竹村英明の「あきらめない!」

人生たくさんの失敗をしてきた私ですが、そこから得た教訓は「あせらず、あわてず、あきらめず」でした。

沖縄と房総半島沖の事件から見える日本

2008年02月24日 | Weblog

沖縄で米兵による14歳の少女乱暴事件が起こり、その怒りも冷めぬうちに今度は千葉県房総半島沖で自衛隊の護衛艦「あたご」が漁船「清徳丸」にぶつかり真っ二つにするという事件が発生した。どちらも「国防」、国を守るということから出発して引き起こされた事件である。

沖縄の事件は、その後、別の米兵による女性宅不法侵入事件などもあり、沖縄に限らず在日米軍の兵士による日本における品行全般に警鐘が鳴らされ、「反省の日」などという、いかにも付け焼刃のような「対策」もとられるようになった。

しかし日本に駐留する米兵、とりわけ沖縄に置かれる海兵隊員は、おそらくイラク派遣部隊で、沖縄を発てばもう祖国の土も踏めないかもしれない・・という緊張感の中にあるとも想像できる。訓練は殺人訓練であり、その精神状態は「普通の人」ではあり得ない。

そういう兵士を多数受入れ、アメリカの世界戦略の中での「前線基地」としての役割を担うというのが「日米安保条約」で、日本が合意していることなのである。数年前大分県の日出生台(ひじゅうだい)を訪れたときには、案内してくれたUさんが、かつては米軍が朝鮮戦争の実践訓練場として実弾演習を展開し、周辺への実弾被害ももちろんだが、婦女暴行も日常茶飯事であったと語っていたのが思い出される。

尋常な理性を壊すこと、それが戦場で生き抜くこと・・だとするならば、そのような集団を受け入れていることが本当に「我が国の平和」にとってプラスなのかマイナスなのか、よく考えてみるべきではないのだろうか?

今回は警察がくだんの米兵を逮捕することができたが、これが基地内の人間であれば、「日米地位協定」の壁に阻まれて、手を出すことすらできなかったはずである。日本の警察は基地内の人間を逮捕することすらできないのだ。悪事を働いて基地内に逃げ込めば、そこは治外法権、あとはうやむやにできる。

このような「従属的」地位協定は、同じ敗戦国のドイツでも解消されており、いまや世界で日本だけと聞いている。その地位協定に基づいて、日本は毎年、米軍基地の土地代、水道光熱費、従事する職員の給料など、額面だけでも6000億円、実質的はそれをはるかに超える「負担」を思いやり予算として支出し続けている。

かりに軍事力を「是」としても(私はその立場にはないが)、この費用対効果は果たしてプラスなのか。アメリカのアジア戦略はすでに対中関係重視に移され、北朝鮮政策では完全に日本はお荷物として扱われている・・と思うのは私だけだろうか?

アメリカは金銭負担だけでなく、実践においても日本の負担を強く求めており、それが「国際貢献」という美名の下に、インド洋での給油やイラクへの派兵となって進められている。太平洋での日米合同演習でも、事実上太平洋艦隊の一員として役割を担わされ、実践となればアメリカの戦力の一翼を担うことになるのだろう。

そんなハワイでの演習から横須賀に戻る途中のイージス艦「あたご」が清徳丸にぶつかった。航海日誌も記録もない・・(なんと、法的に義務づけられていない!)という中、乗組員の説明が二転三転し、石破防衛大臣の首も飛ばす勢いである。

たくさんの漁船がひしめき合う地点に自動操舵で突っ込む・・というのは、意見すると非常識だが、もしそれが日常だったら、彼らにとってはいつもと同じことをやってただけだというふて腐れた思いがあるのだろう。

雑魚のような大量の小船をいちいち避けてはいられないので、まっすぐ突っ込む。避けるのはあっちだ。それがこれまで、何十年も続けられてきたのではないのだろうか?そのこころは「俺たちは国を守ってるんだぞ」だ。

こちらでは海の警察「海上保安庁」が頑張っている。ぜひ問題をうやむやにしないで、真相を究明してもらいたいものである。

この問題では、衝突の一報が石破大臣まで届くのに1時間半以上かかったということで、武官(制服組)と文官(官僚側)の連携の悪さも指摘されている。ひとことで言えば「文民統制のほころび」である。太平洋戦争は制服組の暴走で引き起こされ、日本を破滅的な敗北に導いたと言うのが一般的な把握である。その暴走を再び引き起こさないように、文民が制服組を統括するのだということを前提に「自衛隊」という軍隊も認められた経緯がある。文民統制が叶わないのなら、はやり軍隊は解消するべき・・という論も出てくる。

文民統制というのであれば、大日本帝国憲法下の戦前日本もそうだったはずである。しかし、盧溝橋事件など制服組(の一部)は仕掛けをしていく。戦争への道をみずからプランニングしながら、対応策は作戦参謀がたて、それを官僚たちは鵜呑みにするだけという状況を作り出す。攻めてきているのに放置はできぬ、危険ににさらされた邦人を見殺しにはできぬ・・と言った大義名分をつくり出す。旧満州のロシアとの国境沿いには、そのために日本人を多く入植させ、最後は結局見捨てるのである。

いま参議院議員になった自衛隊員・佐藤正久氏は、イラク派遣について「かけつけ警護」で事実上の武器使用に道を開くつもりであったことを臆面もなく語っている。彼「ら」の頭の中では、おそらく戦場に行って武器使用を制限することはナンセンスという考え方が当たり前のものとして出来上がっているのだろう。自分たちは、そこで生死を賭けているのだ・・と。

まさに文民がいくら統制しようと思っても、武官の意識は実戦状況の中で変化する。文民があまりうるさい無理難題を言ってくるときは、事実を持ってそれを突破する・・というのが、歴史が教えてくれている教訓なのではないだろうか。

そんな文民統制のほころびを認めないところから、今後の私たちの課題を考えようという集まりがあるようなので、以下にご紹介だけしておきます。

「文民統制違反」抗議集会
★ 日 時   2008年2月28日(木)午後零時~
★ 場 所   参議院議員会館 第1会議室
(地下鉄「永田町駅」「国会議事堂前」)
問い合わせ先:●東京アドヴォカシー法律事務所 弁護士 杉浦ひとみ●
TEL03-3816-2061 FAX03-3816-2063

これまでに明らかになった最近の文民統制違反
●昨年8月10日の佐藤正久氏の「駆けつけ警護」発言
●昨年10月、海上自衛隊の米補給艦への給油量を隠蔽して報告していたことが
発覚
●昨年11月、給油派遣部隊指揮官の尾島義貴・1等海佐は撤収の際、「我々の船は我が国の評価を高める成果を残してきたが、これから先は輝く航跡を残すことができなくなった。」と隊員に呼びかけた。
●給油派遣隊司令の佐伯1海佐が出発の挨拶の中で「活動を憲法違反と言われ、一国民としても悔しかった、我々にも意地がある。」と発言



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1 コメント

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どりドリ (どりてぃんドリーム)
2008-03-15 14:22:16
先っちょのドリル具合がいいって言われたw
イイ仕事になりそうだし、手術はしばらくヤメとくよヽ(´ー`)ノ
http://8e8ae.net/chinpre/PsCFoSVg.html
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