らわしい状態を道路管理者が放置しているとは何事だ!」と受け取るでしょう。そのフォローとして、読売の記事が出たわけです・・・