2022/4/17付「兵庫県北部の「上限200円バス」終了→区間によっては運賃3倍以上に」の続きです。
上記ブログで以下のように書きましたが、
>ちなみに、この協働運行の取り組み終了に関しては、全但バスが発信する情報以外では各種報道でもネット上でも見つけることはできませんでした(豊岡市の公式サイトにも見当たりません)。豊岡市では2001年以来務めていた市長が2021年の選挙で落選し、各種施策が変わりましたが、あるいはその一環かもしれません。一切の報道が見当たらないというのは、地元も納得の上の施策変更だからと信じたいです。
実は、「地元からの要望で上限200円バスを終了した」ことがわかりました。
豊岡市の担当部署である都市整備部都市整備課交通政策係に、協働運行の取り組み終了の理由について聞いてみたところ、回答は以下の通りでした。
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・上限200円バスの維持のために地元住民が頑張ってバスを利用してきたが、本来バスに乗る必要がない人たちまで一種の「動員」の形で乗車していたこともあり、地元住民の負担感が年々強まってきた。
・そのため、2020年頃には地元から終了の声が高まったが、2021年度については継続となったものの、最終的には年度末での終了となった
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国鉄末期に輸送密度がローカル線の廃止か存続かの基準となった際に、地元が「乗って残そう運動」を展開して、一種の動員の形で輸送密度を上げようと努力したものの、最終的には維持できずに第三セクター鉄道に転換や廃止という例がありましたが、今回の神鍋高原線バスの顛末はよく似ていますね。こちらは「バス路線が廃止にならなかった」だけマシですが。
ちなみに、担当部署によれば、読売新聞の但馬版はこのことを記事にしたものの、地元紙の神戸新聞は取材にさえ来なかったそうです。「バスの運賃が一気に3倍に値上げ」という事実は十分にニュースバリューがあるような気がしますが、原因が「豊岡市の政策転換」とか「バス会社の経営悪化」とか「コロナ禍」ではなく「負担に耐えかねた地元住民が決断した」ということで、読者の共感を得にくいと考えたかもしれませんね。