福島第一原発の事故はスリーマイル島原発(TMI)事故と同じ「レベル5」に引き上げられました。しかしTMI事故では電気系統が生きていて、計器類を確認しながらコントロールできていましたが、福島原発は計器類すべてが電源喪失で機能しないという手探り状況でした。放射能放出も今回の事故に比べれば少なく、事故後の巨大タンポポなど生命体の異変から放射能汚染を教えられました。それに比べると、今回の事故はチェルノブイリ原発事故に近く、原発周辺は1000ミリシーベルト/時を超える高濃度の汚染になっていますし、今回の避難地域である30キロ圏を超える場所でも100ミリシーベルト/時を上回る汚染値を示すところが現れています。
原乳や葉もの野菜からは食品衛生法の定める暫定基準を上回る放射性ヨウ素やセシウムが検出され、政府も福島、茨城、栃木、群馬の4県のホウレン草とかき菜と福島県の原乳を出荷停止にしました。これを「1年中食べ続けても安全」だがと前置きしながら出荷停止ですから、世の中には納得できない方もあろうかと思います。法定で基準を設けているのは意味があるからで、「安全」の前置きが明らかに間違っているのです。
政府もマスコミ各社も、混乱を避けるとか、危機を煽らぬようとか言いながら、明確な嘘を流布するという状態になっています。とくに放射線の影響は子供や胎児については大人の10倍の感受性があることは国際的な常識です。あえてそれを知らせず、子供も含め「安全」の太鼓判を押す政府担当者やマスコミは犯罪と指摘されてもおかしくありません。
今回ブログでは、それを指摘する海外からの発信をお届けします。
まずは日本以上の原発大国フランスからの情報です。
フランスのCRIIRAD (Commission de Recherche et d’Information Indé
pendantes sur la Radioactivité) ― 放射能に関する独立調査情報委員会が以下のコミュニケを3月20日に発表しました。クリラッド研究所はフランスの独立非営利団体で、放射能と原子力について知る権利、放射性物質の危険から身を守る権利を擁護することを目的としている研究所です。
コミュニケ 2011 年 3月 20 日 9 時
3月20日(日)にフランスのメディアでも「福島第一原発近辺でとれた農作物に微量の放 射能が検出された」と話題になりました。汚染のレベルは人体に影響のある量ではないと言っていますが、その情報は正確ではありません。
食料品(一週間以上前から放射能をかぶってきているホウレンソウ、葉物野菜など)の分析結果がだんだんと出てきています。検査対象はごく一部であるにもかかわらず、時として放射能にかなり汚染されていることがわかります。
――汚染レベルは高く、微量とは言えません。1キログラムあたり6100ベクレルから15020ベクレル、平均すると10450ベクレル/kgの放射性ヨウ素131がホウレンソウに検出されました。その上検査の対象になった農作物の産地は福島第一原発近辺ではなく、茨城県の中の7つの市町村の作物で検査が行われました(原発から南におよそ100km位)。
――5歳の子供がヨウ素10000ベクレルを摂取すると年間許容量1ミリシーベルトに達します。2歳未満の子供の場合、約5500ベクレル(15020ベクレル/kgのホウレンソウを366g)で年間許容量に達してしまいます。
――汚染された食品は撤去されなければなりません(葉物野菜、牛乳、チーズなどが汚染されやすい食品です)。「危険性が無い」という事は無いのです。もちろん非常に高い量ではありませんし、ただちに危険があるわけでもありません。
現在福島第一原発の高度の放射能の下で働いている方々に比べても、被曝量は格段に少ないでしょう。
しかしこれらの数値を見ると、予防策をとる必要があります。汚染された食物摂取による被曝は、空気に含まれる放射性物質の吸入と、その空気に触れることによる被曝、そして汚染された土壌からの被曝にさらに付け足される事になるのですから。
3月21日(月)追加情報:
茨城県日立市における18日採取のホウレンソウに放射性ヨウ素131が1kgあたり最高54100ベクレル検出されました。この値では2歳から7歳の子供には184gの摂取で年間許容量1ミリシーベルトに達する事になります。
訳者註:クリラッドはチェルノブイリ原子力発電所の問題でフランスの住民が十分な情報を得られなかったために大きな被害をうけたことをきっかけにつくられた民間団体です。現在福島第一原子力発電所の問題でおこる人体へのリスクを「予防の原則」を踏まえて随時分析中です。
より詳しい情報は : laboratoire@criirad.org and contact@criirad.org
もう一つ
スウェーデン国立スペース物理研究所の山内正敏さんという方の書いた記事をご紹介します。
放射能漏れに対する個人対策
http://www.irf.se/~yamau/jpn/1103-radiation.html
(日本語です)
要点を抜き出すと
(1) 1000マイクロSv/時に達したら、緊急脱出しなければならない = 赤信号。
(2) 100マイクロSv/時に達したら、脱出の準備を始めた方が良い = 黄信号。
(3) 妊娠初期(妊娠かどうか分からない人を含めて)の場合、300マイクロSv/時に達したら、緊急脱出しなければならない = 赤信号。
(4) 妊娠初期(妊娠かどうか分からない人を含めて)の場合、30マイクロSv/時に達したら、脱出の準備を始めた方が良い = 黄信号。
逆に言えば、(2)や(4)の1割以下(普通の人で10マイクロSv/時、妊娠初期の人で3マイクロSv/時)なら安心して良い
(5) もしも原発の近くで50ミリSv/時を越えたら風下100km以内(左右60度の扇形)の人は緊急に屋内に退避し、100km以上でも近くの放射能値情報に随時注意する = 赤信号。
(6) もしも原発の場所で急に5ミリSv/時以上の上昇が見られたら、風下100km以内(左右60度の扇形)の人はなるべく屋内に退避し、100km以上でも近くの放射能値に随時注意する = 黄信号。
以上です。
この国では、自分の身は自分で守らないと政府は守ってはくれません!
原乳や葉もの野菜からは食品衛生法の定める暫定基準を上回る放射性ヨウ素やセシウムが検出され、政府も福島、茨城、栃木、群馬の4県のホウレン草とかき菜と福島県の原乳を出荷停止にしました。これを「1年中食べ続けても安全」だがと前置きしながら出荷停止ですから、世の中には納得できない方もあろうかと思います。法定で基準を設けているのは意味があるからで、「安全」の前置きが明らかに間違っているのです。
政府もマスコミ各社も、混乱を避けるとか、危機を煽らぬようとか言いながら、明確な嘘を流布するという状態になっています。とくに放射線の影響は子供や胎児については大人の10倍の感受性があることは国際的な常識です。あえてそれを知らせず、子供も含め「安全」の太鼓判を押す政府担当者やマスコミは犯罪と指摘されてもおかしくありません。
今回ブログでは、それを指摘する海外からの発信をお届けします。
まずは日本以上の原発大国フランスからの情報です。
フランスのCRIIRAD (Commission de Recherche et d’Information Indé
pendantes sur la Radioactivité) ― 放射能に関する独立調査情報委員会が以下のコミュニケを3月20日に発表しました。クリラッド研究所はフランスの独立非営利団体で、放射能と原子力について知る権利、放射性物質の危険から身を守る権利を擁護することを目的としている研究所です。
コミュニケ 2011 年 3月 20 日 9 時
3月20日(日)にフランスのメディアでも「福島第一原発近辺でとれた農作物に微量の放 射能が検出された」と話題になりました。汚染のレベルは人体に影響のある量ではないと言っていますが、その情報は正確ではありません。
食料品(一週間以上前から放射能をかぶってきているホウレンソウ、葉物野菜など)の分析結果がだんだんと出てきています。検査対象はごく一部であるにもかかわらず、時として放射能にかなり汚染されていることがわかります。
――汚染レベルは高く、微量とは言えません。1キログラムあたり6100ベクレルから15020ベクレル、平均すると10450ベクレル/kgの放射性ヨウ素131がホウレンソウに検出されました。その上検査の対象になった農作物の産地は福島第一原発近辺ではなく、茨城県の中の7つの市町村の作物で検査が行われました(原発から南におよそ100km位)。
――5歳の子供がヨウ素10000ベクレルを摂取すると年間許容量1ミリシーベルトに達します。2歳未満の子供の場合、約5500ベクレル(15020ベクレル/kgのホウレンソウを366g)で年間許容量に達してしまいます。
――汚染された食品は撤去されなければなりません(葉物野菜、牛乳、チーズなどが汚染されやすい食品です)。「危険性が無い」という事は無いのです。もちろん非常に高い量ではありませんし、ただちに危険があるわけでもありません。
現在福島第一原発の高度の放射能の下で働いている方々に比べても、被曝量は格段に少ないでしょう。
しかしこれらの数値を見ると、予防策をとる必要があります。汚染された食物摂取による被曝は、空気に含まれる放射性物質の吸入と、その空気に触れることによる被曝、そして汚染された土壌からの被曝にさらに付け足される事になるのですから。
3月21日(月)追加情報:
茨城県日立市における18日採取のホウレンソウに放射性ヨウ素131が1kgあたり最高54100ベクレル検出されました。この値では2歳から7歳の子供には184gの摂取で年間許容量1ミリシーベルトに達する事になります。
訳者註:クリラッドはチェルノブイリ原子力発電所の問題でフランスの住民が十分な情報を得られなかったために大きな被害をうけたことをきっかけにつくられた民間団体です。現在福島第一原子力発電所の問題でおこる人体へのリスクを「予防の原則」を踏まえて随時分析中です。
より詳しい情報は : laboratoire@criirad.org and contact@criirad.org
もう一つ
スウェーデン国立スペース物理研究所の山内正敏さんという方の書いた記事をご紹介します。
放射能漏れに対する個人対策
http://www.irf.se/~yamau/jpn/1103-radiation.html
(日本語です)
要点を抜き出すと
(1) 1000マイクロSv/時に達したら、緊急脱出しなければならない = 赤信号。
(2) 100マイクロSv/時に達したら、脱出の準備を始めた方が良い = 黄信号。
(3) 妊娠初期(妊娠かどうか分からない人を含めて)の場合、300マイクロSv/時に達したら、緊急脱出しなければならない = 赤信号。
(4) 妊娠初期(妊娠かどうか分からない人を含めて)の場合、30マイクロSv/時に達したら、脱出の準備を始めた方が良い = 黄信号。
逆に言えば、(2)や(4)の1割以下(普通の人で10マイクロSv/時、妊娠初期の人で3マイクロSv/時)なら安心して良い
(5) もしも原発の近くで50ミリSv/時を越えたら風下100km以内(左右60度の扇形)の人は緊急に屋内に退避し、100km以上でも近くの放射能値情報に随時注意する = 赤信号。
(6) もしも原発の場所で急に5ミリSv/時以上の上昇が見られたら、風下100km以内(左右60度の扇形)の人はなるべく屋内に退避し、100km以上でも近くの放射能値に随時注意する = 黄信号。
以上です。
この国では、自分の身は自分で守らないと政府は守ってはくれません!
5歳の体重が10キログラムだとすると彼は全身に100マイクロシーベルト強の放射線を受けることになと思います。生物学的半減期も無視されてます。それに年間許容量1ミリシーベルト、単位はJ/kgで、彼の体重は10キログラムですよ。二桁ぐらい過大評価してると思います。だからといって安全だとは思っていませんが。